2025年5月より地方独立行政法人那覇市立病院において、小児頭蓋矯正治療の専門医師がジャパン・メディカル・カンパニー社製のヘルメット「Qurum Fit(クルムフィット)」を用いた治療を開始しました

2025年5月より地方独立行政法人那覇市立病院(以下那覇市立病院)「赤ちゃんの頭のかたち外来」において、株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー(東京都中央区、代表取締役CEO大野秀晃、以下当社)が開発・製造する赤ちゃんの頭のかたちを矯正するヘルメット「Qurum Fit(クルムフィット)」を用いた頭蓋矯正治療が開始しました。

 赤ちゃんの頭のかたち(歪み)に対する治療等についての社会的関心が高まる中、沖縄県における周産期医療の専門的な基幹施設である那覇市立病院の「赤ちゃんの頭のかたち外来」において、小児頭蓋矯正治療における専門医師が初診から卒業まで診療を行う本格的なヘルメット治療が受けられるようになりました。

 同院の脳神経外科専門医の先生方が、初診から治療終了まで一貫して責任を持ち、お子様の頭のかたちの矯正治療を行う外来です。

 5月より開始した当社製ヘルメットによる小児頭蓋矯正治療では、ヘルメット治療をサポートするために必要な技能を身に着けた当社専門スタッフが参画し、医師とともに、那覇市立病院の院内でヘルメットの処方や調整を行い、初診より卒業まで赤ちゃんおよびご家族に寄り添ったオーダーメイドのサービスを提供します。

 那覇市立病院では、毎診察時に専門医師が赤ちゃんの頭蓋の成長発達およびヘルメット治療の治療効果を確認します。その上で、赤ちゃんの成長に合わせてヘルメットを調整するため、ヘルメットのインナークッションを受診毎に交換します。医師の指示による、1人1人の赤ちゃんに合わせたインナークッションの調整と交換は、ヘルメット作製時だけではなく、治療の間も常にオーダーメイドであることを実現します。 

 那覇市立病院にて診療を担当する専門医の豊見山先生と松山先生は、赤ちゃんの頭のかたちとヘルメット治療に関する医師同士の学び合いの場である当社主催の「位置的頭蓋変形に対するヘルメット適正治療研修会(※)」に参加するとともに、ヘルメット治療の先行施設(大学病院)の見学も行っています。

当社が「第5回 位置的頭蓋変形に対するヘルメット適正治療研修会」を2024年12月22日に開催

「赤ちゃんの頭のかたち外来」を担当する医師について

那覇市立病院 脳神経外科 副病院長 豊見山 直樹先生

【経歴】

1990年 琉球大学医学部医学科卒業

1997年 琉球大学大学院 医学研究科終了(医学博士)

中部徳洲会病院、県立宮古病院、県立那覇病院をはじめとした県内各地の病院に勤務

2004年 那覇市立病院 入職

2016年 那覇市立病院 脳神経外科総括部長

2020年 那覇市立病院 副院長

【資格・学会活動など】

日本脳神経外科学会 専門医・指導医

那覇市立病院 脳神経外科 科長 松山 美智子先生

【経歴】

2005年 琉球大学医学部医学科卒業

2005年 那覇市立病院 入職

【資格・学会活動など】

日本脳神経外科学会専門医・指導医

日本神経内視鏡学会技術認定医

【先生よりコメント】

 赤ちゃんの頭蓋骨は成人と異なり、いくつかのパーツに分かれていて、それぞれの骨は非常に薄く、やわらかいです(生後すぐにはわずか数ミリの厚さしかなく、我々の手の指の爪くらいのイメージです)。成長するにつれ、隣同士の骨は徐々に一体化し、硬くて分厚い大人の頭蓋骨(成人の頭蓋骨の厚さは1~2センチ)へと近づいていきます。

 そのため、頭蓋骨がやわらかい生後数か月の間は、「向きぐせ」によるゆがみ(以下位置的頭蓋変形)が生じやすい状態です。

 また、稀ではありますが、「骨の病気」などの何らかの疾患によって頭の形が歪んでしまうことがあります。隣同士の骨が異常に早く一体化してしまう病気(頭蓋骨縫合早期癒合症)がその代表で、この場合、頭蓋骨が大きく成長できず、脳の発達に悪影響を及ぼすことがあり、場合によっては早期の手術が必要となることもあります。

