ZEB関連技術実証棟「SUSTIE」が「第62回空気調和・衛生工学会賞 技術賞」を受賞
竣工後3年間の省エネ、快適性・健康性に関する定量的性能分析結果が高い評価を獲得
三電機株式会社と株式会社三菱地所設計、学校法人早稲田大学、株式会社弘電社は、「ZEB関連技術実証棟『SUSTIE』の環境・整備計画」が、公益社団法人 空気調和・衛生工学会が主催する「第62回空気調和・衛生工学会賞 技術賞」(建築設備部門)を5者共同で受賞(※1)しましたのでお知らせします。受賞業績は、「SUSTIE®(サスティエ)」(※2)の建設計画から竣工後3年間の運用評価までをまとめたもので、中規模オフィスビルにおいて省エネと快適性・健康性を両立した設計や、当実証棟で開発・実証されたZEB関連技術が高く評価され、今回の受賞に至りました。
■「空気調和・衛生工学会賞 技術賞」の概要と評価内容
空気調和・衛生工学会賞は、空気調和、衛生、環境、エネルギーなどに関する工学領域における学術団体の公益社団法人 空気調和・衛生工学会が、学術と技術の進歩を図る目的で、毎年会員の論文、設備技術の業績などの中から優れたものを表彰するものです。今回「SUSTIE」が受賞した同賞の技術賞(建築設備部門)は、建築設備または環境設備関連施設の計画・設計・施工・運用において、技術を巧みに調和させた作品としての価値が認められる業績を表彰するものです。
受賞にあたっては、以下の5つの点が高く評価されました。
1. 中規模オフィスビル(延床面積約6,500㎡)において、『ZEB』(※3)(設計BEI(※4)=-0.06、実績BEI=-0.15〔1年目〕、-0.16〔2年目〕)を達成
2. 自然通風を取り込む開口の設置、庇による直射遮蔽などの建築的な工夫(パッシブデザイン)と、高効率な設備機器の導入(アクティブデザイン)を組み合わせた設計
3. ZEB向け高効率ビル用マルチエアコンと汎用型のパッケージ方式の空調機の導入に加え、共用部の設計条件の緩和により空調設備容量を約4割低減
4. 快適性の向上や利用者の健康増進を計画するとともに、入居前後の光・温熱・空気などの環境満足度を調査し良好な結果を取得、『ZEB』とWELL認証(※5)「プラチナ」取得の両立を実現
5. 快適性を維持しながら一次エネルギー消費量を最小化するビル設備の運転計画立案技術を開発。立案した計画でビル設備を1年間運転させ、設計BEIを上回る実績BEIを達成。さらに、ABW(※6)オフィスの利用者が好みの温熱環境を選べるようにするため、在席者位置と室温の表示システムを導入
■今後の予定
引き続き「SUSTIE」を運用しながら省エネ、および健康増進と生産性向上の効果検証を進めるとともに、ビルのカーボンニュートラルやオフィス利用者のウェルビーイングに貢献する新たな実証に取り組んでいきます。
■各者の役割
三菱電機株式会社 | 計画・開発・評価・検証 |
株式会社三菱地所設計 | 計画・設計・監理・検証 |
田辺 新一 教授(早稲田大学) | 評価・検証 |
株式会社弘電社 | 施工 |
三菱電機冷熱プラント株式会社 | 施工 |
■商標・特許関連
商標 | SUSTIE | 三菱電機株式会社の登録商標です。 |
※1 三菱電機株式会社、株式会社三菱地所設計、田辺 新一教授(早稲田大学)、株式会社弘電社、三菱電機冷熱プラント株式会社
※2 三菱電機の情報技術総合研究所(神奈川県鎌倉市)に2020年竣工したZEB関連技術実証棟
※3 年間の一次エネルギー収支がゼロまたはマイナスの建築物。国内のZEB定義における最高ランクの評価
※4 基準一次エネルギー消費量に対する、設計/実績一次エネルギー消費量の割合。設計は設計図をもとにエネルギー消費性能計算プログラム(非住宅版)で算出し、実績は実測値をもとに算出
※5 建物内で働く人たちのウェルビーイング(身体的、精神的、社会的に良好であること)に影響を与えるさまざまな機能に対する第三者認証で、プラチナはその最高評価
※6 Activity Based Working:その時々の仕事の内容に合わせて、働く場所を自由に選択する働き方
<お客様からのお問い合わせ先>
三菱電機株式会社 情報技術総合研究所
https://www.MitsubishiElectric.co.jp/corporate/randd/inquiry/index_it.html
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