線材加工の面白さと可能性をIPPON-SENに込めて!職人の技と対話力で挑む、多品種少量生産の革新〜岩城工業60年の歴史、顧客満足度を追求するもの作り〜
優れた製品・技術を広く認定し、区内外へPRする「足立ブランド」。2025年3月にHPがリニューアルされました。認定企業である岩城工業株式会社もメインビジュアルを新たにしました。
東京・足立区の岩城工業株式会社が、創業60年の歴史で培った「金属線の曲げと溶接」の技術を活かし、多品種少量生産に特化したサービスを展開。職人の技術力とコミュニケーション力を融合させ、顧客ニーズに寄り添う製品作りを通じて、新たな製造業のあり方を提案します。足立ブランド企業として地域に根ざしながら、柔軟な生産体制により、医療事務用品から小売店の店頭什器まで、多様な業界のニーズに応えていきます。

■60年の歴史が紡ぐ、足立区発の金属加工技術
1964年に創業した『岩城工業株式会社』(東京都足立区梅田、代表取締役:岩城和裕)は、高度な金属加工技術を有する専門企業です。創業以来、「金属線の曲げと溶接」を中心とした技術を磨き上げ、時代のニーズに合わせて進化を続けてきました。2010年には「足立ブランド」企業に認定され、地域に根差した企業としての評価も高まっています。

「足立ブランドへの参加は、当社の転機となりました」と、代表取締役の岩城和裕氏は語ります。「異業種交流会で知り合った『安心堂』の故丸山会長の足立区への熱い想いと、もの作りに対する真摯な姿勢に深く共感し、ブランド企業認定を目指しました」
「足立ブランド」参加以降、『岩城工業』は地域との繋がりを強化・工場見学の受け入れや各種イベントへの参加を通じて、次世代を担う子どもや若者たちに「もの作りの面白さ」を伝える活動を積極的に行っています。これらの取り組みは、地域における知名度向上だけでなく、将来の人材確保にも繋がっていると言います。
2025年3月、足立ブランドのHPがリニューアルされました。それに伴い岩城工業株式会社はメインビジュアルをオリジナル商品「IPPON-SEN」に変更。線材加工の面白さと可能性が少しでも多くの方へ伝わりますように。今日はそんな岩城工業の取り組みをご紹介します。
足立ブランドHP、岩城工業株式会社のページはこちら↓
https://adachi-brand.jp/certified-company/iwakikogyo/
■ 顧客の声を形に。多彩な業界を支える岩城工業の匠の技

『岩城工業』が提供するのは、顧客の要望に合わせて柔軟にカスタマイズされた金属製品です。同社の「金属線の曲げと溶接」技術を駆使し、様々な形状や機能を持つ製品を生み出しています。

現在の主力製品は、医療現場で使用される器具スタンドや収納ラック、小売店の店頭で活躍するカードディスプレイ棚などです。
「例えば、医療現場向けの器具スタンドは、使用する場所や目的に合わせて、高さや形状を細かくカスタマイズしています」と、岩城氏は説明します。
岩城工業が手掛ける製品の特徴は以下の3点にまとめられます。
1. 多品種少量生産に特化した生産体制
2. 職人の高度な技術力
3. きめ細やかなコミュニケーションによる顧客ニーズの的確な把握
「私たちの強みは、お客様の要望を丁寧に聞き取り、それを製品に反映させる力です」と、岩城氏は語ります。そして、こう続けます。
「大量生産では難しい細やかなカスタマイズや、試作品の製作など、フレキシブルな対応が可能です」
■ 苦難を乗り越えて。多品種少量生産への果敢な挑戦
『岩城工業』が多品種少量生産にシフトしたのは、1970年代後半から1980年代にかけての苦難の時期がきっかけでした。
「私の入社2年目に受注量が半減し、職人の仕事がない日が続きました」と、岩城氏は当時を振り返ります。「しかし、父は『人を大切にする』という経営理念を置き、安易な人員整理はしませんでした。この経験から、ひとつの製品に依存しない、多様な需要に応える体制の必要性を痛感しました」
特に、1985年のプラザ合意以降の急激な円高により、状況はさらに厳しさを増しました。「他の請負業者と比較して、価格優位性が保てなくなりました。したがって大量生産部材の生産から脱却する必要がありました」と、岩城氏は当時の決断を説明します。
転機となったのは、「晴海見本市会場」で出会った少量生産向きの「線曲げ機」でした。
この設備投資を機に、『岩城工業』は多品種少量生産の道を本格的に歩み始めます。

