【ABABA総研】就活うつに関するアンケート調査2025

▼“就活うつ”を自覚する学生は半数以上▼約4人に1人が「AIに悩み相談」▼約半数が内定獲得後もうつ継続

株式会社ABABA

 就活の過程を評価したスカウトが受け取れる「ABABA」、採用したい人物像そのものと出会える企業と人のミスマッチを最小化する「REALME」を提供する株式会社ABABA(本社:東京都渋谷区、代表取締役:久保駿貴・中井達也、以下「ABABA」)は、2026年3月卒業予定の大学4年生、および修士課程2年生のうち、「就活うつを自覚したことがある」という学生200名を対象に、「就活うつに関するアンケート調査」を行いました。

【調査概要】

調査対象:2026年3月卒業予定の大学4年生、修士課程2年生

調査機関:株式会社ABABA

調査方法:インターネット調査

調査期間:2025年10月22日~11月25日

有効回答数:200名

【調査結果の要約】

事前調査:就活うつを自覚した学生は54.3%

本調査:

1. 就活中に「死にたい」と思ったことがある学生は56.5%と半数以上。

2. うつ傾向の症状は「やる気が起きない」が56.0%で最多。「食欲の変化」、「涙が出る」など多岐にわたる症状。

3. 約4割が「自分だけがダメ」「みんな頑張っているから我慢しなければ」と自己否定

4. 就活うつによる影響は、「選考をキャンセル・欠席」、「親しい人とも会いたくなくなる」など、行動や人間関係に影響

5. 対処法は「身近な人への相談」が32.5%で最多。次いで「AIチャット(ChatGPT等)に相談」が24.5%と、現代ならではの対処法が上位。一方「何もしなかった」と抱え込む学生も25.0%。

6. 就活がつらいと感じた原因は「期間が長すぎて先が見えなかった」が40.0%で最多。選考落ちの連続、周りとの比較、周囲からのプレッシャーが続く。

7. 内定獲得後も50.5%が就活うつを感じ続けている。「内定がゴール」ではない実態が明らかに。

8. 内定後もつらさを感じた原因は「本当にこの企業でいいのか不安」が48.5%。「決断できないストレス」が新たな負担に。

9. 最もつらかったエピソードは「周りが決まる中、自分だけ取り残される恐怖」が圧倒的多数。「圧迫面接でパニック障害が発症」など深刻な声も。

事前調査:就活うつを自覚した学生は54.3%

 本調査を行うにあたり、就活うつを自覚したことがある学生を募るための事前調査を実施。2026年3月卒業予定の大学4年生、および修士課程2年生564人のうち、「就活うつになった」、「就活うつっぽいと感じた」と回答した人が合計で54.3%にも上り、半数以上の就活生が、就活を原因として心身のバランスが崩れる「就活うつ」の自覚症状があったことがわかりました。

 2024年にABABA総研が実施した同様の調査では、就活うつを自覚した学生は46.3%でした。今回の調査では昨年より8ポイント増加※しています。

※昨年調査(n=1,277)とは有効回答数が異なります。

本調査:就活うつを自覚したことがある学生200人を対象としたアンケート調査

 以下は、上記の事前調査により「就活うつになった」、「就活うつっぽいと感じた」という方を対象としたアンケート調査です。

就活生の半数以上が「死にたい」と思った経験あり

Q1. 就活中に「死にたい」とまで思ったことはありますか?

 就活中に「死にたい」とまで思ったことがあるかを尋ねたところ、56.5%が「ある」と回答しました。就活生の半数以上が、命を絶ちたいと思うほどの深刻な精神状態であったことがわかりました。

 不採用通知、将来への不安、周囲との比較など、複数のストレス要因が重なることで、精神が追い詰められていると予想できます。

「やる気が起きない」が最多56.0%、多岐にわたるうつ傾向の症状が

Q2. うつ傾向を自覚した症状はありますか?

