【2025年秋冬最新調査】未成年の35.6%が対話型生成AIを利用、子どものAI利用が進む一方で保護者の12.5%が「怖い」経験を報告

保護者が最も気になるのはAIとの会話内容。13歳未満の利用も26.0%、学校管理下のみで利用している子どもはわずか2.4%との結果も。

株式会社Awarefy

株式会社Awarefy(本社:東京都新宿区、代表取締役 CEO:小川 晋一郎、以下「アウェアファイ」)および、アウェアファイが運営する「こころの総合研究所」(所長:高階 光梨、以下「こころ総研」)は、2025年9月に実施した「未成年の子どもによる対話型生成AIの使用に関するアンケート調査」の分析結果を公開いたしました。

本調査では、未成年の子ども(18歳未満)を持つ保護者を対象に、子どもの対話型生成AIの利用状況と、保護者が感じる影響・懸念を明らかにしました。

主な調査結果

  • 未成年の35.6%が対話型生成AI(ChatGPT、Gemini等)を利用

  • 13歳以上(中学生以上)では利用率が半数を超える

  • 利用者の半数以上が週1回以上利用

  • 個人契約での利用のみが84.3%,学校支給の利用のみはわずか2.4%。

調査の背景

2024年12月、文部科学省が「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン」*1を策定し、学校現場での適切な利用が推進される一方、子どもの生成AI利用に対する懸念も広がっています。

2025年8月には米国カリフォルニア州で16歳の少年がChatGPTとのやりとりの後に自死し、両親がOpenAI社を提訴する事案が発生しました。この訴訟を受けて、OpenAI社は2025年9月にChatGPTのペアレンタルコントロール機能を導入し、13歳から17歳のティーンアカウントに対する保護者による管理機能や、自傷の兆候を検知した際の通知機能などを実装しました*2。

一方で、NPO法人ライフリンクの調査*3では、18歳以下がつらい気持ちの相談先として「生成AI」を最も多く選ぶという結果も報告されており、若年層のメンタルケアにおけるAIの役割が注目されています。こうした国内外の動向をふまえ、本調査は、未成年の子どもの対話型生成AI利用の実態を明らかにすることを目的としました。

*1「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン」(文部科学省 初等中等教育局, 令和6年12月26日 Ver.2.0)https://www.mext.go.jp/content/20241226-mxt_shuukyo02-000030823_001.pdf

*2 「ペアレンタルコントロールが登場」(OpenAI, 2025年9月29日)https://openai.com/ja-JP/index/introducing-parental-controls/

*3 「自殺念慮など「相談相手がいない/相談しない」が8割・・・「しんどさ」抱えるこども1000人の声」(NPO法人ライフリンク, 2025年9月11日) https://note.com/lifelink/n/nefbe8c55fe5a

調査結果の詳細

1. 未成年の3人に1人が利用、中学生では半数超

未成年の子どもを持つ保護者に、子どもが対話型生成AIを利用したことがあるかを尋ねたところ、35.6%(326名)が「利用経験あり」と回答しました。利用率は年齢とともに上昇し、13歳以上(中学生以上)では半数以上が利用経験ありという結果となりました。最年少の利用者は1歳でした。なお、回答者の中で最も利用率が高い「ChatGPT」は利用規約*4 において13歳未満の利用を禁止していますが、本調査では13歳未満の子どもの26.0%が対話型生成AIを利用していることが明らかになりました。

2024年11月の小中学生及びその保護者を対象とした調査*5では、生成AIの利用率は小1~3で1.4%、小4~6で5.0%、中1~3で13.3%でした。今回の調査の結果では、小1~3(7~9歳)が34.8%、小4~6(10~12歳)で46.9%、中1~3で59.0%であったため、生成AIの利用が増えていることがわかります。

