医師向けにNIPT研修会を開催しました 最新情報と実践的な知識を共有
クリニックの先生方が集い、NIPTの知見を深めた特別な一日
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2025年2月13日、株式会社HUMEDIT主催でNIPT(新型出生前診断)の勉強会が開催されました。15のクリニックから18名の先生方にご参加いただき、最新の研究データや診療現場での実際の症例についてお伝えさせていただきました。今回は、勉強会の内容を振り返り、その学びと気づきをまとめました。
1. NIPTの受験者年齢層と疾患別の有病率
NIPTを受験する方の年齢層について最新データをもとに解説が行われました。高齢妊娠の増加に伴い、30歳を目途に増加傾向にあることが示され、39歳付近がピークを迎えます。また、実際の出生データをもとに、トリソミー21(ダウン症候群)、トリソミー18、トリソミー13に関するNIPTの有病率についても詳しく説明されました。
トリソミー21・18・13の実際の有病率
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トリソミー21(ダウン症候群):0.27%
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トリソミー18(エドワーズ症候群):0.07%
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トリソミー13(パトウ症候群):0.03%
これらを合計すると、有病率は0.37%となります。
2. NIPTと羊水検査による陽性的中率の実際
NIPTによる陽性的中率は全体で79.4%でした。各トリソミーの詳細は以下の通りです。
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トリソミー21:92.0%
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トリソミー18:65.1%
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トリソミー13:41.2%
頻度が高い疾患ほど陽性的中率が高い傾向が見られました。
3. その他の染色体異常についての知見
その他のトリソミー
通常の3大トリソミー(21、18、13番染色体)以外にも、染色体異常は一定の頻度で発生します。HUMEDITのデータによると、全体の有病率は0.18%~0.22%であり、以下の染色体に関連する異常が多く報告されています。
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トリソミー7:発生率が比較的高いものの、生存に至るケースは稀で、多くは妊娠中に自然流産となります。
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トリソミー15:精神発達遅滞や筋緊張低下が主な症状として見られることがあり、出生後の発達に影響を及ぼします。
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トリソミー16:ほとんどのケースで妊娠早期に流産するものの、モザイク型の場合は生存の可能性があります。
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トリソミー20:出生後の影響は比較的軽度とされますが、発育や学習に影響が出る場合があります。
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トリソミー22:エマヌエル症候群の原因となる場合があり、心臓奇形や発達遅滞が特徴です。
これらの異常は、染色体の構造的な変化によって引き起こされ、母体の年齢に依存せず発生する可能性があります。
微小欠失症候群・微小重複症候群
染色体の微小な部分が欠失または重複することで発生するこれらの症候群は、通常の染色体検査では検出が難しい場合がありますが、NIPTではこれらの異常を比較的早期に発見できる可能性があります。
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発生の特徴:母体年齢に関わらず発生するため、若年層においてもリスクが存在します。
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代表的な疾患:ディジョージ症候群(22q11.2欠失症候群)
・発生率:約1/4000
・主な症状:免疫不全、心疾患、発達遅滞、口蓋裂など
・近年の医療技術の進歩により、寿命が50歳を超える例が増加しています。
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微小重複症候群:重複とは逆に染色体の一部が余分に複製されることで発生し、発達遅滞や学習障害などの症状がみられる場合があります。
性染色体異数性とその有病率
性染色体に異数性が生じることで、性別の発達や身体的特徴に影響を及ぼすことがあります。HUMEDITのデータによると、性染色体異数性の陽性的中率は78.8%で、比較的高い精度で検出できています。
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ターナー症候群(XO):X染色体が1本欠失することで発生し、低身長や卵巣機能不全が特徴です。
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クラインフェルター症候群(XXY):男性に発生しやすく、体毛の少なさや精子形成障害が見られます。
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トリプルX症候群(XXX):女性に発生し、知的発達の遅れが軽度に見られる場合があります。
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ジャコブ症候群(XYY):男性に発生し、平均より身長が高くなる傾向があります。
性染色体異数性は、他の染色体異常に比べて出生後まで気づかれにくいことがあり、出生前診断における早期発見の重要性が示唆されています。
4. 珍しい症例とキャリアスクリーニングの重要性
珍しい症例
勉強会では、NIPTにより、トリソミー22(エマヌエル症候群)の染色体異常が発覚した実例が紹介されました。NIPTが稀な染色体異常を早期に発見することにも有効であることが確認されました。
キャリアスクリーニング検査の必要性
劣性遺伝子は、特定の遺伝的疾患に関連して100人に1人が保有していると言われています。検査で100種類の遺伝子を調べると、多くの人が1つ以上の劣性遺伝子を持っている可能性が高くなります。これは、異なる遺伝子を複数調べることで、遺伝的リスクが見つかる確率が上がるためです。将来のリスクを事前に把握するためにも、キャリアスクリーニングの活用が推奨されます。
NIPTの理解を深め、より良い医療を提供するために
今回の勉強会には全国15のクリニックから18名の先生方にご参加いただきました。最新データの共有や臨床経験の発表を通じて、NIPTに関する理解が深まる有意義な機会となりました。HUMEDITでは今後も定期的に勉強会を開催し、NIPTの正確な知識と検査の有用性を広めてまいります。
ヒロクリニックについて
ヒロクリニックはNIPTの検査実績が60,000件以上(※1)あり、検査結果を2〜8日前後でお届けしています。ヒロクリニックのNIPT検査は国内で行っており、結果報告率が99.98%となっています。国内検査なので、これまでに検体輸送時の破損発生や輸送遅延による検体エラーの報告例がありません。
日本の主要都市で展開をしているヒロクリニックでは産婦人科専門医、臨床遺伝専門医、小児科専門医、精神科専門医など各種専門医が協力し診療にあたっております。各院はネットワークでつながっており、各専門医が、妊婦さんのさまざまな質問にお答えすることが可能です。
実際に出産した後は産婦人科の医師ではなく、小児科の医師が対応することが多いため、小児科医の意見を聞くことによってより幅広い知見を得ることができます。
また、これまでのNIPT検査に加えてキプロスのMedicover Genetics社と業務提携をし、微小欠失症候群の検出、228種類の単一遺伝子疾患の検出を行うことができるようになりました。微小欠失症候群の検出は国内で行われているところがないので、株式会社HUMEDITが運営している東京衛生検査所がその分野でのパイオニアとなり、ヒロクリニックで検査を受検できるように連携しております。
・60,000人(※1)が選んだヒロクリニックNIPTの検査
・お近くの医療機関で検査可能!全国連携クリニック拡大中!
・専門医による診療や遠隔診療を実施
・採血以外は自宅で完結
・気軽に相談できるコールセンター完備
・採血後、2日~8日前後で結果をメールでお知らせ
・特急便なら2~3日以内(最短2日)で結果をお届け
・東京衛生検査所で行う安心の国内検査
(※1)【調査概要】
・調査期間 :2020年6月~2025年1月
・調査機関(調査主体): 東京衛生検査所
・調査対象 :当院にてNIPT(新型出生前診断)検査を受けた19歳〜51歳
・有効回答数(サンプル数): 約60,000
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医療法人社団福美会 ヒロクリニックNIPT
URL:https://www.hiro-clinic.or.jp/nipt/
電話番号:0120-16-9629
MAIL:nipt@hiro-c.net
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