 このように、赤ちゃんの頭の形が歪んでいる場合、それが病気によるものか、それとも病気でないものか、適切な医師の診断を受けることがとても重要です。

 赤ちゃんの頭の形がゆがんでいることを気にして受診される方のうち、大多数は位置的頭蓋変形であり、その場合、脳の発達や成長には影響はありません。位置的頭蓋変形とは、赤ちゃんがいつも同じ方向を向いて寝ることや、母親のお腹の中でのさまざまな要因(多胎妊娠など)で、後頭部が平らになったり左右非対称になったりする状態です。この状態は病気ではなく、脳機能の発達に影響が出ることは基本的にありません。

 変形が軽い場合は、赤ちゃんが成長し頭が大きくなったり自分で寝返りするようになったりする中で自然に治ることが期待できます。寝返りするようになる前は、頭部の向きを工夫したり、タミータイムと呼ばれる見守り下でのうつ伏せの時間を増やしたりすることで改善が見込めます。

 しかしながら、変形が強くなった場合には、耳やおでこ、目、頬、あごの形にもゆがみが生じることがあります。このような場合、先ほど述べた方法だけでは治りにくく、大人になってもゆがみの名残が残ってしまうこともあります。こうしたケースでは、ヘルメットを使った矯正治療が効果的であることがわかっています。海外では1900年代から、日本では2012年から保険外の診療として行われており、効果を示す研究もあります。

 沖縄県では今までヘルメットによる矯正治療を提供する施設がなく、治療を希望するご家族は県外の施設へ通院する必要がありました。当院で赤ちゃんのあたまのかたち外来を開設することで、県内で治療を受けることが可能になりました。


・赤ちゃんの頭のゆがみについて

 赤ちゃんの頭のゆがみは、向き癖など外部からの圧力が主な原因ですが、稀に病的変形があり、ヘルメット治療の対象となるのは、外部からの圧力による位置的頭蓋変形になります。赤ちゃんの頭囲が急成長する生後3ヶ月~生後7ヶ月頃までの間に、治療用のヘルメットを装着することで頭蓋変形を治療することが可能になっています。

 赤ちゃんの頭のかたちの測定は、専用の3Dスキャナーだけでなく、「赤ちゃんの頭のかたち測定アプリ」でも行うことが可能です。

 当社が開発した「赤ちゃんの頭のかたち測定アプリ」では、写真を撮るだけで赤ちゃんの頭のかたちを簡単に計測することができます。累計27万ダウンロード(※注)を超えアプリの精度も向上しており、医師の論文発表等にもアプリデータが使用されています。アプリは医師監修の基に作られており、病院の診察の際にも役立てることもできますので、ぜひダウンロードしお役立てください。

※注:2024年12月 当社調べ

国内初「赤ちゃんの頭のかたち測定」アプリが累計25万ダウンロードを突破!乳児の頭蓋変形の測定のみならず頭蓋変形に関する研究開発への応用も進む

【iOS版】
【Android版】

・製品情報 Qurum Fit(クルムフィット)

 株式会社ジャパン・メディカル・カンパニーは、長年にわたり頭蓋形状矯正ヘルメットの製造と開発に取り組んできました。このたび、脳神経外科、小児科、新生児科、小児外科、形成外科の専門医とともに開発検討委員会を立ち上げ、共同開発を実施。その成果として誕生したのが、最先端の3Dプリンタ技術を駆使して製造された日本製ヘルメットであるクルムフィットです。東京発の下町ベンチャーとして、荒川区にある自社工場で完全自主製造をしています。

 クルムフィットは、高い通気性を備えた設計によりムレを防ぎ、快適な使用感を実現しています。ヘルメット本体だけでなくクッション部分も水洗いが可能で、衛生面にも配慮されています。赤ちゃんのために細部までこだわり抜かれたデザインと機能性が特徴で、快適さと効果を両立させた製品です。