また、保護者がAIを利用している家庭では、子どもがAIを利用している割合も高い傾向が見られました。具体的には、保護者がAIを利用している場合、子どもがAIを利用している割合は33.4%であったのに対し、保護者が利用していない場合、子どもがAIを利用している割合は2.2%にとどまりました(保護者も子どもも対話型生成AI利用あり:33.4%、保護者のみあり:38.8%、子どものみあり:2.2%、保護者も子どももなし:25.6%)。

*4 「ChatGPT」利用規約(OpenAI, 最終更新 2024年12月11日)https://openai.com/ja-JP/policies/terms-of-use/

*5 「中学生の生成AIの利用 1年で倍増 親の利用率を上回る」(モバイル社会研究所, 2025年2月18日)https://www.moba-ken.jp/project/children/kodomo20250218.html

2. 週1回以上の利用が半数超、学外での個人利用が約8割

対話型生成AIを利用している子どもの半数以上が週1回以上利用しており、最も多い利用頻度は「週2~3回」でした。

「あなたの子どもは対話型生成AIを利用したことがありますか?」の質問に「はい」と回答した326件のうち、Satisficer項目に違反した回答39件(12.0%)を除外した287件を分析対象とした

利用目的は、「特定のテーマについて情報を集める」「勉強でわからないところを教えてもらう」などの学習・リサーチが最も多く、「趣味の話」や「雑談」など、話し相手としての利用も多く見られました。

契約形態については、個人用のみの利用が84.3%、個人用と学校で支給されたものの両方を利用が5.9%、学校で支給されたもののみを利用が2.4%でした。学外での個人利用が約8割を占める結果から、学校での安全管理が及ばない環境での利用が主流であることが明らかになりました。

3. 保護者の受け止め:全体的にはポジティブだが、一部に懸念も

子どもの対話型生成AI利用について、保護者がどのような影響を感じているかを尋ねたところ、「特に影響はない」~「やや良い影響」という回答が多数を占めました。具体的には、学習の補助や情報収集に役立っているといった声が寄せられました。

「あなたの子どもは対話型生成AIを利用したことがありますか?」の質問に「はい」と回答した326件のうち、Satisficer項目に違反した回答39件(12.0%)を除外した287件を分析対象とした

一方で、約10%の保護者が「怖いと感じた瞬間」または「依存しているかもしれないと感じた瞬間」があると回答しました。割合としては少数ですが、具体的な懸念として以下のような声が寄せられました。

  • 「個人情報や自身の画像などを安易に入力してしまう」

  • 「回答を疑うことなく信じてしまう・鵜呑みにしてしまう」

  • 「間違った情報を信じて行動に影響していると怖いと思った」

「あなたの子どもは対話型生成AIを利用したことがありますか?」の質問に「はい」と回答した326件のうち、Satisficer項目に違反した回答39件(12.0%)を除外した287件を分析対象とした

保護者が最も気になる点として、「AIとやりとりしている内容」が挙げられ、求める対策としては「適切な利用方法について子どもが学ぶ機会の提供」「有害なコンテンツへのアクセス制限」「やりとりの内容を保護者がモニタリングできる機能」が上位となりました。

考察:学外での子どものAI利用への対策が急務

学校現場での生成AI活用の議論は進んでいますが、実際に学校管理下のみで利用している子どもはわずか2.4%にとどまり、約8割は学外での個人利用が中心でした。こうした“学校の外”で広がるAI利用については、リスクや対策の議論がまだ十分とは言えません

米国心理学会(APA)は、未成年のAI利用は大人とは異なる影響がある可能性が高いと指摘 *6 しています。専門家監修のサービスなど、児童青年向けに適切に設計されたAIシステムや、目的に特化したAI利用が望ましいと考えられます。