 就活中にうつ傾向を自覚した症状について尋ねたところ、「なにもやる気が起きなくなった」が56.0%で最も多く、半数以上が意欲の低下を経験していることがわかりました。

 次いで「食欲が著しく減った、あるいは増した」が34.5%、「集中力が低下した」が34.0%、「勝手に涙が出るようになった」が33.5%と続き、3人に1人がうつによる症状を抱えていることがわかりました。

 また、「眠れなくなった」が28.0%、「頭痛や胃痛などの不調が増えた」が23.0%と、2割以上が精神面だけでなく身体面にも影響が出ていることがわかりました。

約4割が「自分だけがダメ」と自己否定 就活うつで追い込まれる学生たち

Q3. 就活うつを感じた時に抱いた感情に最も近いものを教えてください

 就活うつを感じたときの感情を尋ねたところ、「自分だけがダメなんだと思った」が38.5%で最多となりました。次いで「みんな頑張っているのだから、自分も我慢しなければならないと思った」が38.0%、「自分は社会に必要ない人間だと思った」が36.5%と続き、約4割の就活生が自己否定感を抱いていることが明らかになりました。

 また、「今以上にもっと頑張らなければならないと思った」が33.0%、「つらいのは仕方がないことだと思った」が28.5%と、つらさを感じながらも我慢を強いられている就活生が3割近くいることがわかりました。

3割が選考をキャンセル・欠席 就活うつが行動にも影響

Q4. 就活うつによる影響・変化はありましたか?

 就活うつによる影響や変化を尋ねたところ、「選考の予定をキャンセル/無断欠席した」が32.5%で最多となり、約3人に1人が就活そのものを続けられなくなっている実態が判明しました。次いで「親しい人とも会いたくなくなった」が31.0%と続き、人間関係にも影響がうかがえます。

 また、「周囲から元気がないと言われるようになった」が24.5%、「ゼミやサークル活動にも行けなくなった」が15.0%と、日常生活にも支障をきたしていることがわかりました。

就活うつ、4人に1人がAIに相談 一方で何もせず孤立する就活生も25%

Q5. 就活うつを感じたとき、どのように対処しましたか?

 就活うつを感じたときの対処法を尋ねたところ、「身近な人に打ち明けて相談にのってもらった」が32.5%で最多となりました。一方で、「特になにもしなかった」が25.0%に上り、4人に1人が誰にも相談せず一人で抱え込んでいる実態が明らかになりました。

 また、「AIチャット(ChatGPTなど)に相談した」が24.5%と2番目に多い対処法で、悩みをAIに打ち明ける学生が約4人に1人いることがわかりました。次いで「就職活動を一時的に中止した」が22.5%、「専門機関でカウンセリングや診断を受けた」が20.5%と続きました。

 このほか、「考える時間がないくらい就活のスケジュールを入れた」が16.5%、「SNSなどの就活に関する情報から距離を置いた」が14.5%、「留学や休学によって就活のタイミングを先延ばしにした」が12.5%となり、対処法は多岐にわたることがわかりました。

「期間が長すぎて先が見えない」が40% 長期化する就活に疲弊

Q6. 就活がつらいと感じた原因はなんだと思いますか?

 就活がつらいと感じた原因を尋ねたところ、「就活の期間が長すぎて先が見えなかったから」が40.0%で最多となりました。就活の長期化が学生の精神的負担の最大の要因となっていることがわかります。

 次いで「選考に落ちたから、または選考落ちが続いたから」が36.0%、「自分がやりたいことが分からないまま就活をしていたから」が33.5%と続き、不採用の連続や自己理解の不足が大きなストレス要因となっていると考えられます。

 また、「周りよりも就活の進捗が悪かったから」が30.0%、「周りからのプレッシャーがあったから」が25.0%と、他者との比較や周囲の期待が重圧となっている様子がうかがえます。

就活の早期化・長期化により、学生は長期間にわたってゴールが見えない状況が続き、精神的な消耗を加速させていることが予想できます。

内定後も半数が就活うつ継続 ゴールが見えても消えない不安

Q7. 最初の内定をもらったあとも就活うつっぽいと感じていましたか?

