なぜ日本の観光地の"ナイトライフ"は海外に比べて少ないのか?宮城大学 事業構想学群の学生が気になることを大調査!!旅行経験のある男女1400名に聞いた「地域別観光の魅力とナイトライフに関する調査」
ナイトライフを知っている20代以下の人は、わずか8.8%!日本でナイトライフを充実させるには、家族連れや女性、おひとり様でも安心して楽しめる飲食店や、豊かな自然を満喫できる環境の整備が求められる!!
【調査概要】
- 調査の方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートサイト「アイリサーチ」のシステムを利用したWEBアンケート方式で実施
- 調査の対象:全国の旅行経験がある男女を対象に実施
- 有効回答数:1,400名
- 調査実施日:2019年7月10日(水)~2019年7月11日(木)
- 調査立案者:宮城大学 事業構想学群 3年次2名〔大嶋ゼミ所属〕
◆「地域別観光の魅力とナイトライフに関する調査」学生K.A.さんとS.T.さんからの感想
◆本企画の参加動機について
観光について調べていた際に、日本では観光地における夜間の活動、いわゆる“ナイトライフ”が外国に比べて少なく、訪日外国人から不満の声が上がっているという記事を見つけました。一方、宮城県では近年、夜間に動物園や水族館を行う動きがあり、日本人である私から見ても大変興味のある事例です。しかし、東北全体で考えるとナイトライフという概念そのものが浸透していないように感じます。
そのような中で、オリンピックが行われる影響もあり、これから訪日外国人は増えていくことは確実だと考えられます。したがって、まず日本人が面白いと思える夜間観光を作り、そこから外国人観光客に対しても観光の幅を広げることが出来ればと思い、この企画を考えました。(K.A.さん)
私達が所属する大嶋ゼミの活動テーマの一つに「地域活性化と観光マーケティング」があり、今回の調査は今後のゼミ活動にも活かしていけると考えました。また、仙台空港では訪日外国人旅行者の増加に加え、LCCの台北線が通年運航したことなどが要因となり、利用者数が年々増えています。2020年には東京オリンピックの開催もあり、今後さらに日本を訪れる外国人が増えると予想されます。そこでより多くの外国人を呼び込み東北のインバウンドを拡大していくために、観光地に求められていることや、外国人観光客を受け入れる体制や準備は整っているのかを調査したいと考えました。この調査により、東北の人々の観光に対する意識や、インバウンドを受け入れる上での不十分な面を見つけ出して今後の課題とし、東北がより活性化してほしいと考え、企画を考えました。(S.T.さん)
◆結果を見ての所感
「ナイトライフを知っている」と答えた20代の割合が想像より低く、驚きました。一方、夜間観光に対してのマイナスイメージも挙がったため、ナイトライフという言葉の周知よりもナイトライフに向けた環境の整備が必要だと感じました。(K.A.さん)
観光客を増やすために改善したほうが良いことについての回答が地域によって違いがあり、観光に対する地域の課題や問題意識が地域によって異なることを改めて気づきました。また、東北ではおよそ半数が外国人観光客の増加を期待すると回答しており、これから外国人観光客の増加によって地域を盛り上げていくきっかけにもなると思いました。(S.T.さん)
◆調査全体、本企画に参加したことに対する感想など
インターネット調査がどのような流れで行われるのかを詳しく知ることが出来た貴重な体験でした。特に、正確な情報を得るための設問設定に難しさを感じましたが、それと同時に自らの知見を広めることができました。(K.A.さん)
1400人に調査を行うという大変貴重な経験をさせていただきました。自分たちが本当に知りたいことを聞くための設問内容や構成を考えることは、自分が想像しているよりも容易なことではありませんでした。この経験を、これからの大学生活やその後の活動に活かしていきたいです。(S.T.さん)
本調査を通じて、観光面での日本全体の傾向と東北地域の位置づけがわかると共に、新たな観光市場として注目されているナイトライフの現状と課題が浮き彫りになり、今後のゼミや研究活動にも非常に有益な調査結果を得ることができました。このような機会を設けてくださったネオマーケティング様と大嶋先生に深く感謝申し上げます。(K.A.さん S.T.さん)
