全都道府県約1万人の親が回答!子ども達への多大な負担が明らかに 「一斉休校に関する緊急全国アンケート」調査結果公開
国内の親子領域の課題解決に取り組む認定NPO法人フローレンスは、政府の「一斉休校」要請後、初となる10,000人規模の全国ニーズ調査を行いましたので、結果を公表します。
3月6日(金)の調査開始から、わずか3日間で全国から10,504件の回答が集まり、そのうち、休校・休園対象となったお子さんのいる保護者から8,339件の回答を得ました。
3月6日(金)の調査開始から、わずか3日間で全国から10,504件の回答が集まり、そのうち、休校・休園対象となったお子さんのいる保護者から8,339件の回答を得ました。
- 一斉休校に関する緊急全国アンケート 概要
実施期間:3月6日(金)16:30~3月9日(月)12:00まで
対象:一斉休校措置に伴い、お子さんの通う学校が休校になった全国の保護者
※保育園や幼稚園が休園になった保護者も含む
総回答数:10,504 有効回答数:8,339 (総回答数のうち、上記対象者に該当しない回答を除いた数)
有効回答数の属性:全国47都道府県の保護者(母親9割、首都圏4割、半数以上が小学生の親)
後援:一般財団法人村上財団
告知協力:ママリ https://mamari.jp/
- アンケート結果サマリ
中でも、未就学児~小学校高学年までのお子さんがいらっしゃる家庭では「とても困っている/困っている」が7割を超えます。また、ひとり親世帯(親と子の2世代で生活)では「とても困っている/困っている」が73.4%、世帯年収300万円未満の家庭では75.2%と、困り度が全体よりやや高くなっています。
2.「臨時休校・休園の影響として困っていること、心配なこと」は子ども達への負担
親の就労や預け先がない問題に関する声よりも、子どもたちへの身体的・精神的負担を危惧する声が多く集まりました。
3.「行政や民間企業による支援策として、どんなものがあったら助かるか」子どもに居場所と学習支援を
子ども達が日中安全に体を動かす場所がないこと、学習の遅れに関する支援を求める声が多く集まりました。
なお、小学1-3年生では「預かり先(学校、学童保育など)での給食提供」が全体より10ポイント以上高くなり、中高生では「学校の授業の遅れを補填する公的な教育支援」が1位となりました。世帯年収が500万円未満までの層や、非正規雇用の層(契約・派遣社員、パート・アルバイト)では「支出の補填」「所得補償」へのニーズも全体と比べ高くなっています。
4.世帯年収によるニーズの差と、世帯年収の低い家庭の子ども達の孤立リスクが明らかに
47都道府県から様々な属性の保護者(9割が母親)が回答しましたが、居住地域による差異はあまりなく、世帯年収によるニーズの違いが明らかとなりました。具体的には、世帯年収の低い保護者において「支出の補填」「所得補償」へのニーズが高く、現在外部の支援サービスを使えていないことがわかりました。また、在宅勤務など就労先の支援が整っておらず子どもが1人で留守番をしている割合も世帯年収の低い家庭で顕著でした。
- 私たちが考える、行政・民間企業・社会に求めるサポート
- 校庭開放など、子どもたちが体を動かすことができる居場所を提供してください
- 学習の遅れをサポートするWEB教材に留まらない学習支援をお願いします
- 経済的に困難な家庭、ひとり親家庭に経済的・物理的・人的支援をお願いします
- 子ども達や、子ども連れへの不寛容な言動をやめてください
- 子ども及び保護者が疲弊しています。政府は正しい情報とスケジュールを示してください
突然発表され、いつまで続くのかわからない今回の一斉休校要請。
子ども達の遊び、学び、運動の機会を著しく制限し、長期に及ぶことで心身への影響が深刻化する恐れが本アンケートから明らかになりました。小学校高学年やひとり親の世帯においては、約半数もの子どもが家で一日中留守番をしています。学校校庭の開放など、リスクをできるだけ抑えた状況で子どもたちが健康に過ごすことのできる居場所を提供してください。
また、世帯年収が低くなるほど、さまざまな外部サービスを利用できていないことがわかりました。オンラインでのサービスが無償提供されても、利用できる機器を持っていない家庭も多くあります。紙の教材や絵本の提供など、オンライン・オフライン両面での支援が必要です。
