生還者が語るウイグルでの強制収容の実態
東京・大阪で講演会を開催
中国・新疆ウイグル自治区では現在、100万人にのぼる人たちが、不当に拘束されているとみられています。その多くはイスラム教の信仰を持つウイグル人やカザフ人で、この拘束は、国家と中国共産党への政治的忠誠を強化させるために、彼らの信仰や文化的アイデンティティを捨てさせようとする中国政府の取り組みの一環です。アムネスティ日本は、拘束施設から奇跡的に生還した方を招いて、東京と大阪で、講演会を開きます
今、中国では少数民族、特にウイグル人が、突然、強制収容所に収監されるという事件が相次いでいます。特に中国北西部の新疆ウイグル自治区では、100万人に及ぶウイグル人やカザフ人が強制収容所に入れられ、そこでは強制的な「教育」や拷問が行われていると報告されています。
同自治区で弾圧が強化されたのは、昨年3月、治安強化の名の下に「脱過激化条例」が制定されたことが契機でした。
この条例は禁止事項として、「正常でないヒゲを蓄えること」「公共の場で全身を覆うニカブや頭を隠すヒジャブを着用すること」などを列挙しています。「定時にお祈りすること」「イスラムやウイグル文化に関する書籍を所持すること」「飲酒を断ること」「国外へ留学すること」「国外と連絡を取ること」も、「過激派の徴候である」と見なされかねません。
今年の10月16日、同自治区の人民政府主席は、この収容所について「無料の職業訓練所だ」とコメント。強制収容を否定し、「テロと宗教的過激派を育む環境と土壌を取り除くことを目的に、共通語(中国語)教育、法知識教育、そして職業訓練を無料で行っている」と説明、上述のような大量拘束を正当化しようとしています。
しかし数多の証拠は、これが強制収容所であることを示しています。また、同センターでは拷問や虐待が行われており、死者すら出ているという情報が、ひっきりなしに寄せられています。
今回、収容所から奇跡の生還を果たした、オムルベク・アリさんを迎え、経験談をお伺いします。オムルベクさんは、新疆ウイグル自治区にある両親宅に滞在中、突然現れた警察官に連行されました。
同自治区生まれでカザフスタン国籍を持つオムルベクさんは、カザフスタンの外交官たちの働きかけにより8カ月後に出所しましたが、その時には体重が40kgも減っていたと言います。
今、中国で何が起きているのか?
生の声をお伝えします。
■■オムルベク・アリさん■■
1976年、新疆ウイグル自治区生まれ。カザフ人とウイグル人の両親の間に生まれ、カザフ国籍を持つ。多言語に通じることから、カザフスタンの旅行会社に勤務していた。新疆東部にある両親宅に突然現れた警察官に身柄を拘束され、「カラマイ市技術研修センター」の名の看板が掛かる収容所に送られた。
■東京講演
日時:2018年11月23日(金・祝) 18:00-21:00
場所:明治大学駿河台キャンパス リバティタワー1093教室
〒101-8301 東京都千代田区神田駿河台1-1
(明治大学現代中国研究所との共催です)
■大阪講演
日時:2018年11月26日(月) 19:00-21:00
場所:大阪市立総合生涯学習センター 第二研修室
〒530-0001 大阪市北区梅田1-2-2-500 大阪駅前第2ビル6階
参加費はどちらも無料の予定です。
★お申し込みはこちらから★
https://www.amnesty.or.jp/get-involved/event/2018/1123_7695.html
公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
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