蓄電ビジネスの実証開始について
コスモエネルギーグループ(以下「当社グループ」)は、2050年カーボンネットゼロに向けて、第7次連結中期経営計画およびVision 2030において「グリーン電力サプライチェーン強化(再エネ発電~需給調整・蓄電~グリーン電力販売 によるグリーン電力の価値の最大化)」を掲げています。
グリーン電力として代表的な再生可能エネルギーである太陽光発電や風力発電は、季節や天候などの外的要因により発電量が大きく変動します。グリーン電力サプライチェーン強化のためには、その変動に対応する需給調整機能の構築が不可欠であり、本実証における蓄電池設備はその要となるものです。
蓄電ビジネスの実証内容は以下の通りです。
実証①:コスモ石油株式会社 四日市霞発電所における実証
実証①は、コスモ石油株式会社(代表取締役社長:鈴木 康公、以下「コスモ石油」)
四日市霞発電所の敷地を活用し蓄電池設備を設置いたします。現在、2024年度内の
実証運用開始を目標としてEPC(※1)を開始しております。実証①の蓄電池設備の
能力は出力約3,900 kW、容量約15,600 kWhを予定しており、当社グループとして
当規模の蓄電池設置は初めてとなります。また、蓄電池の充放電制御の最適化を行う
システム(EMS)の構築もおこないます。
この蓄電池設備の電力は卸電力市場に加え、需給調整市場や容量市場への参画による
取引を計画しております。本実証により様々な市場取引を組み合わせた蓄電池運用
ノウハウの獲得や、蓄電ビジネスの収益最大化について検証いたします。
実証②:コスモ石油中央研究所における実証
実証②は、コスモ石油中央研究所の敷地を活用し蓄電池設備を設置いたします。現在、2023年度内の実証運用開始を目標としてEPCを開始しております。実証②の蓄電池設備の能力は出力約200 kW、容量約650 kWhを予定しており、出力約200 kWの太陽光発電設備を併設します。
本実証設備は、太陽光発電設備からの発電量がピークを迎える午前から日中に蓄電池設備は充電を行い、需給が逼迫する夕方などの時間帯に放電することを計画します。また、太陽光の発電量に応じて、系統を通じた充放電を行うことも計画をしております。実証①と同様にEMSを導入することで2つの運用を最適化します。
実証結果を通じて、当社グループとして拡大を目指す太陽光発電とその発電量に応じた最適な蓄電池の組み合わせや蓄電池設備の規模について検証していきます。
実証③:コスモ石油販売株式会社運営サービスステーション(以下、SS)における実証
実証③は、コスモ石油マーケティング株式会社(代表取締役社長:森山 幸二、以下「コスモ石油マーケティング」)の100%子会社であるコスモ石油販売株式会社(代表取締役社長:石本 耕二)が運営するSS(セルフ長久手SS、セルフ若江南SS)に蓄電池設備を設置しました。本実証は2024年1月から実証運用を開始しております。実証③の各SSにおける蓄電池設備の能力は出力約3 kW、定格容量約16.6 kWhです。また実証①、➁と同様にEMSを導入しています。本設備では既に設置済みの太陽光発電設備の発電量やSSの電力需要予測をもとに、SSにおける最適な蓄電池の充放電について検証を行いつつ、一連の運用により太陽光発電の余剰電力の有効活用として、SS内消費電力のピークシフトによる電気代削減効果を実証します。加えて、太陽光発電由来の消費電力量をJ-クレジットとして活用します。
本実証の結果を踏まえてコスモ石油マーケティングが展開する「コスモ・ゼロカボソリューション(※2)」にEMSを組み込んだ蓄電池システムを新たに加え、自治体や民間企業のカーボンニュートラルへの取り組みを支援していきます。
当社グループは、Vision 2030で掲げた「グリーン電力サプライチェーン強化」の実現に向けて、今後も本実証を含めグリーン電力に対する様々な取り組みを通じて、2050年カーボンネットゼロを実現してまいります。
<本計画概要>
※1:蓄電池設備を建設する基本工程であり、E(Engineering) P(Procurement) C(Construction)
C(Commissioning)の4つになります。
※2:コスモ・ゼロカボソリューションについて
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