ひとり親世帯や非正規雇用に従事する保護者の家庭では、所得の補償や休校にかかる費用の補填が特に必要とされています。児童扶養手当の増額など、特に深刻化するリスクのある家庭を支える仕組みを検討してください。
情報が錯綜し、子どもや子どもを連れた保護者が周囲から過剰な非難に晒されるケースが発生しています。休校中に子どもたちが控えるべき行動、問題ない行動を改めて周知してください。全国保護者から悲痛な声が寄せられています。政府は、一斉休校解除の方針・スケジュールを示し、一刻もはやく子育て世帯、子ども達への荷重な負担を減らすよう検討してください。
- 自治体・民間企業に本アンケート結果を提供します
使用料はいただきません。
▼閲覧・ダウンロードはこちらから
【クロス集計】一斉休校に関する緊急全国アンケート
https://bit.ly/2TPvuLm
※ご使用の際には、弊会の取材申込フォームに使用用途を記載の上お知らせください
https://bit.ly/39CNIX9
※自由回答の部分については、個人が特定される可能性のある情報を多数含むため掲載しておりません。閲覧ご希望のメディアの方は、フローレンス広報までご相談ください。
※発表資料等でご使用の際には、引用元として『認定NPO法人フローレンス「一斉休校に関する緊急全国アンケート」』を併記いただきますよう、お願い申し上げます。
- 認定NPO法人フローレンスについて
2005年、日本初の「共済型・訪問型」病児保育事業をスタート。待機児童問題解決のための「おうち保育園」モデルは2015年度「小規模認可保育所」として国策化され、全国4300箇所以上に広がるなど国内課題を行政、他事業者を巻き込み最大インパクトで解決することを推進しています。障害児に長時間保育を提供する日本初の「障害児保育事業」や、2016年からは子どもの虐待問題解決のため「赤ちゃん縁組事業」、2017年から全国に先駆け文京区でスタートした、子どもの貧困を解決する「こども宅食」など近年さらに福祉分野への取り組みを加速しています。
https://florence.or.jp/
- (後援)一般財団法人村上財団について
働く女性や子どもの支援を中心に、障害児保育事業やブラック校則、子ども宅食事業、災害対策、投資教育などを支援してきました。1月からコロナウィルス対策に直接関わる支援を行っている団体に、Yahoo!基金を通じてマッチング寄付を実施中。一方、当事者の皆さまの意見を聞き、本当は何が必要なのかどのようなことが問題なのかを明確に把握することは、今後の適切な支援のために非常に大事な事だと考え、今回のアンケートの支援を決定しました。
フローレンスのこうしたソーシャルアクションや政策提言活動は、全国の皆さまからのご寄付・ご支援をうけて運営しています。
https://murakamizaidan.jp/
【アンケート結果報告】
- 休校措置に対して、68.1%・5675人の親が「とても困っている/困っている」と回答しました。
中でも、未就学児~小学校高学年までのお子さんがいらっしゃる家庭では「とても困っている/困っている」が7割を超えます。
また、ひとり親世帯(親と子の2世代で生活)では「とても困っている/困っている」が73.4%、世帯年収300万円未満の家庭では75.2%と、困り度が全体よりやや高くなっています。
- 「臨時休校・休園の影響として困っていること、心配なこと(複数回答)」は、「子どもが運動不足になること(69.9%、5829人)」、「休校・休園自体や友だちと会えないことによる子どものストレス・心のケア(56.8%、4734人)」、「学習に遅れが出ること(56.6%、4721人)」、「子どもの日中の居場所・遊び場所がないこと(50.6%、4218人)」。
このほか、未就学児では「家事や育児の負担が増えること」、小学校1~3年生では「学校や学童に行けるものの、環境が十分でないこと」が全体よりも10ポイント以上高くなっています。
- 「特に困っていること・心配なことについて、その理由や具体的なエピソードを教えてください。」では、以下のような回答がありました。(一部抜粋)
<外出できない状況、それに伴う運動不足>