※以下、コメント抜粋。全てご覧になりたい方は弊社コーポレートサイトよりダウンロードしてください。
ネオマーケティング:https://www.neo-m.jp/investigation/2414/
Q1. あなたが国内旅行として訪れたことのある地域について、それぞれどの程度魅力的に感じましたか。(単数回答)
「とても魅力的に感じた」と「やや魅力的に感じた」という回答の合計は、北海道地方から九州・沖縄地方のいずれの地域でも79.8~95.2%となりました。
【学生コメント】
全体的に、旅行で訪れた地域に対する満足度は高いことがわかりました。旅行先として選択している時点で、その地域に対してある程度の関心や興味を持っていると思うので、まずは興味を持ってもらうことが重要であると思いました。そのためには、効果的な情報発信やその土地ならではのコンテンツを充実させることが必要だと考えます。また、私がいる東北地方は、魅力度では3位と比較的高い評価を受けており、嬉しく思いました。
Q2. あなたが観光地に求めることとして、あてはまるものをすべて教えてください。(複数回答)【n=1400】
64.0%と半数以上の人から「お手軽な料金設定」が一番求められていることが分かりました。
【学生コメント】
観光地に求めることとして、コンテンツ以上に料金設定が重視されていることに驚きました。料金の低さが観光地に足を運んでもらうための大きな要素の一つだと改めて気づきました。上位にある「地域ならではの美味しい料理」と「温泉」は東北にも豊富で、これからの可能性を感じました。これから魅力的なコンテンツを効果的にPRしていくことが重要だと思います。
Q3. あなたは、ご自身がお住まいの都道府県にある観光地に観光をしますか。(単数回答)【n=1400】
全体では、約半数の47.9%の人が「頻繁ではないが、時々観光する」と回答しました。
【学生コメント】
どの地域でも、約半数が住んでいる都道府県の観光地を観光することがわかりました。このことから、観光地は観光客だけが楽しむものではなく、住んでいる人々がもっと楽しむことができる場所にしていくことが大事なのだと気づかされました。東北地域をみると、全国の平均レベルなので、まだまだ開拓の余地がありそうです。
全体では1位の「交通アクセス面の強化」が60.2%と、2位の「観光スポットの数」と28.3%もの大差をつけてランクインしていました。
【学生コメント】
1位はどの地域も同じですが、2位以下に違いがみられます。地域ごとに重視することや、力を入れて取り組んでいることが異なるようです。観光では不慣れな土地を巡るため、交通の便利さは重要であると思います。しかし、観光客が多くない地域の交通面強化が難しい現状や、地域住民との兼ね合いなど、交通面を変えることには多くの課題があるのだと考えます。東北については、地域別にみて唯一「温泉地の整備・PR」が上位にあり、これから優先的に改善していくべきポイントだとわかりました。
Q5. ご自身がお住まいの都道府県に、外国人観光客が増えてほしいですか。(単数回答)【n=1400】
「とても増えてほしい」と「やや増えてほしい」の合計は、全体では35.4%と4割を下回りました。ただし地方別で見ると、東北では50.0%、中国・四国では45.5%とおよそ半数が、外国人観光客が増えてほしいと思っているようです。
【学生コメント】
どの地域でも、「どちらともいえない」の回答が一番大きな割合を占めていることから、まだ外国人観光客の増加についてわからない面が多いのだと推測しました。東北や中国・四国地域では、他の地域に比べて外国人観光客数が少ない状況なので、外国人観光客の増加によって地域を盛り上げていきたいという思いが込められているのではないかと考えます。そのため、新たに着手できることもいろいろとありそうです。
Q6. 外国人観光客が増えることによるメリットだと思うことを教えてください。(複数回答)【n=1400】
「地域の活性化につながる」という回答が59.9%と最も多い結果となっています。次いで、「地元の店舗の売上向上につながる」が48.7%、「観光スポットの売上向上につながる」が42.2%と続きます。
【学生コメント】
外国人観光客が増えるメリットとしては、「地域の活性化」がトップですが、2位以降は経済的な面を強く期待していることがわかりました。外国人観光客の消費を促して地方経済の活性化につなげるためにも、魅力的なコンテンツを充実させることが必要だと考えます。