文部科学省のガイドラインでは、学校現場において留意すべき代表的なリスクとして、AIに人格があるかのように誤認するリスク、AIに依存したりAIの答えを鵜吞みにすることで能力の育成が妨げられるリスク、機密情報や個人情報に関するリスク、著作権の侵害に関するリスクなどが挙げられています。今回の調査結果であげられた保護者の懸念と、ガイドライン上で挙げられているリスクは一致しており、今後AIを利用する子どもがますます増えることを考えると、事業者だけでなく、利用者、専門家、そして社会全体で子どものAIの適正利用について考え、実践していく必要があると考えられます。

アウェアファイでは、かねてより未成年者が利用する際には保護者等の同意を得ることを利用規約で定めていますが、今回の調査結果をふまえ、今後は利用者の年齢に応じた注意喚起の強化など、安全性に配慮したさらなる取り組みを検討していく予定です。

今後もアウェアファイおよび「こころ総研」は、AIと人が協働する新しいこころの支援のあり方を探求し、より安全に社会へ広げていくことを目指してまいります。

*6 「Artificial intelligence and adolescent well-being」(American Psychological Association, 2025年6月)https://www.apa.org/topics/artificial-intelligence-machine-learning/health-advisory-ai-adolescent-well-being

調査対象者の詳細

<対象エリア>

全国

<対象者条件>

未成年の子ども(18歳未満)がいる保護者、日本国内在住者

<サンプル>

・サンプル数:1054

・分析対象者数:明らかに適切ではない回答行動をしている137名のデータを除外し、917名(87.0%)を分析対象とした 

<回答者(保護者)の年齢および性別>

・性別:女性 626名、男性 276名、回答しない 15名

・年齢:平均年齢は39.4歳(SD =7.7)

<回答者の子どもの年齢および性別>

・性別:女性 434名、男性 461名、回答しない 22名

・年齢:平均年齢は8.7歳(SD =4.8)

<調査手法>

インターネット調査 ※アウェアファイユーザーを対象とした調査ではありません

<調査期間>

2025年9月9日 - 9月27日

<実施主体>
株式会社Awarefy「アウェアファイこころの総合研究所」

AIメンタルパートナー「アウェアファイ」

AIメンタルパートナーアプリ「アウェアファイ」
公式キャラクター「ファイさん」

AIなどのテクノロジーに、科学的なエビデンスのある「認知行動療法」等に基づくアプローチをかけあわせたスマートフォンアプリです。これまで90万人以上の方をサポートしてきました。AIキャラクター「ファイさん」との対話機能や、自分の心のコンディションをふりかえる機能、マインドフルネス瞑想に取り組める音声ガイドや課題別の学習コースなど、メンタルヘルスケアに役立つコンテンツが300種以上揃っています。

アプリのダウンロードはこちらから。

■ 株式会社Awarefy(アウェアファイ)

私たちは、最先端AIテクノロジーに、科学的なエビデンスのある「認知行動療法」等に基づくアプローチをかけあわせたAIメンタルパートナー「アウェアファイ」アプリの開発・運営を中心とした事業を展開しています。人々が自分の“大切にしたいこと“と向き合える社会を実現すべく、アプリの機能拡充にとどまらず、復職・職場復帰を目指す方をサポートする施設「アウェアファイ リワーク」の運営など、メンタルヘルスケアの領域での貢献を目指します。

所在地:東京都新宿区西新宿2丁目6-1 新宿住友ビル24階 GROWTH新宿 ROOM-4

代表取締役CEO:小川 晋一郎

事業内容:アプリ「アウェアファイ」の企画・開発・運営、福祉リワーク施設「アウェアファイ リワーク」の運営等

企業HP:https://www.awarefy.com/

【本件に対するお問い合わせ先】

アウェアファイ広報担当

メール:press@awarefy.com

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


会社概要

株式会社Awarefy

35フォロワー

RSS
URL
https://www.awarefy.com/
業種
情報通信
本社所在地
東京都新宿区西新宿2丁目6-1 新宿住友ビル24階 GROWTH新宿 ROOM-4
電話番号
-
代表者名
小川 晋一郎
上場
未上場
資本金
1億500万円
設立
2018年03月