「外出できないのがかわいそう。休日に子どもと外に出たら5日ぶりに家の外に出た!と喜んでいた。ずっと家の中だとストレスが心配。」
「子供のストレスと運動不足が気になります。 これまでなかった些細なことで怒ることがあり、心配です。 子供の心の声を聞いてあげられる親以外の存在が欲しいです。 遊びに行く所も、一緒に行くお友達もいないので、ずっと家にいて、本当に運動不足が心配です。」
<子ども・親のストレス>
「環境の変化についていけず、元々あったパニック障害が余計にひどくなりました。」
「6年生の子が、残り○日とカウントダウンして小学生生活をしていて休校が決まった日は、泣いてその後に壁などを蹴ったりあばれました。情緒的に不安定な子で月に数回カウンセリングに通っています。両親ともに休めない仕事で側にいてやれずかなり不安定になっています」
「家庭が荒んで、こどもをかなり強く怒鳴りつけてしまいました。あと少しで手が出るところでした。この一線を超えてしまう親もいるのではないかと思い戦慄しました。」
「そもそも情報が錯綜しており、大人の私も混乱しています。 子供たちの些細なケンカで私もイライラします。 上の子はお友達に会えないことがストレスのようで、下の子への言葉がいつも以上にキツくなっています。 双子のケンカは日常茶飯事ですが、頻度が格段に増えました。 仕方がないのはわかります。 私は専業主婦ですが、家にいるから子供たちを24時間みることができるのかといわれたらそんなことはないのです。 親も息抜きをする時間も場所もありません。 これは虐待が増えるのも仕方ないことだな…と思っています。 子供を家に閉じ込めているということはそれくらい危険なことだと思います。」
「全てがストレスだけど、環境が変わるのが1番のストレスです。 今回の休校で虐待しそうになる精神状態ギリギリの人は増えると思います。 その辺のケアもしっかりして欲しい。」
「突然の休校による鬱病の悪化。 子どももグレー児で父親からの育児放棄、置き去りによるPTSD持ちなので、一人で在宅できない。」
<子どもの居場所がない・周囲の理解不足>
「厚生労働省では公園での外遊びなどはむしろ推奨していると聞きましたが、それが十分周知されておらず、近所からの全く的外れな苦情を学校側が鵜呑みにして、教員が近所を見回って帰宅を促すようにまでなっています。メンタルケアが必要だと感じました。」
「年長の子を連れてスーパーで食料品の買い物をしていたところ、80歳くらいの方に『まったく!子どもは出歩くなって言われているでしょ!』と怒鳴られました。それからは怖くて、家にこもっています。一斉休校をきっかけに子どもの人権が侵害されていることがとても悲しいです。」
「子供だけで出歩いていると教育委員会に通報されたり、子供がまるで病原菌のように扱われること。」
「マスクをつけて子供だけで、ゴミ出しに出ただけ、玄関でバットの素振りをしていただけなのに知らないおじさんになんで外にいるんだとどなられた。」
<経済的な不安>
「 新型コロナに関しては恐ろしいと思っていますが、それよりも生活が破綻しそうで恐ろしいです。」
「夫の収入が途絶えたことです。 ただでさえギリギリでやって来たのに、もう生活できません。」
「派遣社員で勤務しています。 保育園の都合で仕事をお休みすると、収入保障は適用されません。 有給も小さい子供が病気をした際に使い切ってしまい、働きに行けない事で収入が激減して今後の生活にとても不安を覚えます。」
「給食がない事で、食費が普段の倍ほどに… ひとり親家庭の我が家ではかなり困っています。お米の減りが早すぎる。 助けて」
<学校や学童に行けるものの、環境が十分でない>
「朝から学校、午後は学童が預かってくれています。しかし、学校は約5時間半の間、私語禁止、休憩時間等もなくずっと自習です。弁当を食べる時ですら私語禁止。低学年の子供がそんな状況を2週間も続けるのは無理。せめて休憩時間を入れる等の時間管理くらいしてほしい。嫌がる子供を学校に連れて行くのが辛いです。」
