スマートフォングローバル市場、出荷台数は6%減少したが、売上は第3四半期の中で過去最高を記録

2021年第3四半期の出荷台数は、前四半期比で6%成長を遂げたが、前年比6%減の3億4,200万台に。

カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (英文名: Counterpoint Technology Market Research 以下、カウンターポイント社)は、2021年第3四半期のスマートフォングローバル市場において、出荷台数は前四半期比で6%成長したが、前年比では6%減の3.42億台となり、売上は第3四半期の中で過去最高を記録したという調査結果を含むMarket Monitor サービスによる最新調査を発表致しました。
前年同期比で市場の出荷台数は6%減少したことは、今も続く世界的な部品不足と、主要市場である中国や欧州の一部における経済回復の遅れが要因となっています。

スマートフォン市場動向に関して、カウンターポイント社リサーチディレクターTarun Pathak氏は次の通り述べています。
「サプライチェーンの問題は、第3四半期に入ると、第2四半期よりさらにシビアになった。世界の半導体不足は、ついに消費者にまで影響を及ぼした。需要と供給のミスマッチにより、スマートフォンに使われる大部分の部品の値段が上がり、一部のスマートフォンメーカーは端末価格を値上げせざるを得なくなった。これにより、特にエントリーセグメントの出荷台数が減少し、成長の足かせとなった。その結果、主に中位~高級機種セグメントが市場における消費者の需要に応え、出荷台数が減少する中で、売上は四半期の記録を樹立した。AppleとSamsungはそれぞれiPhone 13とFoldシリーズで高級機を刷新し、全体における売上の伸びに繋がった。」

スマートフォンOEMメーカー出荷台数(100万単位)

出典: カウンターポイント社 Quarterly Market Monitor, Q3 2021

各社の業績に関して、カウンターポイント社リサーチアナリストAman Chaudhary氏は次の通りコメントしています。
「トップ5社は、部品不足が無ければもっとよい業績になっただろうが、それでもサプライチェーンを適切に管理し、なんとか危機を切り抜けてきた。Samsungは、2021年第3四半期に、前四半期を2割上回る6,900万台を出荷した。ベトナム工場の操業が正常化したことと、新たに投入した折りたたみ型が好調なことが要因となっている。」

スマートフォンOEMメーカー レベニューシェア

出典: カウンターポイント社 Quarterly Market Monitor, Q3 2021

売上動向に関して、カウンターポイント社シニアアナリストHarmeet Singh Walia氏は次の通りコメントしています。
「スマートフォングローバル市場の出荷額は1,000億ドル※(約11兆円)を超え、前年同期比12%増となった。これは、各社がチップセット不足に対処するため、数量は出るが売上が伸びないローエンドスマホより、中位価格帯のスマートフォンを優先し、積極的なプロモーションを行った結果である。また、5G用部品の入手の方が容易だったことから、各社は5G対応機種を積極的に推したことも要因となっている。こうしたことが、顧客にとってはアップグレードの選択肢となり、付加価値の増えた分が売上となった。Appleは売上ベースでスマートフォン市場をリードし、約37%のシェアを獲得した。SamsungはFoldシリーズの発売が好調で、前四半期比で32%の売上成長となった。」


市場サマリー:
  • Appleは2021年第3四半期に4,800万台を出荷し、前年同期比15%増となった。この成長の原動力は最新のiPhone 13の発売と、予想以上に好調なiPhone SE2020による。中国では、OPPO、vivo、XiaomiがHuaweiの抜けた穴を埋められていないため、Appleは中国高級機セグメント市場の攻略を継続している。
  • Xiaomiは2021年第3四半期に4,440万台を出荷した。同社は今も続く部品不足の影響を大きく受け、前年同期比5%減、前四半期比15%減の結果となった。この結果、2021年第2四半期には16.25%あった世界市場シェアは12.9%まで低下した。中国国内ではXiaomiの出荷は前四半期比15%減少し、第三位の座をHONORに明け渡した。
  • OPPO† は前年同期比23%成長し、シェアは11.1%、出荷台数は3,810万台に達した。400~599米ドルと600~799米ドルの価格帯で出荷が伸びた。これはReno 6シリーズ、Find X3、それにOnePlus 9シリーズの出荷が好調だったためである。OPPOの業績が堅調なのは、世界市場でのプレゼンスを高める積極的な戦略によるもので、特に中南米、中東、北欧に注力している。インドでは、OnePlusが2021年第3四半期に前年同期比で55%もの成長を果たした。OnePlus Nordシリーズが貢献した。インドにおけるOnePlusの出荷は、この四半期に過去最高となった。
  • vivoは前年同期比9%、前四半期比4%成長し、今四半期のシェアは9.8%となった。Vivoは、2021年第3四半期も、引き続き中国国内市場のリーダーで、1,700万台以上を出荷した。この目覚ましい業績は、Yシリーズの好調な販売をベースに、S10とX70シリーズ発売の成功が業績を上積みした。同社は中南米や欧州でのプレゼンスを高める努力も続けている。
  • Huaweiの出荷はさらに落ち込み、前年同期比で84%減の580万台となった。主要部品の不足が響いた形であり、ターゲット顧客を増やすため、P50シリーズの4G版も中国で発売した。しかし、米国のHuaweiに対する制裁措置に変化がないため、同社の業績は低下し続けるだろう。
  • HONORの出荷は前四半期比で73%増加した。これは中国の市場回復によるもので、Honor 50とHonor Play 20の発売が成功したこともあり、2021年第3四半期には中国国内第3位となった。しかし中国国外への出荷は減少が続いた。
  • realmeは過去最高となる1,600万台を2021年第3四半期に出荷した。8シリーズの好調が続いているうえに、新発売したNarzoシリーズも好調だった。同社は、引き続き、中南米や欧州でのプレゼンスを高めている。出荷記録は、部品不足が最も深刻だった時期に達成したものである。

*注: 売上はメーカー卸値ベース。
†注: OPPOの2021年第3四半期の数字にはOnePlusを含む。

カウンターポイント社では、四半期ごとにData Sectionを更新しており、下記の通り、グローバル、米国、中国、インド市場におけるスマートフォンシェアに関するデータを掲載しています。
【カウンターポイント社概要】
Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/

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会社概要

URL
https://www.counterpointresearch.com/
業種
情報通信
本社所在地
20F Central Tower, 28 Queen’s Road Central, Hong Kong
電話番号
-
代表者名
Kyungsoo Kang
上場
未上場
資本金
550万円
設立
2012年05月