国連とメディアによる気候変動対策キャンペーン「1.5℃の約束」インパクト調査を3年連続で実施
気候危機に対するさらなる行動促進のカギは、より身近で具体的な情報発信
株式会社博報堂DYホールディングスは、国連広報センターとメディアが共同で推進する気候変動対策キャンペーン「1.5℃の約束 – いますぐ動こう、気温上昇を止めるために。」(※1)に2022年よりクリエイティブ・ボランティアとして参画し、キャンペーン設計やクリエイティブ、調査など戦略策定から実施まで幅広くサポートしています。キャンペーン3年目となった2024年は1月より活動を開始し、気候危機や脱炭素に関する情報、「世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて1.5℃に抑えること」の重要性が多数のメディアで発信されたほか、新たにSNSでの取り組みを実施。「何もしないともっと暑くなる」というメッセージとともに、気候変動を食い止めるための行動をSNSで広く生活者に呼びかけました。
前回に引き続き、当キャンペーンが人々の意識と行動にどのようなインパクトを与えたかを検証することを目的に、インパクト調査を実施しました。その結果、キャンペーン認知者(※2)ほど気候変動への危機感は高くなる一方、気候変動を抑制するための行動は前回から広がっておらず、危機感醸成に加えて、生活者により身近で具体的な行動を提示することの重要性がみえてきました。
(調査実施日:2024年10月15日~16日、調査対象:全国15~79歳の男女計1,442名)
<調査結果のポイント>
【「気温上昇を1.5℃に抑えるべき」という情報に触れた人は28.8%】
・24年1月からのキャンペーン期間中に、「気温上昇を1.5℃に抑えるべき」というキーワードを含む関連情報に触れたと回答した人は28.8%で、前回調査の30.2%から微減。
【今後はより身近で具体的な行動促進につながる情報発信が重要】
・キャンペーンや気候変動に関する情報に触れたことで、脱炭素に対し「関心が高まった」と回答した人は約8割に。関心が高まった理由は、「複数の記事や番組、SNS投稿などで報道されていたから」(43.9%)がトップ。また前回と比較すると、「記事や番組、SNS投稿などで気候危機の具体的な出来事や影響を知ったから」(30.5%、前回から+5.0pt)、「記事や番組、SNS投稿などで脱炭素について具体的なアクションがわかったから」(15.5%、同+4.3pt)などが伸長しており、より身近な影響や具体的な行動を呼びかけることの重要性がうかがえる。
・国連広報センターが推奨する、気候変動抑制のために個人でできる10の行動「ActNow」(※3)についてどの程度実践しているかきいたところ、キャンペーン認知者は非認知者に比べていずれの実施率も10ポイント前後高く、特に「環境に配慮した製品を選ぶ」(認知者63.4%、非認知者40.4%)や「周囲の人に参加してもらうように呼び掛ける」(認知者41.2%、非認知者18.8%)では20ポイント以上の差が開いた。
【ストレートな表現が気候危機への関心を高めるカギに】
・どのようなメッセージに触れたら脱炭素に向けた行動に移すと思うかきいたところ、「近い将来、日本は亜熱帯化し、日本の四季は失われます」(25.9%)、「このまま温暖化が進むと、日本は、災害級の台風に毎年見舞われます」(23.4%)など、ストレートに気候危機を伝える表現が上位に挙がった。
※1:「1.5℃の約束 – いますぐ動こう、気温上昇を止めるために。」キャンペーン
国連広報センターが「SDG メディア・コンパクト」に加盟する日本のメディア有志とともに、2022年から開始したキャンペーン。2022年には146メディア・団体が参加し、2023年は156、2024年は165と年々増加しています。メディアの情報発信を通じて、なぜ世界の平均気温上昇を産業革命以前と比較して1.5℃に抑えることが必要なのかについての理解促進、地球温暖化をはじめとする気候変動に歯止めを掛けるための具体的なアクションを提示し、個人や組織に行動変容を促すことを目的としています。その中で2024年新たにSNSムーブメント「何もしないともっと暑くなる」を実施しました。
※2:キャンペーン認知者=「1.5℃の約束」の情報接触者
※3:「ActNow」
ActNow は、個人レベルでの気候アクションをグローバルに呼びかけることを目的に 2018 年に始動した、国連のキャンペーンです。このキャンペーンは、気候変動に対する認識と野心を高め、対策を強化するとともに、パリ協定の履行を加速するための国連による協調的取り組みに欠かせない要素です。ActNowの対象は現在、気候アクションのみならず持続可能な開発目標(SDGs)のすべての目標に広がり、気候変動対策を含むより健康な地球、より良い経済、公正な社会、協力しあう世界のために個人が行動をとるきっかけを提供します。
<調査概要>
調査手法:インターネット調査
対象者:15~79歳の男女1,442人
※分析時は、人口の性年代構成比に基づきウェイトバック集計を実施。本資料掲載の数値はウェイトバック後のものを使用。
対象地域:全国
調査時期:2024年10月15日~16日
調査委託先:QO株式会社
<実施主体>
本調査は、企業のSDGsへの取り組みを支援する全社プロジェクト「博報堂SXプロフェッショナルズ」が実施しました。
■博報堂SXプロフェッショナルズについて
SDGsの視点からクライアント企業のビジネスイノベーションを支援する全社的プロジェクト。生活者価値転換のプロフェッショナルとして、サステナブルな取り組みを生活者にとって実感できる価値に転換・再設計し、クライアント企業のSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)を実現することを目指して活動。マーケティング・ブランディング、PR、ビジネス開発、研究開発、クリエイティブなど、SDGsに関する経験と専門性を持つ社員で編成。次世代の経営のテーマとなる、企業の経済インパクトと社会的インパクトの統合に資するソリューション開発や経営支援、事業開発支援、マーケティング支援などを行います。
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