FromプラネットVol.170<リモートワークに関する意識調査>
国内1,400社超が利用する日用品流通の情報基盤を運営する株式会社プラネット (所在地:東京都港区、代表取締役社長:田上正勝)は消費財や暮らしにまつわるトピックスをお届けする 『Fromプラネット』 の第170号として、リモートワークに関する意識調査の結果をご紹介します。未掲載のデータもご提供できますのでお気軽にお問い合わせください。
- リモートワーク経験者の割合は職業や年収で大きな差
「コロナ禍以前(2020年2月以前)にリモートワーク(大学などのオンライン授業も含む。)を経験した」(図表1)という人は、全体で15.4%でした。そして「コロナ禍以降(2020年3月以降)にリモートワーク(大学などのオンライン授業も含む。)を経験」(図表2)した人は、23.6%に増えています。前後ともに、若い世代のほうが経験した人の割合は高くなっています。
前後の変化を職業別で見てみると、「学生」が26.0ポイント増加と、最も差が大きくなっています(前:58.0%、後:84.0%)。そのあとは、「会社役員・経営者」(前:32.0%、後:48.0で16.0ポイント増)、「会社員」(前:24.6%、後:39.9%で15.3%増)、「自由業」(前:30.6%、後:44.4%で13.9%増)と続きます。
次に個人の年収額ごとに変化を見てみると、収入が高くなるほど、コロナ禍前においても、コロナ禍以降においても、経験者の割合が高く、コロナ前後での経験者割合の増加ポイントも大きい傾向がありました。
たとえば個人年収「200万円未満」の人はコロナ禍前は9.0%ですが、「400万~600万円未満」の人はコロナ禍前でも24.0%と、約4分の1、「1,000万円以上」の人だと、39.7%と、4割近い数字です。コロナ禍以降、「600万~800万円未満」(52.6%)、「800万~1,000万円未満」(61.1%)、「1,000万円以上」(63.5%)の層は、リモートワーク経験者の割合が半数を超えています。コロナウイルス感染者が多い時期、リモートワークの実施が盛んに呼びかけられていましたが、この結果を見ると、誰もがリモートワーク可能というわけではないことが見えてきます。
- リモートワーク「自宅」で実施が圧倒的多数
コロナ禍以降は外出の自粛を余儀なくされる時期も多かったため、当然といえば当然の結果なのかもしれません。最近では、従来の店舗をリモートワークがしやすいように改装している業態もしばしば見られますが、「喫茶店・カフェ」(6.2%)、「ネットカフェ・漫画喫茶」(3.0%)、「カラオケボックス」(1.4%)という結果から見ると、まだまだ浸透しているとは言えない状況のようです。
- 若い世代ほどリモートワークに順応している
効率については、「とてもそう思う」が8.4%、「どちらかというとそう思う」が17.4%で、ポジティブな回答が25.9%。「どちらかというとそう思わない」が19.3%、「まったくそう思わない」が15.3%で、ネガティブな回答が34.6%と、ポジティブな回答をした人の割合を上回ります。年代別に見ると、若い世代はポジティブな回答が多く、高齢になるほどネガティブな回答が増えています。
快適さについても同じような傾向があり、「とてもそう思う」が9.7%、「どちらかというとそう思う」が20.3%で、ポジティブな回答が29.9%。「どちらかというとそう思わない」が15.4%、「まったくそう思わない」が15.0%で、ネガティブな回答が30.4%です。
効率についても、快適さについても、性年代別で見ると、「女性・20代」が最もポジティブな回答が多く、逆に「男性・70代以上」だと、どちらも最もネガティブな回答が多くなっています。
- リモートワークのメリット・デメリットは裏表の関係か
よかったことの1位は「通勤時間がなくなった/なくなりそう」(48.9%)で、半数近い人が挙げています。一方、悩んだこと・困ったことの1位は「運動不足になった/なりそう」(31.2%)でした。電車やバスなどの公共交通機関を利用している人は、通勤時にそれなりの距離を歩くことも多いでしょうから、通勤時間がなくなるかわりに、歩く距離も短くなり、結果、これまでより運動不足になるという、裏表の関係になっていそうです。
