【QNX独自調査】日本のロボティクス開発、セキュリティ・安全認証が最重要 「AIの前に安全基盤」という日本独自の優先順位、フィジカルAI時代の転換点で鮮明に

日本における規制対応への自信は78%である一方、社内標準化実装の実情は46% 業界進歩への楽観度は対グローバル比でマイナス25ポイントの大差

BlackBerry Japan 株式会社

BlackBerry Limited(本社:カナダ オンタリオ州、CEO:ジョン・ジアマッテオ、NYSE:BB、TSX:BB)の事業部門であるQNXは、日本を含む7カ国1,000名のロボティクスエンジニアを対象に実施した調査レポート「Inside the Robot: ロボットアーキテクチャの実態調査」を発表しました。

本調査によると、フィジカルAI時代を前に、日本のロボティクス開発においてはAIの能力向上を最優先とするグローバルの潮流とは異なり、安全認証・規制対応を優先する「AIの前に安全基盤」という独自の姿勢が鮮明となっています。一方で、規制対応への自信と社内実装のギャップといった課題や、フィジカルAIへの慎重な姿勢が示されました。

主な調査結果:

  • 日本におけるOS選定基準の上位2項目は「セキュリティ」52%(グローバル平均47%)と「機能安全認証」45%(グローバル30%

  • 「開発ツール」を最重要ソフトウェアコンポーネントとする割合は日本60%(グローバル37%

  • 日本のエンジニアの62%が「認証取得プロセスによる開発遅延」を実際に経験(グローバル66%

  • 日本のエンジニアで規制対応に「自信がある」と回答した割合は78%。一方で「明確な社内標準が一貫して適用されている」は46%にとどまり、32%のギャップがある

  • ロボティクスにおけるソフトウェアの重要度が高くなると答えた日本の回答者のうち65%がサイバーセキュリティの予算増加を見込んでいる(グローバル51%)

  • ソフトウェアの重要性が今後さらに高まると回答した日本のエンジニアのうち、65%がサイバーセキュリティ関連予算の増加を見込んでおり、グローバル平均(51%)を14ポイント上回った

  • 日本における3〜5年後の最優先事項は「安全認証・規制対応」38%グローバル2位・36%)が1位。グローバル最多の「AI能力向上」(グローバル48%、日本4位・32%)を上回り優先順位の違いが浮き彫りに

  • フィジカルAIの安全性に「まったく自信がない」・「あまり自信がない」とした割合について日本は28%(グローバル11%

  • 業界の進歩ペースに「非常に楽観的」・「やや楽観的」は日本56%(グローバル81%)で、本調査における消極的な格差

日本市場の特徴:安全性を重視する開発優先順位 「AIの前に安全基盤」

  • 安全認証が優先:OS選定基準を問う設問では、日本・グローバルともに「セキュリティ」が1位となりました。(日本52%、グローバル47%)。注目すべきは、日本では「機能安全認証」が45%で2位に位置し、グローバル3位の30%を15ポイント上回っている点です。日本市場では、安全性とセキュリティの両面を強く重視する姿勢が際立っています。一方、グローバルで2位の「リアルタイム性能・決定論的動作」は日本では24%にとどまり6位、グローバル34%を10ポイント下回っています。ただし、「リアルタイム性能・決定論的動作」の重要性について日本でも「とても重要」・「やや重要」を合わせて91%が回答しており(グローバル平均95%)、重要性を前提としつつも「機能安全認証」を上位に位置付ける日本市場の姿勢が反映されています。

  • OS選定のカギとなるセキュリティと安全認証:「最も重要なソフトウェアコンポーネント」を問う設問では、日本は「開発ツール」を60%が選び、グローバル37%を23ポイント上回りました。一方、「OS」を選んだのは日本14%とグローバル40%を26ポイント下回っています。また、日本におけるOSの変更を検討している回答者のうち、主な理由として『セキュリティに関する懸念』を挙げた割合は39%(グローバル30%)で最大となっています。このセキュリティと安全性への重視は、今後3〜5年間でロボティクス開発のソフトウェア予算が増加すると予想される領域にも表れています。今後の予算シフト先として、日本では1位が「サイバーセキュリティ」(65%、グローバル平均51%)であり、3位が「安全認証ソフトウェア」(49%、グローバル平均37%)でした。

  • 安全確立後にAIを実装:3〜5年後の最優先事項を尋ねた設問では、日本では「安全認証・規制対応」が38%で1位、「AI能力向上」は32%で4位という結果でした。グローバルでは「AI能力向上」が48%で1位、「安全認証」は36%で2位となっており優先順位が明確に異なっています。日本における「安全な基盤の整備」を最重要視しながら、グローバルよりもAI導入に慎重な姿勢がうかがえます。

開発現場における傾向:「自信」と「実装」の差

規制対応への自信が「非常に自信がある」と「やや自信がある」を合わせると78%と高い一方で、組織として標準化されたプロセスが実装されていると回答した割合は46%にとどまり、「ケースバイケースで対応している」と答えた層は日本9%とグローバル3%の3倍に達しました。技術理解と実装プロセスの間に存在する構造的な差を示唆しており、日本のロボティクス開発における重要な検討課題の一つと考えられます。

背景として、日本のエンジニアの62%が「安全認証の取得プロセスにより開発スケジュールに遅延が生じた経験がある」と回答しています。安全への強いこだわりの背景には、認証取得に伴う実務上の負担という実体験が存在していることも明らかになっています。グローバルでは3人に2人(66%)が同様の遅延を経験しており、ドイツ・英国では約70%に上る一方、中国では56%にとどまります。