 最初の内定をもらった後も就活うつっぽいと感じていたかを尋ねたところ、「はい」という回答が50.5%と半数を超えました。

 内定を得ても、「この選択で本当に良かったのか」という迷いや、「もっと良い企業があるのではないか」という焦燥感、また、複数内定を持つ学生の場合はどの企業を選ぶべきか悩み続けることで、ストレスを抱えていると推測できます。

内定後も半数が「本当にこの企業でいいのか」と不安 決断できないストレスが深刻化

Q8. 最初の内定をもらったあともつらさを感じた原因は何だと思いますか?

 Q7.で「はい」と回答した方にその原因を尋ねたところ、「本当にこの企業や職種でいいのか不安になったから」が48.5%で最多となりました。内定を獲得してもなお、約半数の学生が自分の選択に確信を持てず、不安を抱え続けている実態が明らかになりました。

 次いで「自分の判断軸が何なのか分からなくなっていたから」が37.6%、「内定をもらっても達成感や手応えがなかったから」が29.7%と続き、長期化する就活の中で自己を見失い、内定という"ゴール"に喜びを感じられない学生が3割に上ることが判明しました。

 また、「周りと比べて内定先に引け目を感じたから」が27.7%、「より志望度が高い企業の選考が残っていたから」が26.7%となり、他者との比較や「もっと良い選択肢があるのでは」という思いが、内定後の不安を増幅させています。「特に理由は思い当たらないが気持ちが沈んでいた」も11.9%に上り、原因が分からないまま精神的不調が続くケースもあることが分かりました。

就活生の生の声 「周りが決まる中、自分だけ取り残される恐怖」

自由回答. 就活中に最も辛かったエピソードをできるだけ具体的に教えてください

 就活中に最も辛かったエピソードを自由回答で尋ねたところ、圧倒的に多い傾向としては「周りが内定を獲得していく中、自分だけ決まらない焦りと孤独」という想いでした。

 「周りが決まっていっている中、自分だけ決まらず、自分に魅力が無いのだと思った」「友人は3月に決まったのに私は全然決まらなくて辛かった」「みんなは内定をもらって自分だけがなかなかもらえず、内定もらった人から慰めてもらって惨めに感じた」など、他者との比較による劣等感が表れています。また、「圧迫面接でパニック障害を発症した」「面接で自分を否定されたこと」など、面接での人格否定が深刻な傷として残っている実態も明らかになりました。

■まとめ

 今回の調査により、就活うつを自覚する学生が昨年から8ポイント増の54.3%に達し、そのうちの半数以上(56.5%)が「死にたい」と思うほど追い詰められるなど、就活生のメンタルヘルス問題が深刻化している実態が明らかになりました。

 特に注目すべきは、内定獲得後も50.5%の学生が就活うつを感じ続けているという事実です。「本当にこの企業でいいのか不安」(48.5%)、「自分の判断軸が分からなくなった」(37.6%)という声が示すように、就活生は「不採用のストレス」から「決断できないストレス」へと、苦しみの質を変えながら長期間にわたって精神的負担を抱え続けています。ABABA総研が2025年9月に発表した就活生への意識調査で明らかになった「約6割が内定辞退を保留」という実態とも重なり、現代の就活生は「内定がゴール」ではなく「納得できる選択をするまで終われない」というプレッシャーにさらされています。

 就活うつの原因として「就活の期間が長すぎて先が見えなかった」が40.0%で最多となり、自由回答では「周りが決まる中、自分だけ取り残される恐怖」を訴える声が圧倒的多数を占めました。他者との比較による劣等感、圧迫面接での人格否定、経済的困難を抱えながらの就活など、複合的な要因が学生を追い詰めている構造的問題が浮き彫りになりました。

 一方で、対処法として「AIチャット(ChatGPTなど)に相談した」が24.5%と、人への相談(32.5%)に次ぐ選択肢となっている点は、デジタルネイティブ世代ならではの特徴といえます。しかし、「特になにもしなかった」が25.0%に上り、4人に1人が誰にも相談せず孤立している現状は、支援の手が届いていない学生が多数存在することを示しています。