Q7. 外国人観光客が増えることによるデメリットだと思うことを教えてください。(複数回答)【n=1400】
「観光地でルールを守らない人が増える」が69.3%と最も多く、次いで「治安の悪化が懸念される」が56.7%と続きます。
【学生コメント】
デメリットについて、「観光地でルールを守らない人が増える」ことと、「治安の悪化が懸念される」の割合が高いことは予想通りでした。すでに京都などで、外国人観光客が増えすぎたことで様々な問題が発生し、テレビや新聞で取り上げられています。外国人観光客の増加を推し進める上で、地域の住民の生活についてもしっかり考慮することが重要だと考えます。
Q8. あなたは、「ナイトライフ」という言葉をご存知でしょうか。(単数回答)【n=1400】
「知っており、意味まで詳しく説明できる」、「知っており、意味をなんとなく説明できる」と回答した人の合計は、全体では22.6%となりました。また、
【学生コメント】
「ナイトライフ」という言葉は20代以下では浸透していない一方、年代があがるにつれ認知度も上昇する傾向にあります。これは年を重ねるにつれ、旅行の経験も増え、旅行に対して求めるものが多様化するからではないかと考えました。年代によってばらつきはありますが、「まったく知らない」と答えている人も多く、ナイトライフという言葉がまだ一般的ではないことがわかりました。「ナイトライフ」を広めて行くには、まず概念自体をわかりやすく整理して発信していく必要がありそうです。
Q9. 「ナイトライフ」をご存知の方にお伺いします。あなたは、以下の旅行の際にナイトライフを経験しましたか。※ここでのナイトライフとは、観光における夜の過ごし方やアクティビティのことです。(単数回答)
「まったく行なっていない」と回答した人は、国内旅行では38.0%、海外旅行では35.9%となっています。
【学生コメント】
ナイトライフを行っている人の割合が一定数あり、「ほぼ毎回行っている」と答えた人もいることに驚きました。一方、ナイトライフという言葉を知っていても、「まったく行なっていない」と答えた層が3~4割もおり、「〇〇をしたい」という目的意識がないために行動に繋がらないのではないかと考えました。
Q10. ナイトライフを経験したことがある方にお伺いします。あなたが過ごしたナイトライフは、具体的にどのような内容でしたか。(自由回答)【n=360】
・旅先の高知城のプロジェクションマッピング。幻想的でとてもきれいだった。(女性46歳)
・火を使ったイベントに参加した(男性62歳)
・その地域で美味しいと評判の店で食事をし、洒落たバーに行く。これは海外でのことだが、地元の人しか行かないようなディスコ(クラブ)に行く。(女性45歳)
・ハワイ 昼間は観光客で賑わっていたが夜は地元のホームレスが浜場で寝泊まりをして吃驚した(男性79歳)
・すすきので食事後、アイスクリームバーに行きソフトクリームに数種類のブランデーをかけて食べるバーで過ごす。老舗のバーも楽しい。ルサカでカジノ。ロンドンでパブ、クラブ、ホテルのバー大好き。(女性67歳)
・海外であれば、海の近く、川の近くなどで、散歩して、バールに入っていっぱい飲むなどの楽しみ方をしています。(女性51歳)
バーやクラブに行くといったエピソードや、夜の観光地でホームレスが寝泊まりしていて驚いた、などというエピソードも集まっています。
【学生コメント】
国内外問わず皆さん様々なナイトライフを楽しまれていることがわかりました。ライトアップやプロジェクションマッピング・バーなど、夜の特性を生かしたナイトライフを過ごしている方が多いようです。一方、「深夜のショッピングや外食」「海や川の近くの散歩」などのエピソードもあり、夜間に行うことで、昼間とはまた違う特別感を感じているのではないかと考えます。
Q11. あなたがお住まいの都道府県で、ナイトライフを充実させるとした場合、どのようなものがあればいいと思いますか。(自由回答)【n=542】
・夜景がきれいな場所が函館以外、あまりないと思います。山は多いので、展望台を整備して、夜景を眺められる場所で、カフェなども整備すれば、もっとナイトライフを満喫できると思います。(女性51歳、北海道)
・女性でも安心していけるセーフコースをまとめる(女性68歳、青森県)
