小学校の女性教員向け・プログラミング教育の養成プログラム「SteP3期生」募集開始
公教育におけるプログラミング教育の普及を目指す特定非営利活動法人みんなのコード(神奈川県横浜市、代表理事:利根川 裕太、以下みんなのコード)は、小学校の女性教員向けに特化したプログラミング教育の養成プログラム「SteP(Step by step for teacher’s programmingの略称、読み方:ステップ)」3期生の募集を開始します。
「SteP」は、プログラミング教育において小学校の女性教員の積極的な参画を促進し、最終的には、学校教育における「ITや理系は男性が選択するもの」といった無意識の思い込みやジェンダーギャップの解消を目指します。本プログラムは、Yahoo!基金「ITによる社会課題の解決支援助成プログラム」の助成を得て実施します。
本プログラムの意義
経済協力開発機構(OECD)が2021年9月に発表したデータ(*1)によると、理系分野に占める女性の割合は、日本はOECD加盟国36カ国の中で最下位であり、高等教育の入口からジェンダーギャップが発生していることが分かります。また、みんなのコードが発表した『2022年度プログラミング教育・高校「情報Ⅰ」実態調査』(*2)においては、プログラミングの継続的な学習意欲や職業選択の見通しについて、初等中等教育段階において、どの学校段階でも性別による意識差が認められました。
みんなのコードが、過去3年間にわたり現役の小学校教員対象に実施した「プログラミング教育指導教員養成塾」では、のべ2,100名を超える先生方に参加いただきました。しかし、参加者の約8割が男性教員でした。内閣府のデータ(*3)によると、同性の教員から教わったほうがより記憶に残りやすいことがわかり、理数系科目の女性教員比率を上げていくことが、女子生徒たちの理解度向上につながると言えます。
この課題を解決するため、小学校の女性教員を対象に、プログラミング教育を実践できる環境づくりをサポートするプログラムとして、SteP3期を開催します。StePは、これまで全国から89名の女性教員に参加いただきました。
引き続き、本プログラムを通じて、ジェンダーギャップの課題をまず教育現場から取り除き、より多くの女性教員にプログラミング教育を実践していただくことを目指します。
(*1)http://www.compareyourcountry.org/gender-equality/en/0//default/
(*2)https://code.or.jp/news/20230809/
(*3)https://www.gender.go.jp/research/kenkyu/pdf/riko_sentaku_research_r03.pdf
プログラムについて
< 概要 >
●期間:2024年8月〜2025年3月(全体講義2回開催)
●本プログラムの目指す姿:
プログラミングに対する苦手意識や近寄りがたい印象を取り払うことで、
小学校の女性教員が子どもたちに楽しくプログラミングを教えられるようになる。
●参加条件:全国の小学校の女性教員
●参加費用:無料
●開催場所:対面及びオンラインのハイブリッド開催
●募集人数:40名
●こんな方におすすめです:
プログラミング教育の授業をやることになっているが、分からないことだらけで困っている方
身近に相談できるお相手がおらず、なかなか実践できていない方
●内容:
・第1回:2024年8月14日(水)
ー初めてでもこれならできる!プログラミングの授業
ー学校教育とジェンダーギャップについて学ぼう
(第2回までの間、受講仲間や実践経験のある先生方による授業づくり支援)
・第2回:2025年3月28日(金)(予定)
ー実践や悩みを交流しましょう
ー学校教育とジェンダーについておしゃべり
< エントリーについて >
●エントリー方法
参加ご希望の方は、以下のエントリーフォームにお進みください。
URL:https://forms.gle/fLTHuzTRdRhewmxF7
※参加確定の方には、エントリーから2週間以内にご連絡させていただきます。
※お申し込み時にご登録いただいた個人情報は、みんなのコードのプライバシーポリシー( https://code.or.jp/privacy/ ) に沿って取り扱います。
●申込締切
2024年7月31日(水)
< 本プログラムの実践サポーター ※50音順、敬称略>
・浅村 芳枝(山口県・下松市立下松小学校)
・田中 萌(埼玉県・川越市立月越小学校)
・田村 久仁子(東京都・板橋区立志村第一小学校)
・松田 千夏(大阪府・大阪市立啓発小学校)
< StePコミュニティについて >
これまで SteP のプログラムに参加された先生方で LINEオープンチャットを使ったコミュニティを運営しています。プログラミング教育についてはもちろん、ICT関連のちょっとしたお悩み相談などもやり取りされています。
本プログラム関係者のコメント
みんなのコード 未来の学び探究部 主任講師 竹谷 正明
プログラミング教育が小学校に導入されてから4年が経ちました。しかし、実践は広がっていないのが実際のところです。その一つの要因として、学校の中にある見えない、あるいは意識されないジェンダーの壁があるのではないでしょうか。小学校では教員の6割が女性であるにもかかわらず、研修会や発表会では男性の方がずっと多いことからもその可能性が考えられます。そうした壁をどうやってなくしていくか、ご参加の皆さんと共に考え、現場から変えていくお手伝いをしたいと思います。
みんなのコード 未来の学び探究部 部長 釜野 由里佳
私自身、自分の経験や学校教育に関わらせていただく中で「ちょっとしたきっかけ」「原体験」がひとりひとりの可能性や将来を大きく変えうると感じています。無意識のうちに当たり前だと思っていた環境が、少しいつもと違った視点でのアクションが加わることで、見える景色が変わります。StePは、女性の先生同士が学校を超えて気軽に交流でき、新しい発見やワクワクがある場になれたら嬉しいです。ぜひご参加ください!
特定非営利活動法人みんなのコードについて
みんなのコードは、「誰もがテクノロジーを創造的に楽しむ国にする」をミッションに、全国でテクノロジー教育の普及活動を推進する非営利法人です。公教育におけるテクノロジー教育拡充に向けた政策提言や学術機関と連携した実証研究、プログラミング教材の開発・提供、プログラミング教育を担う先生方向けの各種研修の企画・開催、子どもたちが自由にテクノロジーに触れられる“第三の居場所”づくりなど、幅広い取り組みを行っています。
なお、みんなのコードは、さまざまな格差を埋める取り組みを行っていますが、特にテクノロジー分野においては大きなジェンダーギャップが認められるため、重点的な取り組み事項としています。
テクノロジー分野におけるジェンダーギャップの解消に関する取り組みについて:
https://code.or.jp/policy-gender/
・代表:代表理事 利根川 裕太
・設立:2015年7月
本件に関する報道関係者からのお問合せ先
特定非営利活動法人みんなのコード Code for Everyone
メール: pr@code.or.jp
代表電話: 050-4560-1717
すべての画像