 就活の早期化・長期化、SNSによる他者との比較の可視化、不適切な面接慣行など、就活うつは個人の問題ではなく、就活システム全体の構造的問題です。企業には採用プロセスの見直しと内定者へのメンタルサポート、大学には学生相談体制の充実、社会全体には就活生を追い詰めない環境づくりが求められています。

参考資料

就活うつに関するアンケート調査2024  https://hr.ababa.co.jp/new-5/SMlN_uZV 

内定式シーズンにおける就活生の意識調査 https://hr.ababa.co.jp/new-5/DlLPeAdP 

【ABABA総研とは】

ABABA総研は、就職活動を行う「就職活動生」と新卒採用を実施している「採用企業」のリアルを届けることを目的とする調査研究機関です。

 新型コロナウイルスの影響や日本経済を取り巻く環境の先行き不透明感が高まったことで、新卒就活生が企業選びにおいて安定性を重視する傾向が強くなり、大手企業への応募者が集中して採用競争が激化しています。さらには、早期のインターンシップ開催が一般化したことで就職活動が長期化するケースも増えており、学業への影響が懸念されるなど、現代の就職活動生を取り巻く外的環境は過酷さを極め、心身ともに大きな負担を抱えながら活動せざるを得ない状況になっています。最近では、就職活動がきっかけでメンタルヘルスに不調をきたす「就職活動うつ」が社会問題として注目されるようになりましたが、就職活動生のメンタル面の実態を捉えたデータはまだ少なく、不明瞭なまま語られることが多いのが現状です。私たちABABAはこれらの問題を重く受け止め、現代の就職活動における本質的な問題を明らかにすることを目的に、継続的に調査研究を行う機関として『ABABA総研』を発足するに至りました。

【”就活の過程を評価する” 新卒スカウトサービス「ABABA」】

 「ABABA」は就職活動で最終面接まで進んだことのある就活生だけが登録できるスカウト型のサービスです。就活生はサービス登録時に最終面接まで進んだ企業の情報を提出すると、その実績を見た企業からのスカウトを受け取ることができます。

 また、もう一つの登録経路として、”お祈りメール”を前向きなエールに変えたいという思いから生まれた「お祈りエール」があります。これは企業が最終面接で採用を見送った就活生への不採用メール(通称お祈りメール)の中で「当社で採用はできませんでしたが、あなたは素晴らしい人材なので他社に推薦したいです。ABABAに登録していただければ、今後の就職活動を応援いたします。」といった応援のメッセージとともにABABAへの登録を促すことで、その就活生をお墨付きの人材としてABABA上で推薦できる取り組みです。

 「ABABA」は選考の過程を評価することで「就職活動うつ」に悩む就活生の心理的ストレスの軽減に寄与しながら、企業のブランディング保持にも貢献し、社会課題と事業課題の双方を解決するサービスです。

【採用したい人物像そのものと出会える「REALME」】

 『REALME』は、AI面接を通して定量化された学生の能力・価値観をもとに、自社の採用要件を満たす学生とマッチングができるサービスです。

 候補者のスクリーニングにかかっていた工数を削減できるほか、AI面接の内容から抽出された採用要件ごとのマッチ度などをもとに、各候補者に対するアトラクト内容を最適化することで選考遷移率や内定承諾率の向上が期待できます。

■株式会社ABABA会社概要

会社名 :株式会社ABABA

所在地:〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1丁目19番19号恵比寿ビジネスタワー8階

本社所在地:東京都渋谷区

従業員数:70名(インターン・アルバイト含む)

設 立 :2020年10月19日

資本金 :1億円

URL: https://hr.ababa.co.jp/ababa

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会社概要

株式会社ABABA

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URL
https://hr.ababa.co.jp
業種
情報通信
本社所在地
東京都渋谷区恵比寿1丁目19番19号  恵比寿ビジネスタワー8階
電話番号
03-4570-0067
代表者名
久保駿貴・中井達也
上場
未上場
資本金
4億9388万円
設立
2020年10月