6割以上の企業が来期の見通しを「増収増益」と回答! 約半数の企業が来期の課題は「経営戦略立案機能の強化」と回答するなど、「攻め」の戦略構築が大きなテーマに。「企業経営に関するアンケート調査」結果を発表
日本の経営コンサルティングのパイオニアである株式会社タナベコンサルティング(本社:東京都千代田区・大阪市淀川区、代表取締役社長:若松 孝彦)は、全国の企業経営者、役員、経営幹部、経営企画部責任者・担当者などを対象に実施した「企業経営に関するアンケート調査」の結果を発表いたします。
【調査結果サマリー】
【各データ詳細】
■今期の業績の見通しは「増収増益」が最多!来期の業績の見通しは6割以上が「増収増益」と回答。
今期(2022年4月~2023年3月を想定)の業績の見通しについて尋ねると、各業種とも「増収増益」と回答した企業が最も多い結果となりました。また、来期(2023年4月~2024年3月を想定)の業績の見通しについても、「増収増益」の割合が今期の業績の見通しよりも増加傾向にあります。
■事業戦略における来期の課題は「新商品・サービス開発」など上流工程の見直し。
事業戦略における取り組むべき課題について尋ねると、上位の項目と下位の項目の差が顕著に出る結果となりました。その中でも「新商品・サービス開発」(37.7%)、「事業ポートフォリオ戦略策定・転換」(35.2%)、「新事業開発」(34.3%)の3項目に加え、「ビジネスモデル変革」(29.5%)が上位にあがるなど、事業戦略における上流工程の見直しが必要であることが分かります。
■経営戦略における来期の課題は約半数が「経営企画・経営戦略立案機能の強化」と回答!
経営戦略における取り組むべき課題について尋ねると、「経営企画・経営戦略立案機能の強化」(49.4%)が最も多く、次いで「戦略的組織再編」(47.0%)という結果となりました。両者とも、戦略”推進”を前提とした課題であり、いわゆる「攻め」の経営戦略が求められていることが分かります。一方、「守り」の機能であるコーポレート・ガバナンス、経営システムなどの意識はまだまだ低い状況であるといえます。
■人的資本戦略における来期の課題は7割以上が「人材育成」と回答。人材力強化が急務!
人的資本戦略における取り組むべき課題について尋ねると、「人材育成」(72.7%)と回答した企業が圧倒的に多い結果となりました。次いで「人材採用」(53.2%)となり、人的資本のベースとなる育成・採用の強化が課題といえます。その反面、「人事制度改革」や「エンゲージメント向上」、「サクセッションプラン(事業承継)」など、人的資本経営の根幹ともいえる項目に関しては、課題認識としては未だ低い傾向にあります。
■資本・財務戦略における来期の課題は4割以上が「成長投資と回収計画」と回答。利益確保への動きが注目。
資本・財務戦略における取り組むべき課題について尋ねると、「成長投資と回収計画」(42.4%)と回答した企業が最も多い結果となりました。次いで、「財務資本の強化」(32.7%)、「キャッシュフローマネジメント」(21.3%)という結果に。「成長投資と回収計画」という回答が最も高いことから、「経営戦略」と同じように「守り」よりも「攻め」に視点がおかれていることが分かります。併せて、財務資本の強化やキャッシュフローマネジメントなど、利益確保への動きが注目されます。
■DX戦略における来期の課題は約半数が「DXビジョン・戦略」と回答。「攻め」のDX戦略構築が求められている!
