ArmのHPCエコシステムが拡大する中、「富岳」がスーパーコンピュータ・ランキングの首位を再度獲得

アーム株式会社

英Arm(本社:英国ケンブリッジ、日本法人:神奈川県横浜市、以下Arm)はこのたび、Armテクノロジーをベースに、理化学研究所(以下 理研)と富士通株式会社(以下 富士通)が共同開発したスーパーコンピュータ「富岳」が、再び「TOP500」リストの第1位を獲得したことをお知らせします。

発表の概要:
  • Armテクノロジーをベースに、理研と富士通が共同開発したスーパーコンピュータ「富岳」が、再び「TOP500」リストの第1位に
  • HPC分野の急速な需要の進化に対する、Armテクノロジーの独自の取り組みが浮き彫りに
  • ArmのHPCエコシステムは拡大を続けており、SVEを搭載した次世代Neoverse V1プラットフォーム/テクノロジーの採用を、複数の主要企業・団体が発表

Armテクノロジーをベースとし、理研富士通が共同開発したスーパーコンピュータ「富岳」(*1)が、「TOP500」リストの第1位を2回連続で獲得しました。ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)分野の需要が急速に拡大する中、Armテクノロジーは独自の取り組みによって電力効率、パフォーマンス、拡張性を圧倒的なレベルで兼ね備え、今回の評価もこうした成果をあらためて浮き彫りにしています。
*1) https://www.fujitsu.com/global/about/innovation/fugaku/

理研と富士通のこれまでの素晴らしい成果に加えて、Armベースのソリューションの採用は、エコシステム全体で拡大しています。韓国の国家コンピューティング機関である電子通信研究院(ETRI)は最近、同院のK-AB21システムにおいて、Arm Scalable Vector Extension(*2)(SVE)を搭載した、近日リリース予定のNeoverse V1(旧コード名:Zeus)CPUコアを採用する計画を発表しました。ETRIでは、AB 21(「Artificial Brain 21」の略)について、CPUあたり16TFLOPS、ラックあたり1,600TFLOPS(*3)を達成しつつ、消費電力の60%削減を目指しています。
*2) https://developer.arm.com/tools-and-software/server-and-hpc/compile/arm-instruction-emulator/resources/tutorials/sve?_ga=2.14571506.433898101.1605022774-1964016791.1600373639
*3) https://www.youtube.com/watch?v=GfXBIY-VjAE

一方、Ampere Computing、サンディア国立研究所、ブリストル大学、Amazon Web Services(AWS)は、今月行われたArm High-Performance Computing User Group(*4)(AHUG)会議にて、ArmベースのHPC計画の詳細を発表しました。今月の「SC20」イベントでは、European Processor Initiative(*5)によって設立されたSiPearl社もまた、同社のエクサスケール演算プロジェクトの一環として、Rheaプロセッサー(*6)にNeoverse V1を採用することをあらためて表明しました。さらにNVIDIAの研究チームも、NVIDIA A100 GPUとArm NeoverseベースのAmpere社のAltra CPUで構成されるHPCソリューションによって、約26倍のパフォーマンス向上が達成(*7)されたことを発表しました。
*4) https://a-hug.org/sc20-ahug-talk-agenda/
*5) https://www.european-processor-initiative.eu/
*6) https://www.youtube.com/watch?v=XL0_pw-zNVQ
*7) https://blogs.nvidia.com/blog/2020/11/17/arm-ampere-hpc-sc20/

これらの新たなArmベース・ソリューションの多くについて、その影響を語るのは時期尚早ですが、「富岳」が新型コロナウイルス(COVID-19)関連の研究業務に活用されるなど、すでにプラスの影響が現れています。正式な提供開始がほんの数カ月前だったにも関わらず、大気中のウイルスの循環状況の検証や、2,000種以上の既存医薬品の有効性の判断など、「富岳」はすでに5件の異なるCOVID-19研究プロジェクトに採用されています。

可能性の限界を突破し続ける
こうした大規模な活動は、この数年間で進められてきた設計イニシアチブの集大成といえるものです。そして、イニシアチブが最終的に目指すのは、HPC分野で繰り返されてきた課題の解決(*8)、すなわち、消費電力と予算の妥当な枠内を維持しながら、パフォーマンスを新たな高みへと引き上げることです。Armのプロセッサー・アーキテクチャの中心的な思想の1つであるシングルスレッド・マルチコアのプロセッサーは、消費電力の増加を招くことなくパフォーマンスを向上させ、今後、スーパーコンピュータのCPUの標準になると考えられます。こうしたビジョンは、拡大を続けるArmのHPCエコシステム全体で共有され、実際に採用が進んでいます。
*8) https://community.arm.com/developer/tools-software/hpc/b/hpc-blog/posts/trends-to-watch-in-hpc

ハードウェアの進化と並行する形で、ソフトウェア・コミュニティの活動も活発化しており、ArmのHPCソリューションの選択肢を拡大しています。Armベース・プロセッサーでのCUDAサポートの実現に向けたNVIDIAとの共同作業や、HPCソフトウェア・パッケージでの標準規格の推進に向けたオープンソース活動への貢献など、柔軟性、拡張性、効率性に優れたコンピューティングの実現に向けた取り組みが進められています。一方、128ビット長から2,048ビット長まで(128ビット単位)のベクター・プロセッサーを実現するSVEの重要性は高まり続けています。ソフトウェア開発者は、一度コードを記述するだけで、複数のプロセッサーでの動作が可能になりました。同様に、プロセッサー開発者やHPCユーザーは、より幅広いアプリケーションを活用できます。

ArmのHPCソリューションにとって、今年は大きな転換期となりました。サーバーSoCの設計分野で10年ほど前に踏み出した、ささやかな一歩が今や、世界最高のスーパーコンピュータの栄誉に”2度も”輝くなど、Armのこれまでの歩みには大きな意義があります。そして今後も、歩みを鈍化させることはありません。Armエコシステムへの投資は世界規模で継続しており、より豊富な選択肢とカスタム化、イノベーションへの需要が高まっています。これは今のArmに課せられた挑戦であり、今後10年間を通じ、Armのパートナーによって、本当の意味で世界を変えるテクノロジーが生まれることに大きな期待が寄せられます。

Armについて
Armのテクノロジーは、コンピューティングとデータによる革命の中心として、人々の暮らしや企業経営のあり方に変革を及ぼしています。そのエネルギー効率に優れたプロセッサ設計とソフトウェアプラットフォームは、1,800億個のチップを通じて高度なコンピューティングを実現してきました。Armのテクノロジーは各種センサーからスマートフォン、スーパーコンピュータまで、あらゆる製品をセキュアにサポートしており、世界人口の70%以上に使用されています。Armは現在1,000社以上のパートナーとともに、チップからクラウドまで、AI駆動のコネクテッド社会の中核となるコンピューティングのあらゆる分野において、設計、セキュリティ、管理を支えるテクノロジーの最先端を担っています。

全ての情報は現状のまま提供されており、内容について表明および保証を行うものではありません。本資料は、内容を改変せず、出典を明記した上で自由に共有いただけます。ArmはArm Limited(またはその子会社)の登録商標です。その他のブランドあるいは製品名は全て、それぞれのホールダーの所有物です。© 1995-2020 Arm Group.

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本社所在地
神奈川県横浜市港北区新横浜2-3-12 新横浜スクエアビル17F
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045-477-5260
代表者名
内海 弦
上場
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資本金
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設立
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