『役員報酬サーベイ(2017年度版)』の結果を発表
東証一部上場企業の社長の報酬総額中央値は5,435万円。回答企業の41%が株式関連報酬を採用し、多様な株式関連報酬の導入が進む。
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社(本社:東京都千代田区 代表執行役社長:近藤聡)は、日本企業における役員報酬の水準、役員報酬制度の導入およびコーポレートガバナンスへの対応状況の実態調査『役員報酬サーベイ(2017年度版)』を実施し、結果をまとめましたのでお知らせします。
本サーベイは2002年以降実施している日本最大級の調査で、今年度は2017年8月~11月にかけて、三井住友信託銀行株式会社と共同で実施し、東証一部上場企業を中心に514社から回答を得ました。
本サーベイは2002年以降実施している日本最大級の調査で、今年度は2017年8月~11月にかけて、三井住友信託銀行株式会社と共同で実施し、東証一部上場企業を中心に514社から回答を得ました。
【調査結果のサマリーとポイント】
■報酬水準
東証一部上場企業の社長の報酬総額水準の中央値は、5,435万円。また、社外取締役(グループ会社外から招聘)の報酬総額水準は中央値で720万円。
■インセンティブ
41%の企業が何らかの株式関連報酬を既に導入している。個別制度ごとに見ると、「現在導入中」「導入検討中」「今後導入したいが詳細未検討」と回答した企業数は、「ストックオプション制度」が142社、「譲渡制限付株式(リストリクテッド・ストック)」が145社、「株式交付信託」が137社、「パフォーマンス・シェア」は62社となり、多様な株式関連報酬の導入が進んでいる。
これまで税制面での制約があったインセンティブ報酬について、2016年、2017年に役員給与の税制改正が行われ、業績連動給与(旧:利益連動給与)などインセンティブ報酬設計の柔軟性を高めることが可能となりました。また、会社法上、役員に報酬として株式を直接交付することが難しかったところ、金銭報酬債権を現物出資する方法を用いて、パフォーマンス・シェアや譲渡制限付株式といった株式関連報酬を導入する手続きが整理されました。これにより、多くの企業で株式関連報酬の導入を含めた大幅な役員報酬制度の見直しが進められています。
【『役員報酬サーベイ(2017年度版)』の調査結果】
■役位別報酬総額の水準
*7:権利行使価格が極めて低い価格(1円等)に設定され、実質的に譲渡制限付株式を付与するのと同様の効果が得られるストックオプション制度
*9:「長期インセンティブに関連付けられる業績指標の有無」で「あり」を選択した38社の回答
【調査概要】
調査期間: 2017年8月~2017年11月
調査目的: 日本企業における役員報酬の水準、役員報酬制度やガバナンス体制、コーポレートガバナンス・コードへの対応状況等の現状に関する調査・分析
参加企業数: 514社(集計対象役員総数 9,182名)
上場企業499社(うち東証1部334社)、非上場企業15社
参加企業属性: 製造業246社(うち電気機器・精密機器51社、機械43社、医薬品・化学42社 等)、非製造業268社(うちサービス58社、情報・通信49社、卸売49社 等)
<役員報酬サーベイ(2018年度版)について>
2018年度の役員報酬サーベイは、2018年8-9月頃の募集開始を予定しています。詳細が確定しましたら、別途当社Webページにてご案内します。なお、調査協力企業にはサーベイ結果リポートの詳細版(今年度は250ページ超)を提供する予定です。
<役員報酬制度改革に関するサービスのご案内>
役員報酬制度に関する専門チームが、企業価値向上に向けたコーポレートガバナンス強化とアカウンタビリティ等を実現する仕組み作りをご支援致します。詳細は以下のWebページをご覧ください。
■役員報酬制度改革 役員報酬サーベイを活用し、役員制度改革を実現
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/human-capital/solutions/hcm/executive-compensation.html
■報酬水準
東証一部上場企業の社長の報酬総額水準の中央値は、5,435万円。また、社外取締役(グループ会社外から招聘)の報酬総額水準は中央値で720万円。
■インセンティブ
41%の企業が何らかの株式関連報酬を既に導入している。個別制度ごとに見ると、「現在導入中」「導入検討中」「今後導入したいが詳細未検討」と回答した企業数は、「ストックオプション制度」が142社、「譲渡制限付株式(リストリクテッド・ストック)」が145社、「株式交付信託」が137社、「パフォーマンス・シェア」は62社となり、多様な株式関連報酬の導入が進んでいる。