2割以上の人がよかったこととして挙げたのは、「感染症対策になる/なりそう」(40.3%)、「好きな体勢で仕事ができた/できそう」(23.8%)、通勤時間がなくなったからか「睡眠時間が確保できるようになった/なりそう」(23.8%)、「ストレスが減った/減りそう」(23.5%)、「人の目がなくて集中できた/できそう」(22.4%)でした。また、「電話での対応が減った/減りそう」(17.2%)、「電話の取り次ぎをしなくてよかった/しなくてよさそう」(15.1%)と、電話から解放されたと感じている人もそれなりにいるようです。特に取り次ぎについては、5ポイントの差をつけて、女性のほうがよかったと回答した人が多くなっています。
一方、悩んだこと・困ったことを見ていくと、「オフィスに行かないと進められない作業がある/ありそう」が22.6%、「オフィスに行かないと見られない資料がある/ありそう」が21.8%、「困ったことがあったとき、すぐ相談できない/できなそう」が18.8%、「セキュリティが不安」が18.8%といった回答が上位になっています。リモートワークをしやすい環境がより整えば、こうした困りごとは減少しそうです。
なお、「家族やペットがいると集中できない/できなそう」と回答した人も18.9%で、4位にランクインしています。よかったこととして「子どもに気を配りながら仕事ができた/できそう」(5.9%)、「子ども以外の家族やペットに気を配りながら仕事できた/できそう」(6.3%)と回答した人もいましたが、オフィスと違う環境で家族といると、やはり集中しづらいと感じる人のほうが多いようでした。
- 出勤とリモートのバランスが良ければ、いいとこ取りもできそうだが
一方「同僚が周りにいなくて仕事ははかどるが、世間話や無駄話がまったくないと、それはそれで寂しい」という意見も。「完全にリモートワークがいい!」という人よりも、ほどよくミックスされたほうが働きやすいと感じる人が多いようで、そのバランスをうまく取るためには、本人だけでなく、職場や社会全体で試行錯誤する必要がありそうです。
● 上司の顔を見ずに済んで、気分転換とストレス軽減になった。(女性・40代) ● 仕事を邪魔する上司や同僚がいないし、どうでもいい電話対応の必要がなくなり効率が上がった。(男性・30代) ● 出勤しなくても仕事ができることがわかったし、上司の目がないから仕事がはかどった。(女性・30代) ● 自分の配分で仕事が進められるが、その都度上司へのメール報告が手間に感じた。(女性・30代) 【リモートワークがしにくい環境】 ● 都心に住んでいる人ならリモートワークはありなんだろうけれど、地方だと仕事上リモートワークでは成り立たず、出勤せざるを得ない。また、取引先などがリモートワークで仕事を進められず、しわ寄せがあとから来て、残業が続いてしまっている。(女性・30代) ● SDGsを考えるとリモートワークの推進も必要。しかし、従来型の発想から抜けられない、発言力の強い人の意見でリモートワークが制限されている。(男性・50代) ● 営業職で、契約書類がオフィスでないと作成できず、結局出勤しなくてはならない。非対面で契約できるシステムを会社が運用し始めたものの、システムだけでは見込客を見つけられない。(女性・50代) 【オンライン会議が増えた】 ● 会議や打ち合わせ等、リモートに慣れていない年代との打ち合わせが進まないことがある。(女性・60代) ● オンラインの会議が続き、目が疲れる。(男性・40代) ● 上司や同僚とのコミュニケーションが減ったが、会議がやたらと増えた。(男性・50代) ● オンライン会議は、意外に自分の意見を話しやすいとかんじた。(男性・60代) 【子どもがいる環境での仕事】 ● 子どもやペットの世話をしながら仕事ができる。特に子どもの勉強面は細部までフォロー出来て良かった。(女性・40代) ● 子どもが体調不良のとき、自宅で仕事ができていいなと思った。(女性・20代) ● 夫がリモートワークをしている時期、子どもも分散登園で家にいて、夫に遠慮しながらの生活は疲れた。(女性・40代) |
調査機関:株式会社プラネットによる調査企画をもとに、株式会社ネオマーケティングにて「リモートワーク」に関する意識調査を実施。
期間:2021年10月27日~30日、インターネットで4,000人から回答を得ています。株式会社プラネットとは https://www.planet-van.co.jp/
メーカー、卸売業、小売業がサプライチェーンとして連携し、生活者へのサービス向上を目指して進化を続ける日本の消費財流通を、情報インフラ運営で支えている上場企業(証券コード2391)です。
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