「ベテラン社員の力を借りながら、新しい生産体制を確立していきました。困難も多かったですが、私自身、高校時代から培ってきた『仲間と協力してひとつのことを成し遂げる喜び』を胸に取り組みました」と、岩城氏は語ります。
今日において、『岩城工業』が多品種少量生産を実現できる理由は、主に次の2点にあります。
1. 金型を必要としない生産方法
「金属線の曲げと溶接」を中心とした加工方法により、割高なプレス用金型を必要とせず、柔軟な形状の製品を生み出すことができます。これにより、コストを抑えつつ、多様な製品を製作することが可能となります。
2. NCベンダーを必要としない生産体制
「高精度さが求められない製品については、熟練工の技術力で対応できます」と、岩城氏は説明します。「これにより単価が高くなるNCベンダーを使用せずとも、多くの製品を効率的に生産することができるのです」

一方で、『岩城工業』は大量生産時代から使用してきたプレス機や金型も保持しています。「多品種少量生産が主流となった今でも、大量生産時代のプレス機の既存の金型を駆使して、よりスピーディに加工を仕上げています」と、岩城氏は語ります。「これにより、お客様の多様なニーズに応じて、効率的かつ柔軟な生産が可能になっています」
この生産設備の多様性と、長年培ってきた技術の競合が、幅広い顧客ニーズへの対応を可能にしているのです。
■ 対話から生まれる新たな可能性。想定外の需要に応える『岩城工業』
多品種少量生産へのシフトは、想定外の顧客層を開拓することにも繋がりました。
「当初は以前からお付き合いのあったクライアントを中心に対応を考えていましたが、新たな分野からの依頼が増えていきました」と、岩城氏は語ります。お客様との対話を重視する姿勢が、信頼関係を個別に築いていったのです。
そして『岩城工業』は、その顧客対応力をさらに発展させていく方針です。
「今後も技術革新を続け、お客様のニーズにより細やかに応えていきたいと考えています。多品種少量生産の分野で、さらなる効率化と品質向上を目指します」と、岩城氏は語ります。

また『岩城工業』が目指しているのは、単に製造を担うだけの組織ではありません。顧客との深い対話を通じて、問題解決のパートナーとなることです。実はこの姿勢が、社内の雰囲気作りにも生かされています。
「かつては社員との価値観の違いに悩んだ時期もありました。しかし、お客様との対話を大切にする姿勢を社内にも取り入れることで、社員同士のコミュニケーションも活発になりました。今では少数精鋭のチームで、日々楽しく仕事に取り組んでいます」

「対話重視」の文化は、若手社員の育成にも生かされています。
「製造業は『もの』を作る仕事ですが、その根底には『人』があります」と岩城氏は語ります。「お客様の思いを形にする。そのために必要なのは、高度な技術力と、お相手の要望を正確に理解するコミュニケーション力です。この両方を兼ね備えた職人を育てることが、我々の使命だと考えています」
『岩城工業』の挑戦は、日本のもの作りの未来を示唆しています。大量生産・大量消費の時代から、個々のニーズに寄り添う「対話型もの作り」への転換。それは、技術と人間性の融合による、新たな製造業のあり方と言えるでしょう。
「これからも、お客様一人ひとりの声に耳を傾け、その思いを形にしていきたい」。岩城氏の言葉には、もの作りへの情熱と、顧客への深い敬意が感じられます。多品種少量生産のパイオニアとして、そして地域に根差した企業として、『岩城工業』の今後の展開に、ますます注目が集まりそうです。

■ 足立ブランド認定企業紹介冊子・送付希望の方へ
足立ブランド認定企業である岩城工業株式会社も掲載される「足立ブランド認定企業紹介冊子」を10名様に送付させていただきます。送付ご希望の方は下記の応募フォームをご利用ください。
※ 部数に限りがございますので、ご希望者多数の場合はPDF送付になる旨をご了承ください。
足立ブランド認定企業紹介冊子 / 応募フォーム
https://forms.gle/C6wTHxEBce7vzqAx5

企業情報
岩城工業株式会社
会社名:岩城工業株式会社
住 所:東京都足立区梅田7-6-12
電話番号:03-3848-3977
代表者:岩城 和裕
創 業:1964年
事業内容:線材曲げ加工、溶接加工
「足立ブランド」は、区内企業の優れた製品・技術を認定して、その素晴らしさを全国に広く発信することで、区内産業のより一層の発展と足立区のイメージアップを図ることを目的とした事業です。
『岩城工業株式会社』は、この「足立ブランド」認定企業です。
取材など掲載情報に関するお問い合わせは、「足立ブランド」の運営事務局でもある足立区役所産業経済部産業振興課ものづくり振興係でも受け付けております。
足立区役所産業経済部 産業振興課 ものづくり振興係
電話番号:03-3880-5869
ファクス:03-3880-5605
足立ブランド公式Webサイト
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