これまで税制面での制約があったインセンティブ報酬について、2016年、2017年に役員給与の税制改正が行われ、業績連動給与(旧:利益連動給与)などインセンティブ報酬設計の柔軟性を高めることが可能となりました。また、会社法上、役員に報酬として株式を直接交付することが難しかったところ、金銭報酬債権を現物出資する方法を用いて、パフォーマンス・シェアや譲渡制限付株式といった株式関連報酬を導入する手続きが整理されました。これにより、多くの企業で株式関連報酬の導入を含めた大幅な役員報酬制度の見直しが進められています。
【『役員報酬サーベイ(2017年度版)』の調査結果】
■役位別報酬総額の水準
- 東証一部上場企業334社における報酬総額の水準は、中央値で社長5,435万円、専務3,780万円、常務3,009万円、取締役・執行役員2,042万円、社外取締役(グループ会社外から招聘)720万円となった。【図1】
■インセンティブ報酬
- 短期インセンティブ報酬を採用している企業の割合は68%(352社*1)あり、その中で採用している短期インセンティブ報酬の種類は、前年の業績等に応じて翌年の定期同額給与*2に反映する「変動報酬の固定報酬化*3」が36%、「事前確定届出給与*4」が14%、「業績連動給与*5」が21%となり、「損金不算入型の賞与」は51%となった。特に「変動報酬の固定報酬化」を導入している企業の割合が増加した。
- 長期インセンティブ報酬を採用している企業の割合は41%(213社*6)あり、その中で採用している長期インセンティブ報酬の種類は、「ストックオプション」が47%、「株式報酬型ストックオプション*7」が38%、「譲渡制限付株式(リストリクテッド・ストック)」が6%、「株式交付信託(信託の設定による株式付与)」が24%となった。【図3-1】
*7:権利行使価格が極めて低い価格(1円等)に設定され、実質的に譲渡制限付株式を付与するのと同様の効果が得られるストックオプション制度
- 株式関連報酬はいずれの種類も今後導入を検討する回答があり、特に「譲渡制限付株式(リストリクテッド・ストック)」「株式交付信託(信託の設定による株式付与)」「パフォーマンス・シェア」の導入が進むと見込まれる。【図3-2】
- 役員評価制度を導入している企業は、全参加企業514社の18%であった。また、明確な評価制度は存在しないものの、何らかの評価基準が存在する企業は31%で、合わせて半数近くの企業において何らかの評価を実施している。
- 社長の短期インセンティブ報酬に関連付けられる経営指標は「売上高(42%)」「営業利益(44%)」「経常利益(31%)」「当期利益(42%)」と売上高および利益が指標として多く用いられている。*8。【図4-1】
- 社長の長期インセンティブ報酬に関連付けられる経営指標は「売上高(32%)」「営業利益(26%)」「経常利益(13%)」「当期利益(34%)」と売上高および利益が指標として多く用いられている。加えて「株価・時価総額(21%)」「ROE(11%)」「ROA(3%)」といった利益関連指標も一定程度採用されている*9。【図4-2】
*9:「長期インセンティブに関連付けられる業績指標の有無」で「あり」を選択した38社の回答
【調査概要】
調査期間: 2017年8月~2017年11月
調査目的: 日本企業における役員報酬の水準、役員報酬制度やガバナンス体制、コーポレートガバナンス・コードへの対応状況等の現状に関する調査・分析
参加企業数: 514社(集計対象役員総数 9,182名)
上場企業499社(うち東証1部334社)、非上場企業15社
参加企業属性: 製造業246社(うち電気機器・精密機器51社、機械43社、医薬品・化学42社 等)、非製造業268社(うちサービス58社、情報・通信49社、卸売49社 等)
<役員報酬サーベイ(2018年度版)について>
2018年度の役員報酬サーベイは、2018年8-9月頃の募集開始を予定しています。詳細が確定しましたら、別途当社Webページにてご案内します。なお、調査協力企業にはサーベイ結果リポートの詳細版(今年度は250ページ超)を提供する予定です。
<役員報酬制度改革に関するサービスのご案内>
役員報酬制度に関する専門チームが、企業価値向上に向けたコーポレートガバナンス強化とアカウンタビリティ等を実現する仕組み作りをご支援致します。詳細は以下のWebページをご覧ください。
■役員報酬制度改革 役員報酬サーベイを活用し、役員制度改革を実現
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/human-capital/solutions/hcm/executive-compensation.html
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