DX戦略における取り組むべき課題について尋ねると、「DXビジョン・戦略」(47.8%)が約半数と圧倒的に多く、次いで「DX人材の存在」(33.8%)という結果となりました。「DX」という言葉が社会に浸透した現在においても、根底となる「DXビジョン・戦略」がいまだに課題となっている状況といえます。また、僅差ではあるものの「マーケティングDX」(29.5%)が「マネジメントDX」(28.8%)を上回っており、「オペレーションDX」や「HRDX」が低いことからも、経営戦略・財務戦略と同様、DX戦略においても来期は「攻め」の領域での投資が求められていることが分かります。
■総括・ポイント
アンケートの結果を見ると、来期の事業戦略・経営戦略ともに「攻め」の領域への優先度が高いことが分かりました。短期的な視点ではなく、未来を見据えた戦略的組織変革、人的資本投資、DX投資など、中長期的な目線での「攻め」の戦略構築が来期の大きなテーマとなるでしょう。
「事業戦略」の抜本的な見直しの必要性
「事業戦略」の抜本的な見直しの必要性については、アンケート結果より、課題となっていることが分かりました。特に、「事業ポートフォリオ戦略策定」は、事業ライフサイクルの加速化により急務となっています。付随して、新規事業や新商品・サービス開発など、新しい価値創造に向けた動きが活発化しています。特に年商規模の大きい会社ほど抜本的な見直しの必要性を感じていることも特徴です。
成長に向けた投資の加速化
事業戦略の抜本的な見直しに伴い、「攻め」の戦略投資が加速化しています。特に、人的資本投資、DX投資に関しては、制度やマネジメントシステムを中心とした「守り」への投資が中心でしたが、来期は、人材面では「育成」、DXは「マーケティング」へと投資領域が拡大しています。
すなわち、コロナショック以降の地盤固めがある程度落ち着き、「攻め」へと転じる体制が整ったことがうかがえます。また、事業の幅を広げ、競争力を高めるためのM&Aへの投資や、企業価値向上を目的としたサステナブル投資(ESG・SDGsへの投資)にも注目したいです。
戦略推進機能の強化に向けた事業・組織・人材の一体化
事業戦略の見直しに伴い、経営戦略においても戦略推進機能の強化が求められています。経営企画・戦略立案機能の強化に加え、事業戦略の推進レベルを高めるための戦略的組織変革が優先課題となっています。人材面についても、自律人材の重要性やリスキリングの必要性が高まるなど、事業戦略の変革を前提とした経営戦略の構築がなされていることが分かります。ポイントとなるのは、事業・組織・人材の一体化です。それぞれを分離して考えるのではなく、事業戦略をベースに、その戦略推進が可能となる組織体制、人材育成を検討すべきでしょう。
HR 領域におけるコンサルティングや、階層別研修の集客・運営に従事。その後、セミナー・階層別研修を手掛ける部署で、企画・集客・オペレーションの全社統括、HRコンサルティングサービスの商品開発、全社プロモーションの推進リーダーを担う。また、部下15名のマネジメントや商品開発プロジェクト推進など、幅広い業務に従事している。
■調査概要
[調査対象] 全国の企業経営者、役員、経営幹部、経営企画部責任者・担当者
[調査期間]2022年12月5日~2022年12月19日
[調査エリア]全国
[有効回答数]1,677件(タナベコンサルティング主催「経営戦略セミナー2023」に参加された経営者・経営幹部1,107件、Web・メルマガによる回答570件)
TCGは、1957年(昭和32年)に創業し、創業65年を迎えた日本の経営コンサルティングのパイオニアです。「企業を愛し、企業とともに歩み、企業繁栄に奉仕する」という経営理念のもと、「ファーストコールカンパニー 100年先も一番に選ばれる会社」の創造をミッションとしています。
グループで約600名のプロフェッショナル人材を擁し、「経営者・リーダーのパートナー」として大企業から中堅企業まで約15,000社の支援実績があります。
経営コンサルティング領域としては、戦略策定支援(上流工程)から、デジタル技術も駆使した現場における実装・オペレーション支援(中流~下流工程)まで、企業経営を一気通貫で支援できる経営コンサルティング・バリューチェーンを全国地域密着で構築しています。
