【産学連携】株式会社サティス製薬と国立大学法人群馬大学、 「真に海で生分解される」化粧品処方の開発に成功

〜下水処理とは異なる「海洋環境」に着目。実海域水を用いた試験で生分解度60%超を達成〜

株式会社サティス製薬

化粧品OEM/ODMメーカーの株式会社サティス製薬(代表取締役:山崎 智士、本社:埼玉県吉川市、以下 サティス製薬)と国立大学法人群馬大学(学長:石崎 泰樹、所在地:群馬県前橋市、以下 群馬大学)は、共同研究において、微生物の少ない海洋環境下でも高い生分解性※1を示す皮膚洗浄剤(化粧品)処方の開発に成功いたしました。

1.共同研究の背景:海洋環境での生分解に特化した処方開発への挑戦

海洋プラスチックごみや化学物質による海洋汚染は、世界的な課題となっています。特に日本は周囲を海に囲まれており、生活排水やレジャー活動に伴う環境負荷の低減が求められています。化粧品業界においても「生分解性」への関心が高まっていますが、既存の評価指標の多くは、微生物が豊富な「下水処理場(活性汚泥)」での生分解を前提としています。しかし、下水処理施設を経由せずに直接自然界へ排出されるケース(キャンプ、海水浴、下水未普及地域など)では、下水用の指標のままでは海洋環境生態系に悪影響を及ぼすリスクがありました。

そこで、環境調和型製品の開発を目指すサティス製薬と環境調和型材料開発の知見を持つ群馬大学(食健康科学教育研究センター 粕谷健一教授)は、2022年より共同研究を開始。「海洋環境での生分解」に特化した処方開発に取り組んでまいりました。

2.研究成果:実際の海水を用いた実証と、防腐技術の確立

本研究では、机上の計算ではなく「実際の海でどうなるか」を検証するため、茨城県ひたちなか市阿字ヶ浦海水浴場の海水を採取し、国際基準「OECDテストガイドライン306※2(クローズドボトル法)」に準拠した試験を実施しました。

厳しい海洋条件での生分解性達成

本取り組みでは、2019年より数千種類にも及ぶ化粧品取扱原料の中から候補を独自にスクリーニングし、2022年より開始した共同研究により、本格的に実測による海洋生分解性データを収集してまいりました。その結果、微生物が極めて少なく生分解が進みにくい過酷な海洋環境において、国際基準(OECDテストガイドライン306)が定める「28日間でBOD(生物化学的酸素要求量)生分解度60%以上」を達成する成分(特定のアミノ酸系界面活性剤等)を見出すことに成功しました。

なお、BOD生分解度における「60%」とは、残りの約40%が生分解の過程で微生物自身の細胞等に変換されるため、実質的に元の化学物質がほぼ完全に自然界へ還ったことを意味する、極めてハードルの高い水準です。本研究ではさらに、水中に溶け残る有機物(DOC)の残留割合が30%未満であることも厳密に評価し、残留リスクを徹底して排除した高い環境適合性を実証しました。

②「分解」と「保存」の両立(特許出願済)

本研究の最大の課題の一つは、「生分解性(微生物に食べられやすい)」と「防腐性(微生物に食べられない)」という、相反する機能を持った処方の開発でした。本研究では、防腐剤を使用せず、特定の保湿成分(カプリル酸グリセリル、カプリリルグリコール等)と洗浄成分を最適な比率で組み合わせることで、製品としての安定性を保ちながら、海洋流出時には速やかに生分解される技術を確立しました。

阿字ヶ浦海水浴場での海水採取の様子

3. 今後の展開

本処方は、現在特許出願中です。今後は、これまでに蓄積された膨大な実環境試験データを活用した予測モデルの構築や、洗顔料やボディソープなどの「リンスオフ(洗い流し)製品」としての製品化の実現を目指しております。サティス製薬と群馬大学は、今後も科学的根拠に基づいた「環境調和型のモノづくり」を追求し、海洋環境保全に資する新たなライフスタイルの提案へと繋げてまいります。


研究者・代表者コメント

サティス製薬 開発部 森下 建

きっかけは『旅先の海辺のロッジで、屋外シャワーで体を洗っていたとき、流した泡が消えずにそのまま海へ流れ込んでいくのを見て、自分の行いが、この美しい自然を汚しているかもとハッとした』という体験談を耳にしたことでした。 自分にも似たような原体験があり、強く共感したと同時に、子を持つ親として、この問いから目を背けるべきではないと感じたことが開発の原点です。『未来の子供たちへ、美しい地球をそのまま手渡せる選択ができている』と、誰もが胸を張れるような製品を生み出していきたい。そんな想いが、このプロジェクトの原動力となっています。

目指すのは、心から心地よく使える日常のスキンケアが、そのまま自然の循環に美しく溶け込んでいく未来。

この成果を起点に、誰もが自分の意志で、未来を紡ぐ製品を当たり前に選べる社会を作っていきます。

群馬大学 大学院食健康科学研究科 研究科長

食健康科学教育研究センター センター長 粕谷 健一

海洋は、陸上で使われた製品や成分が最終的に流れ込む場の一つです。本研究では、淡水や陸上で分解する化粧品成分であっても、海洋では分解しにくい場合があることを確認しました。引き続き、科学的評価を基盤に、真に海洋環境に配慮した製品開発を支援してまいります。

【用語解説】

※1 生分解性: 物質が微生物によって分解され、最終的に水と二酸化炭素などの無機物に還る性質。

※2 ISO/OECDテストガイドライン306: 海水中の生分解性を評価するための国際的な試験法。

【組織概要】

■ 株式会社サティス製薬

所在地:埼玉県吉川市中井57-1

代表取締役:山崎 智士

事業内容:化粧品・医薬部外品・石鹸の企画・処方開発・受託製造(OEM/ODM)

URL:https://www.saticine-md.co.jp/

■ 国立大学法人群馬大学

所在地:群馬県前橋市荒牧町4-2

学長:石崎 泰樹

URL:https://www.gunma-u.ac.jp/

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会社概要

株式会社サティス製薬

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URL
https://www.saticine-md.co.jp/
業種
製造業
本社所在地
埼玉県吉川市中井57-1
電話番号
048-984-6433
代表者名
山﨑 智士
上場
未上場
資本金
5120万円
設立
1999年12月