【救急集中治療医がマンガで解説】災害などで命を救う止血方法
千葉大学発医療スタートアップ企業である株式会社Smart119(本社:千葉県千葉市、代表取締役社長/CEO:中田孝明)は、「災害時などケガをした際の止血方法」のイラストレーションを、本日一般公開しました。東日本大震災から12年が経ち、その後も国内外で水害や災害の報道を多く目にします。突然の自然災害の罹災は、広域で多くの傷病者が発生し、救護支援を受けるまでには時間がかかります。出血を伴うケガでは、生命の危険性が高まります。救護を待つことなく速やかな止血手当を行わなくてはなりません。救急集中治療医の見地から、「止血方法」について親しみやすいマンガで解説します。これは命を救うことと、犠牲者を減らす「減災」の知識です。本資料は学校、企業、公共機関、町内会等で自由に配布・利用していただくことが可能です。
突然起こる災害では、多くの人が被災し、平時とは異なり救急救命の専門的な人員や道具が不足します。救急車を要請しても駆けつけられない、包帯も入手できないことが考えられます。特に大地震では建物の倒壊や散乱する破片などから負傷し、出血を伴う場合が多くみられます。大人の場合、出血によって1リットル以上の血液を失うと生命に関わります。救命措置として止血を速やかに行わなければいけません。
止血方法は、「直接圧迫止血法」と「間接圧迫止血法」があります。「直接圧迫止血法」は、全ての出血に対して最初に行います。傷口にタオルやガーゼを直接押し当てて圧迫し止血する方法で、ほとんどの出血を止めることができます。止血を促すために、傷口を心臓より高い位置に上げることも重要です。この方法では、感染症を予防するために、手袋やビニール袋をつけて、傷口や血液に素手で触れないようにしましょう。「間接圧迫止血法」は、動脈血管を圧迫して末梢血管への血流を遮る方法です。脇の下や股のつけ根などには「止血点」と言われる動脈血管が表皮近くを通る箇所があります。傷口よりも心臓に近い止血点を手や指で圧迫し血液の流れを止めて止血します。この方法は、出血が激しい時やガーゼや包帯を準備している間に行います。
大量出血を防ぐ止血は命を救う方法です。災害時では、たくさんのケガ人が同時に発生し、応急処置のための道具、救急隊が圧倒的に足らなくなってしまいます。今回の止血方法をはじめ、手当方法を知って、万一のときに備えておきましょう。犠牲者を少なくする減災へもつながります。
◆テーマ
「災害時などで使える!止血方法を知ろう」
◆解説者
中田孝明
株式会社Smart119 代表取締役
千葉大学大学院医学研究院 救急集中治療医学 教授
https://twitter.com/Nakada119
◆監修協力
新井久美子(救急科専門医)
矢澤まり(外科専門医)
◆印刷用資料ダウンロードリンク
https://smart119.biz/manga/000568.html
◆出血を伴うケガでは
- 大人の場合では、1リットル以上出血をした場合は命に関わる
- 出血量が多い場合は、止血手当を急ぐ必要がある
◆止血方法:直接圧迫止血法
すべての出血に対して、最初に行う
- 出血している箇所を特定し、清潔なタオルやガーゼを当てる
- 出血部分を「点」として確認できる時は指で圧迫する
- 出血部位が広範囲の場合は、タオルやガーゼを広めに当てて全体を圧迫する
・感染を防ぐために、血液や傷を素手では触れない
・傷を抑える時は、手袋やビニール袋をつける
・傷口を心臓よりも高い位置に上げる
◆止血方法:間接圧迫止血方法
出血が激しく続いている時、またガーゼや包帯を準備している間に行う
- 身体の表面近くを通る動脈血管には圧迫しやすい「止血点」がある
- 出血している部位より心臓に近い止血点を、手や指で圧迫し止血する
・頭部:こめかみ
・上半身:脇の下、肘の内側
・指:心臓に一番近い関節
・下半身:股のつけ根
◆参考資料
・東京消防庁
普通救命講習(短縮救命講習用) 出血の応急手当
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/learning/contents/lifesaving/contents05_1.html#beginning
・総務省消防庁
救命処置「12.止血法」
https://www.fdma.go.jp/relocation/e-college/cat65/cat65/cat44/12.html
◆医療情報イラストレーション・シリーズ ホームページ
https://smart119.biz/manga/
※画像など当コンテンツを報道にて引用いただく場合は、「(株)Smart119 提供」と記載ください。また、その際はpress@smart119.bizまでご一報いただけますと幸いです。
<株式会社Smart119について>
株式会社Smart119は「現役救急医が設立した、千葉大学発スタートアップ」です。
『今の「119」を変える』ため、音声認識とAIを活用した救急医療情報システム「Smart119」を開発・運用。
千葉市において、日本医療研究開発機構 (AMED) の救急医療に関する研究開発事業を実施。
緊急時医師集合要請システム「ACES」、災害時をはじめ、医療事業継続支援システム「レスポンサム(respon:sum)」の開発・運用を行っています。Smart119は「安心できる未来医療を創造する」を目指します。
【株式会社Smart119概要】
会社名: 株式会社Smart119
住所: 千葉県千葉市中央区中央2丁目5-1千葉中央ツインビル2号館 7階
設立: 2018年5月
代表者: 中田 孝明
事業内容:
音声認識とAIを活用した救急医療支援システム「Smart119」の開発・運用
緊急時医師集合要請システム「ACES」の開発・運用
医療事業継続支援システム「レスポンサム(respon:sum)」の開発・運用
URL: https://smart119.biz
Twitter: https://twitter.com/Smart119_jp
メールアドレス: press@smart119.biz (担当:中村)
すべての画像