ASEANにおけるアグリビジネス促進の鍵:アグリビジネスのグローバルチェーンへのさらなる参加
ASEANにおけるアグリビジネスの競争力は、本当に増すであろうか。日本アセアンセンター(以下、センター)によれば、その答えはイエスだ。センターは、本日、発行された報告書「ASEANにおけるグローバル・バリュー・チェーン:アグリビジネス」(ダウンロード: https://www.asean.or.jp/ja/centre-wide-info/gvc_database_paper15/)において、その答えは、アグリビジネスのグローバル・バリュー・チェーン(GVC)へのさらなる参加にあるとしている。
アグリビジネス[1]は、東南アジア諸国連合(以下、ASEAN)の社会経済的発展において重要な役割を果たしており、2018年のASEANのGDP平均の12%を占めている。アグリビジネスは、また、ASEANの総人口の6分の1にあたる1億人およびその家族の生活を支えている。
アグリビジネスは、ASEAN諸国の貿易収入の主たる部分を占める。2015年のASEANにおけるアグリビジネスの付加価値貿易は、1,020億米ドルにも及ぶ。ASEANのアグリビジネスの輸出において使用された国外からのインプット、もしくはGVCにおける後方連関は、2015年のASEANの総輸出の20%だった。国外付加価値の占める割合は、農業製品よりも食品において高かった。ASEANのアグリビジネス輸出における三大相手国は、中国、米国および日本であった。他国の輸出におけるASEANの付加価値、もしくはGVCにおける自国からの付加価値である前方連関は、1990年以降、増加している。
アグリビジネスのアウトプットにおける生産性の向上は、食糧安全保障を向上させるための重要な政策的優先事項である。同時に、いくつかの国、特にカンボジア、ラオス、およびミャンマー(CLM諸国)は、食品加工技術が進んでおらず、国内市場のために大量の加工食品を輸入している。単純な農業から高付加価値をもたらす食品加工産業への移行は、ASEANにおける共通の優先事項である。
アグリビジネスのGVCへの参加もしくは進展は、ASEANに対し、海外直接投資(FDI)および非出資型(NEM)の事業を通じた効率的な国外からのインプットと技術を利用した生産能力向上の機会をもたらしうる。
日本は、ASEANのアグリビジネスに対する強力な支援者である。日本政府と日本のプライベートセクターは、ASEANにおけるアグリビジネスの発展およびその発展をGVCに統合するべく、ともに努力してきた。
アグリビジネスのGVCにより効果的に参加するために、センターは、3つのグループからなる生産性向上のための政策提言を行っている。
・ASEANは、アグリビジネスにおける貿易を促進し、FDIを呼び込むことを可能にする環境を整備することを目指すべきである。
・ ASEANは、技術の波及を可能にするために、小規模農家および中小企業を含む地元の食料生産者の吸収能力を向上させるべきである。
・さらに、持続可能な発展のためのFDIおよびNEMの質を確保するために、ASEANは、責任ある農業投資原則のような国際慣行を支持することを通じて、農業分野における責任ある投資を促進するべきである。
報告書及びデータベースは当センターWEBサイトにて閲覧・ダウンロード頂けます:https://www.asean.or.jp/ja/centre-wide-info/gvc_database_paper15/
[1] 本報告書における「アグリビジネス」とは、農業及び食品加工産業のみを対象としている。従って、流通、小売り、その他のビジネス(レストラン等)といった同バリューチェーンにおける他の産業は含まれない。
<<国際機関日本アセアンセンター>>
正式名称:東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センター
ASEAN10 カ国政府と日本政府により 1981 年に設立。 貿易・投資・観光・人物交流の 4 分野を中心に、ASEAN 商品の輸出促進、日系企業 の進出支援、人材育成、日 ASEAN 間の観光促進等を通して、日本と ASEAN 諸国との 関係促進に貢献する国際機関です。
URL:https://www.asean.or.jp/ja/
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