フィジカルAIとソフトウェア基盤の関係

日本の回答者の91%が、フィジカルAIを「戦略的に重要」と評価しており(「非常に重要」36%、「やや重要」55%)、グローバル89%とほぼ同水準の高い認識を示しています。一方で、フィジカルAIがセーフティクリティカルな状況で一貫した判断を下せるかに対する自信については、日本の28%が「あまり自信がない」・「まったく自信がない」と回答し、グローバル11%を17ポイント上回りました。これは、フィジカルAIの能力そのものに加え、それを安全かつ確実に動作させるためのソフトウェア基盤の整備が重要な検討領域となっていることを反映していると考えられます。

ロボティクス開発を取り巻く環境変化

ロボティクス開発は現在、フィジカルAIの進展により大きな転換点を迎えています。ロボットは人と同じ空間で動作し、リアルタイムで判断を行うことが求められるようになっています。調査でもグローバルの83%がすでに人間と共存する環境にロボットの導入が進んでいると回答しており、人間との協働が前提となる開発環境が世界的に広がっています。日本でも82%と同水準であり、こうした潮流は日本も例外ではありません。一方で、こうしたシステムでは確率的なAIによる意思決定と、安全性を担保する決定論的なリアルタイム制御をどのように統合するかが重要な検討テーマとなっています。実際に調査では、非決定論的な挙動が安全性やシステム安定性の観点で新たな考慮点となるとの認識が広く共有されており、ソフトウェア基盤の重要性がこれまで以上に高まっています。

QNXの取り組み

QNXは、機能安全認証に対応したリアルタイムOSおよびソフトウェア基盤を提供しており、ロボティクス、産業機器、医療機器、自動車などの分野で幅広く採用されています。決定論的な動作と高い信頼性を特長とし、確率的なAIと制御の確実性を両立させるシステム設計において、基盤ソフトウェアの観点から重要な役割を果たすことが期待されています。

QNXカントリーセールスディレクター、 Japan GEM のアガルワル サッチンは次のように述べています。

「今回の調査では、日本のロボティクス開発において、安全性に対する高い意識と慎重な現実認識が明確に示されました。規制対応や標準化、フィジカルAIの活用への高い意識など、技術理解と実装の間に存在する構造的な論点が浮かび上がっており、これらは日本のエンジニアが自らの現状を冷静に評価したうえで向き合おうとしている領域でもあります。QNXは、安全認証に対応したリアルタイムOSを通じて、日本のロボティクス業界が安全性とイノベーションを両立させながら、フィジカルAI時代へと着実に前進するための基盤を提供していきます」

調査概要

本調査は、ロボティクス開発に携わるソフトウェア開発者・エンジニアを対象とし、QNXによる委託のもと市場調査会社OnePollが市場調査協会の行動規範に則りオンラインで実施しました。データ収集期間は2026年2月25日〜3月4日で、参加者は日本100名、米国250名、英国・ドイツ・フランス各150名、カナダ・中国各100名の合計1000名です。

本調査レポートでは、本リリースで紹介した主要結果に加え、Physical AIの進展に対して現在のソフトウェアアーキテクチャが抱える差や、決定論的リアルタイム処理の重要性など、ロボティクス開発における構造的な論点について分析しています。グローバル調査結果をもとにした日本語版レポートは、こちらよりご覧いただけます。

詳細は、QNX.comをご覧いただくとともに、@QNX Newsをフォローしてください。

BlackBerryについて

BlackBerryは、世界の企業や政府機関向けに、インテリジェントなソフトウェアとサービスを提供しています。BlackBerryの高性能な基盤ソフトウェアにより、大手自動車メーカーや産業界の大手企業は、安全性、セキュリティ、信頼性を損なうことなく、革新的なアプリケーションの開発、新たな収益源の創出、変革的なビジネスモデルの展開を実現できます。カナダ・オンタリオ州ウォータールーに本社を置く当社は、セキュアな通信分野における深い実績を有し、包括的で高度なセキュリティを備え、広範な認証を取得したポートフォリオを通じて、モバイル機器の防御、ミッションクリティカルな状況下でのコミュニケーション、そして重要事象の管理を可能にする運用上の耐障害性を提供しています。詳細は、BlackBerry.comをご覧いただくと同時に、@QNX Newsをフォローしてください。

QNXについて

QNXは、BlackBerry Limited(NYSE: BB; TSX: BB)の事業部門として、ソフトウェア定義型システムおよびフィジカルAIシステムが、現実環境下で安全かつ予測可能に動作するために不可欠な、信頼できる基盤を提供しています 。約半世紀にわたり、QNXは、失敗の許されないセーフティクリティカルなアプリケーションを支えてきました。QNXは、安全かつセキュアなオペレーティングシステム、ハイパーバイザー、ミドルウェア、ソリューション、開発ツールの提供において業界をリードするとともに、信頼される組み込みソフトウェアの専門家によるサポートおよびサービスを提供しています。現在、QNXテクノロジーは、世界中を走行する数億台規模の車両をはじめ、産業制御、ロボティクス、医療機器、商用輸送、鉄道、航空宇宙・防衛分野にわたる幅広いミッションクリティカルシステムの基盤となっています。QNXは、カナダ・オタワに本社を置いています。詳細はQNX公式サイトをご覧ください。

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会社概要

BlackBerry Japan 株式会社

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業種
情報通信
本社所在地
東京都港区赤坂1-11-30
電話番号
-
代表者名
アガルワル サッチン
上場
未上場
資本金
-
設立
2001年05月