iPhoneのマイナンバーカード“全機能”を読み取り可能に
iPhone×iPad活用の本人確認初事例*1、mdoc規格に準拠し商用提供へ
株式会社フライトソリューションズ(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 片山圭一朗、以下 当社)は、本人確認ソリューション「myVerifist(マイ・ベリフィスト)」において、iPhoneに搭載されたマイナンバーカード情報を活用した公的個人認証に対応したことに続き、国際標準化機構(ISO)が定めるデジタルIDの標準規格mdoc*2に準拠した読み取り技術の開発を完了したことをお知らせします。iPhoneとiPadを用いた本人確認は国内初事例(当社調べ)となり、既存顧客向けに9月末より評価版の提供を開始、10月末より商用サービスを開始する予定です。

■なりすまし詐欺、被害額700億円超―本人確認の見直し急務に
近年、なりすまし詐欺などの本人確認をめぐる社会問題が深刻化しています。2024年の特殊詐欺の被害額は717.6億円、認知件数は20,000件を超え*3、なりすましやスミッシング(SMS詐欺)による巧妙化した手口が増加しています。こうした背景を受け、オンラインでの本人確認方法の厳格化への動きが強まり、2026年4月には携帯電話契約時に「ICチップ読み取りによる本人確認」が原則義務化とする法改正が予定されています。
■解決策としてのiPhone対応の実現性・普及性
一方、政府が推進するデジタル社会の実現に向け、マイナンバーカードのスマートフォン搭載が段階的に進んでいます。スマートフォンという身近な端末に本人確認機能を統合することで、利便性と安全性が高まり、マイナンバーカードの携帯率向上も期待されています。
また、公的なICチップ読み取り技術を活用した本人確認手段の強化は、行政、医療機関、各種サービス事業者にとって、利便性の向上だけでなく、社会的信頼の確立や安全性の確保にも直結する重要な取り組みです。
当社は、マイナンバーカードの全機能(公的個人認証、券面事項確認、券面入力補助)をiPhoneから読み取れるようにすることで、マイナンバーカードの利用促進と社会実装に貢献します。
■技術対応の概要
myVerifistは、iPhone上に搭載したマイナンバーカードの情報を、キャッシュレス決済兼用の読み取り端末である「Incredist Premium II/III(インクレディスト・プレミアム・ツー/スリー)」とiPadを用いて安全に読み取る技術設計をしています。今回のmdoc規格準拠への技術開発により、第一弾で発表している公的個人認証(参照:「myVerifist」、iPhone上のマイナンバーカード活用第1弾として公的個人認証に対応)に加え、氏名、住所、生年月日などの券面情報の取得にも対応範囲が広がりました。これにより、不動産契約時などで必要とされるマイナンバーカードの券面情報確認にも対応可能となり、厳格な本人確認と業務効率の両立が図れるようになります。
現在、myVerifistは全国のソフトバンクショップや高級宝飾店を扱う店舗で導入されています。今回の機能追加により、iPhoneを用いたマイナンバーカードの全機能読み取りが技術的に可能となり、9月末よりソフトウェアライブラリの提供を予定しています。
店頭での運用開始については、各事業者の準備状況に応じて順次進められる見通しです。

■今後の展望
公的な証明書のスマートフォン搭載がmdoc規格で進む中、当社はその技術要件に早期対応により、デジタルID分野における本人確認の基盤技術を提供して行政DX・医療DXを支える体制を整えました。今後は医療・行政・金融機関などの分野における導入を視野に、誰もがスマートフォン1台で信頼性の高い本人確認を行える社会の実現に向け、デジタル社会の基盤づくりに貢献してまいります。
・「iPhone」「iPad」は、米国およびその他の国で登録された Apple Inc.の商標です。
*1 当社調べ、2025年8月時点
*2 mdoc:Mobile Driving Licence等を含むISO/IEC 18013-5
*3 引用元:2025年5月23日付に警視庁が広報資料として公表/hurikomesagi_toukei2024.pdf
■フライトソリューションズについて:https://www.flight.co.jp
フライトソリューションズは、2010年9月に日本で初めてiPhoneを用いたクレジットカード決済ソリューションを提供した電子決済ビジネスのリーディングカンパニーです。2013年に自社決済端末「Incredist(インクレディスト)」シリーズ、2021年には国内初のAndroid端末でタッチ決済を実現する「Tapion(タピオン)」を展開。オンライン決済および対面決済の両方に対応し、安全性の高い決済プラットフォームを提供する「フライト決済センター」を自社で運営しています。現在はスマートデバイスを活用した本人確認・電子署名・認証ソリューション「myVerifist(マイ・ベリフィスト)」にも注力しています。
■myVerifistについて:https://www.myverifist.com/index.html
マイナンバーカードをはじめとする身分証明書を活用し、電子署名・署名検証・公的個人認証を実現するシンクライアント型ソリューション。身分証明書の読み取り端末となる「Incredist Premium Ⅱ/Ⅲ(インクレディスト・プレミアム・ツー/スリー)」と、操作端末となるiPadを組み合わせ、安全かつ柔軟な本人確認環境を提供します。総務省とデジタル庁の基準に準拠したプラットフォーム事業者認定を取得しており、行政・民間サービスの基盤技術となることを目指しています。
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