「共働きのため、臨時休校中は特別預かりでの小学校に娘を預けました。教室はドアと窓を終日全開。窓際の席を指定された娘が『寒い』と訴えても閉めてはいけないからと、ダウンコートを着たまま自習。 ●会話禁止。喋ってはいけない、笑ってもいけない。無言の教室。 ●お弁当はもちろん無言でたべる。席を移動してはいけない、一人きりで食べる。 ●休憩時間は5分、トイレに行くだけ。 ●他のクラス行けない。 ●友達と喋れない。もちろん遊べない。 ●運動場で遊んではいけない。 ●両手を伸ばしてぶつかる距離に、お互い近付いてはいけない。 ●図書室は読書時間たったの10分 ●寒さに耐え、無言で、ただただ8:30-15:30の時間が終わるまで自習を続ける。緊急対応で学校も混乱しているのかもしれませんが、親としてこのような状況を聞かされるのはとても辛かったです。 」
<安全面での不安>
「1人での留守番。それを狙ってか、早速セールスか不明な電話が自宅にあった。(普段から電話に出ないように言っていたが出てしまった)留守番家庭と分かってしまって、私も子どもも少し不安。電話に出ないように。来客も対応しないように言ってる。ほぼ軟禁業態に感じる。」
「3年生までは学童があるけれど、4年生の娘は、今までも地震や不審者が来た時など心配なので、1人で留守番させたことがないため、とても困ります。そのためどこかに預けるしかなく、本当に困ります。 4年生以上は1人で留守番ができると思われる基準がわかりません。ひとりで昼食を作ったりストーブや火の心配もあるし、不審者も心配です。 一番心配なのは、地震などの自然災害です。」
- 「行政や民間企業による支援策として、どんなものがあったら助かるか(複数回答)」では、最もニーズが高いのが「日中の子どもの居場所・遊び場の提供(52.5%、4377人)」、次いで「学校の授業の遅れを補填する公的な教育支援(50.2%、4189人)」「休校・休園対応のためにかかる支出の補填(39.8%、3316人)」、「お弁当や簡単に食べられる食品などの配送サービス(36.0%、3002人)」。
小学1-3年生では「預かり先(学校、学童保育など)での給食提供」が全体より10ポイント以上高くなりました。中高生では「学校の授業の遅れを補填する公的な教育支援」が1位となりました。
世帯年収が500万円未満の層や、非正規雇用の層(契約・派遣社員、パート・アルバイト)では「支出の補填」「所得補償」へのニーズも全体と比べ高くなっています。
- 「臨時休校・休園にあたって既に利用しているサービスやご家庭で対応していること」については、「子どもの昼食を用意している(64.4%、5367人)」が最も多く、次いで「本や学習教材(33.6%、2802人)」「子どもだけで長時間留守番させている(32.7%、2729人)」。
現状の対応としては、全体の3割強が「子どもだけで長時間留守番させて」おり、小学校4-6年生以上やひとり親(親と子どものみで生活)の層ではその割合が5割弱となっています。
学童などの預かり施設や家庭外サービス利用の割合よりも、自宅内、家族内での対応の割合が高くなりました。休校によって中止となった給食・授業のしわ寄せが家庭内に集中していることがわかります。
利用しているサービスとしては、「本や学習教材」「オンライン学習コンテンツ」「学童保育などの一時預かり施設」が多くなりましたが、世帯年収が低いほど、こうした外部サービスの利用率が低い傾向にあります。
- 自治体・民間企業に本アンケート結果を提供します
【クロス集計】一斉休校に関する緊急全国アンケート
https://bit.ly/2TPvuLm
※ご使用の際には、弊会の取材申込フォームに使用用途を記載の上お知らせください
https://bit.ly/39CNIX9
※自由回答の部分については、個人が特定される可能性のある情報を多数含むため掲載しておりません。
※発表資料等でご使用の際には、引用元として『認定NPO法人フローレンス「一斉休校に関する緊急全国アンケート」』を併記いただきますよう、お願い申し上げます。
- 結果解説オンライン配信について
映像は以下URLより視聴いただけます。
解説:認定NPO法人フローレンス代表理事 駒崎弘樹
https://www.youtube.com/watch?v=l9nonhKTD4A&feature=youtu.be&t=147
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザーログイン既に登録済みの方はこちら
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像