そして、コンサルティングスタイルとしては、「All for the Client-すべてはクライアントのために」という徹底したクライアント中心主義のもと、経営コンサルティング・バリューチェーンにより、個社の経営課題に合わせて複数名のプロフェッショナルコンサルタントを選定してチームを組成する「チームコンサルティング」を推進しています。
〈経営コンサルティング・バリューチェーン〉
・ストラテジー&ドメイン
・M&Aアライアンス
・コーポレートファイナンス
・ブランド&マーケティング
・マネジメント&オペレーションズ
・クリエイティブ&デザイン
・HR
・リージョン(全国10地域:札幌、仙台、新潟、東京、名古屋、金沢、大阪、広島、福岡、那覇)
- 今期の業績の見通しは「増収増益」が最多。来期の業績の見通しは6割以上が「増収増益」と回答。業種別のコロナ、円安の影響については、外食業の約6割がコロナの影響が「経営に深刻なインパクト」と回答。円安の影響は製造業が大きく受ける結果に。
- 来期の課題について、事業戦略は「新商品・サービス開発」が最多、経営戦略は約半数が「経営企画・経営戦略立案機能の強化」という結果に。「攻め」の領域への優先度が高いことが分かりました。
- 人的資本戦略の来期の課題は7割以上が「人材育成」と回答。資本・財務戦略では4割以上が「成長投資と回収計画」と回答しており、利益確保への動きが注目されます。DX戦略の課題については、約半数が「DXビジョン・戦略」と回答。「攻め」のDX戦略構築が求められていることが分かります。
【各データ詳細】
■今期の業績の見通しは「増収増益」が最多!来期の業績の見通しは6割以上が「増収増益」と回答。
今期(2022年4月~2023年3月を想定)の業績の見通しについて尋ねると、各業種とも「増収増益」と回答した企業が最も多い結果となりました。また、来期(2023年4月~2024年3月を想定)の業績の見通しについても、「増収増益」の割合が今期の業績の見通しよりも増加傾向にあります。
■事業戦略における来期の課題は「新商品・サービス開発」など上流工程の見直し。
事業戦略における取り組むべき課題について尋ねると、上位の項目と下位の項目の差が顕著に出る結果となりました。その中でも「新商品・サービス開発」(37.7%)、「事業ポートフォリオ戦略策定・転換」(35.2%)、「新事業開発」(34.3%)の3項目に加え、「ビジネスモデル変革」(29.5%)が上位にあがるなど、事業戦略における上流工程の見直しが必要であることが分かります。
■経営戦略における来期の課題は約半数が「経営企画・経営戦略立案機能の強化」と回答!
経営戦略における取り組むべき課題について尋ねると、「経営企画・経営戦略立案機能の強化」(49.4%)が最も多く、次いで「戦略的組織再編」(47.0%)という結果となりました。両者とも、戦略”推進”を前提とした課題であり、いわゆる「攻め」の経営戦略が求められていることが分かります。一方、「守り」の機能であるコーポレート・ガバナンス、経営システムなどの意識はまだまだ低い状況であるといえます。
■人的資本戦略における来期の課題は7割以上が「人材育成」と回答。人材力強化が急務!
人的資本戦略における取り組むべき課題について尋ねると、「人材育成」(72.7%)と回答した企業が圧倒的に多い結果となりました。次いで「人材採用」(53.2%)となり、人的資本のベースとなる育成・採用の強化が課題といえます。その反面、「人事制度改革」や「エンゲージメント向上」、「サクセッションプラン(事業承継)」など、人的資本経営の根幹ともいえる項目に関しては、課題認識としては未だ低い傾向にあります。
■資本・財務戦略における来期の課題は4割以上が「成長投資と回収計画」と回答。利益確保への動きが注目。
資本・財務戦略における取り組むべき課題について尋ねると、「成長投資と回収計画」(42.4%)と回答した企業が最も多い結果となりました。次いで、「財務資本の強化」(32.7%)、「キャッシュフローマネジメント」(21.3%)という結果に。「成長投資と回収計画」という回答が最も高いことから、「経営戦略」と同じように「守り」よりも「攻め」に視点がおかれていることが分かります。併せて、財務資本の強化やキャッシュフローマネジメントなど、利益確保への動きが注目されます。
■DX戦略における来期の課題は約半数が「DXビジョン・戦略」と回答。「攻め」のDX戦略構築が求められている!