・夜の観光に便利な交通機関(バスや鉄道)を該当時間帯に増発や臨時運転させる。(男性44歳、東京都)
・自然を感じるイベント。キャンプファイヤーなど皆で楽しく交流できる子供も大人もワクワクする歌や音楽、ダンスにクイズ。(男性61歳、愛知県)
・おひとり様でも大丈夫な食事処、ワンショットバーなど 家族でも利用しやすい居酒屋や食事処(女性51歳、広島県)
・観光地で夜もぶらぶら散歩しながら楽しめるいろいろな屋台が並ぶ広場の設置(女性56歳、香川県)
施設やお店、臨時の交通機関を設けたりと、設備環境面や交通面に対する様々な案が集まりました。特に、家族連れや女性、おひとり様でも安心して楽しめる飲食店や、日本の豊かな自然を満喫できる環境の整備を求める声が多くあるようです。
【学生コメント】
自然を活用した案が多く挙げられており、ナイトライフの内容をアクティビティの体験というよりは、夜景を楽しみ、落ち着いた時間を過ごすものとして捉えている方が多いようです。また、交流ができるイベント開催やおひとり様でも大丈夫な食事処など、大人数で楽しめるものから一人でも気兼ねなく過ごせるものまで、興味深い案が集まりました。これらを実現していけば、ナイトライフという新たな市場が大きく拓けそうです。
Q12. あなたは、以下の旅行の際にナイトライフをどの程度希望されますか(単数回答)
「とても行いたい」、「やや行いたい」と回答した人の合計は、国内旅行では54.4%となり、海外旅行では59.1%となっています。半数以上の人が旅行の際にナイトライフを希望することがわかりました。
【学生コメント】
ナイトライフに対する需要がこれほどあることに驚きました。「どちらともいえない」と回答している層に対しては、目的意識を持たせる施策を行うことで、今後「とても行いたい」「やや行いたい」と考える層に変えていくことが出来るのではと考えます。
Q13. あなたは、以下の旅行の際にナイトライフがあることをどの程度重視していますか。(単数回答)
「とても重視している」、「やや重視している」と回答した人の合計は、国内旅行では31.7%となり、海外旅行では37.8%となっています。
【学生コメント】
Q12ではナイトライフに対する需要の高さが窺えましたが、現時点ではナイトライフの内容や有無と旅行を関連付けて考えている割合はまだあまり高くはないようです。しかしQ12同様、ナイトライフの内容を充実させていくことで、ナイトライフを旅行において重視する割合は高まると考えます。
Q14. 昼間観光のイメージにあてはまるものをお答えください。(複数回答)【n=1400】
全体では、「自然を楽しめる」と回答した人が51.9%と最も多く、次いで、「営業しているお店が多い」が50.1%、「きれいな景色を楽しめる」が49.5%と続きます。
【学生コメント】
「明るいので写真を撮りやすい」というイメージに対して、20代以下では約半数がそのようなイメージを持っていると回答しています。私自身、SNSを通じて様々な人が旅先での写真をアップロードしているのをよく目にします。したがって、納得のいく結果であると言えます。また、「自然を楽しめる」「きれいな景色を楽しめる」というイメージへの回答は年代が上がるごとに増えている一方で、「体験型のイベントが多い」というイメージへの回答は年代が上がるごとに減っています。このことから年代が上がるにつれ、昼夜観光は「見て楽しむ」イメージが強くなると思われます。
Q15. 夜間観光のイメージにあてはまるものをお答えください。(複数回答)【n=1400】
夜間観光のイメージをお聞きしました。全体では、「営業しているお店が少ない」と回答した人が37.1%と最も多くなっています。
【学生コメント】
夜間観光を促進するためには、営業時間の短さだけでなく、治安に対する不安感やイベントへの参加のしにくさなど、いくつかのハードルがありそうです。
しかし、ロマンチックな雰囲気やきれいな景色を楽しめると答えている割合がどの年代も比較的高いため、ハードルとなっている問題に対処すれば、さらなる夜間観光の促進に繋がると考えます。
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<例>「総合マーケティング支援を行なうネオマーケティングが実施した調査結果によると……」
■「ネオマーケティング」
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