 日本国内の信頼ある医師との共同開発によるプロダクトとそのプロダクトを用いた優れた医療サービス体制が評価され、シンガポール最大の女性・小児医療専門の公立病院であるKK Women’s and Children’s Hospitalでもクルムフィットを用いた頭蓋矯正治療が採用されています。

 当社は製品の高い品質だけでなく、治療の安全性と信頼性を確保するための体制にも注力しています。当社製品を取り扱う医師には、必ず弊社主催の研修会「位置的頭蓋変形に対するヘルメット適正治療研修会」への参加をお願いしています。また、治療経験を持つ先行施設(大学病院またはこども病院)での診療への実地見学を通じて、より治療サービスに対する深い洞察を得ていただいています。ヘルメット治療導入後も継続的に研修会に参加していただくことで、最新の知識と技術を共有し続ける仕組みを整えています。

 こうした取り組みは、親御様が安心して頭蓋健診やヘルメット治療を受けられる環境を提供するため、一般社団法人日本頭蓋健診治療研究会の理事を中心とした専門医と協力して進めているものです。

 「最高の安心」をお届けするために。私たちは、ヘルメット治療の導入からその後のフォローアップまで、製品だけでなく徹底した品質管理とサポート体制を通じて赤ちゃんとそのご家族を支えています。私たちは、未来の医療を支える革新的な製品づくりを通じて、安心と健康を提供し続けてまいります。

https://babyhelmet.jp/product/

・株式会社ジャパン・メディカル・カンパニーについて

 ジャパン・メディカル・カンパニーは、最先端の3Dプリンティング技術を用いて、医療のカタチを革新するものづくりベンチャー企業です。

 1897年創業の鉄鋼メーカーの大野興業を前身とし、130年にわたり培われたものづくりの技術と精神を基盤に成長を続けてきました。

 1999年に積層造形技術(3Dプリント)を駆使したリバースエンジニアリングを導入し、耳小骨などのヒト骨模型の製法で特許を取得。手術前シミュレーション用3D模型の分野で、数々の術前症例模型や教育練習用模型の開発に至りました。現在では脳神経外科・耳鼻咽喉科領域を中心に、手術前シミュレーションや認定医試験等の場面で当社模型を用いたハンズオントレーニング等にご活用いただいています。

 2012年には初の国産 頭蓋矯正ヘルメット「Aimet(アイメット)」を脳神経外科医と共同で開発、2018年にジャパン・メディカル・カンパニーとして独立いたしました。

 現在は頭蓋矯正用ヘルメット「Qurum Fit(クルムフィット)」「Qurum(クルム)」や乳児の頭蓋変形の程度を簡便に計測できる「赤ちゃんの頭のかたち測定アプリ」、ヘルメット治療を支援する「metto(メット)アプリ」等の開発・製造・販売を行い、医療分野における新たな価値創出を目指しています。

 ヘルメットを用いた累計症例数は17,000症例以上の実績があり、ヘルメット治療のさらなる認知拡⼤を図るとともに、頭蓋形状矯正という概念そのものと疾病啓発の普及に取り組んでまいります。

■社名:株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー

■設⽴:2018年5⽉

■代表取締役CEO:⼤野秀晃

■事業内容:医療機器の開発・製造・販売、医療雑品の開発・製造・販売

■URL:https://japanmedicalcompany.co.jp

株式会社ジャパン・メディカル・カンパニーのプレスリリース⼀覧

https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/46445 

・本リリースに関するお問い合わせ・ご質問はこちら

株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー コーポレイト・デザイン室 柳本 瑞穂

TEL:03-5829-8342 / choice@japanmedicalcompany.co.jp

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ビジネスカテゴリ
医療・病院出産・育児
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会社概要

URL
https://japanmedicalcompany.co.jp/
業種
医療・福祉
本社所在地
東京都中央区東日本橋2-24-12 東日本橋槇町ビル2F
電話番号
03-5829-8342
代表者名
大野秀晃
上場
未上場
資本金
2323万円
設立
2018年05月