DX戦略における取り組むべき課題について尋ねると、「DXビジョン・戦略」(47.8%)が約半数と圧倒的に多く、次いで「DX人材の存在」(33.8%)という結果となりました。「DX」という言葉が社会に浸透した現在においても、根底となる「DXビジョン・戦略」がいまだに課題となっている状況といえます。また、僅差ではあるものの「マーケティングDX」(29.5%)が「マネジメントDX」(28.8%)を上回っており、「オペレーションDX」や「HRDX」が低いことからも、経営戦略・財務戦略と同様、DX戦略においても来期は「攻め」の領域での投資が求められていることが分かります。
■総括・ポイント
アンケートの結果を見ると、来期の事業戦略・経営戦略ともに「攻め」の領域への優先度が高いことが分かりました。短期的な視点ではなく、未来を見据えた戦略的組織変革、人的資本投資、DX投資など、中長期的な目線での「攻め」の戦略構築が来期の大きなテーマとなるでしょう。
「事業戦略」の抜本的な見直しの必要性
「事業戦略」の抜本的な見直しの必要性については、アンケート結果より、課題となっていることが分かりました。特に、「事業ポートフォリオ戦略策定」は、事業ライフサイクルの加速化により急務となっています。付随して、新規事業や新商品・サービス開発など、新しい価値創造に向けた動きが活発化しています。特に年商規模の大きい会社ほど抜本的な見直しの必要性を感じていることも特徴です。
成長に向けた投資の加速化
事業戦略の抜本的な見直しに伴い、「攻め」の戦略投資が加速化しています。特に、人的資本投資、DX投資に関しては、制度やマネジメントシステムを中心とした「守り」への投資が中心でしたが、来期は、人材面では「育成」、DXは「マーケティング」へと投資領域が拡大しています。
すなわち、コロナショック以降の地盤固めがある程度落ち着き、「攻め」へと転じる体制が整ったことがうかがえます。また、事業の幅を広げ、競争力を高めるためのM&Aへの投資や、企業価値向上を目的としたサステナブル投資(ESG・SDGsへの投資)にも注目したいです。
戦略推進機能の強化に向けた事業・組織・人材の一体化
事業戦略の見直しに伴い、経営戦略においても戦略推進機能の強化が求められています。経営企画・戦略立案機能の強化に加え、事業戦略の推進レベルを高めるための戦略的組織変革が優先課題となっています。人材面についても、自律人材の重要性やリスキリングの必要性が高まるなど、事業戦略の変革を前提とした経営戦略の構築がなされていることが分かります。ポイントとなるのは、事業・組織・人材の一体化です。それぞれを分離して考えるのではなく、事業戦略をベースに、その戦略推進が可能となる組織体制、人材育成を検討すべきでしょう。
株式会社タナベコンサルティング 戦略総合研究所 コンサルティングディレクション部 課長 久保 多聞
HR 領域におけるコンサルティングや、階層別研修の集客・運営に従事。その後、セミナー・階層別研修を手掛ける部署で、企画・集客・オペレーションの全社統括、HRコンサルティングサービスの商品開発、全社プロモーションの推進リーダーを担う。また、部下15名のマネジメントや商品開発プロジェクト推進など、幅広い業務に従事している。
■調査概要
[調査対象] 全国の企業経営者、役員、経営幹部、経営企画部責任者・担当者
[調査期間]2022年12月5日~2022年12月19日
[調査エリア]全国
[有効回答数]1,677件(タナベコンサルティング主催「経営戦略セミナー2023」に参加された経営者・経営幹部1,107件、Web・メルマガによる回答570件)
- 株式会社タナベコンサルティンググループ 概要
TCGは、1957年(昭和32年)に創業し、創業65年を迎えた日本の経営コンサルティングのパイオニアです。「企業を愛し、企業とともに歩み、企業繁栄に奉仕する」という経営理念のもと、「ファーストコールカンパニー 100年先も一番に選ばれる会社」の創造をミッションとしています。
グループで約600名のプロフェッショナル人材を擁し、「経営者・リーダーのパートナー」として大企業から中堅企業まで約15,000社の支援実績があります。
経営コンサルティング領域としては、戦略策定支援(上流工程)から、デジタル技術も駆使した現場における実装・オペレーション支援(中流~下流工程)まで、企業経営を一気通貫で支援できる経営コンサルティング・バリューチェーンを全国地域密着で構築しています。
そして、コンサルティングスタイルとしては、「All for the Client-すべてはクライアントのために」という徹底したクライアント中心主義のもと、経営コンサルティング・バリューチェーンにより、個社の経営課題に合わせて複数名のプロフェッショナルコンサルタントを選定してチームを組成する「チームコンサルティング」を推進しています。
〈経営コンサルティング・バリューチェーン〉
・ストラテジー&ドメイン
・M&Aアライアンス
・コーポレートファイナンス
・ブランド&マーケティング
・マネジメント&オペレーションズ
・クリエイティブ&デザイン
・HR
・リージョン(全国10地域:札幌、仙台、新潟、東京、名古屋、金沢、大阪、広島、福岡、那覇)
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