ペットのための防災対策に関する調査

~「同行避難が原則」8割近くが認識しておらず、ペット飼育者への理解浸透に課題~

アイペット損害保険株式会社

アイペット損害保険株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役 執行役員社長:安田敦子 以下、当社)は、犬・猫(以下、「ペット」)飼育者の1,150名を対象に、ペットのための防災対策に関するアンケート調査を実施しました。

今年で6回目となる本調査では、「同行避難」に対する認知・理解度に加え、災害時の迷子対策として有効なペットへのマイクロチップ装着について、義務化から約9カ月が経過した現在の装着率および装着目的の変化に着目した他、自治体等の主導により、各地で実施されている「ペット同行避難訓練」について、参加有無やその目的についても新たに調査しました。

調査結果概要:
●「同行避難が原則」8割近くが認識しておらず、ペット飼育者への理解浸透に課題
●避難生活での心配事は「トイレ」「他人や他のペットとのトラブル」など、犬・猫飼育者共通
●「ペットと同行避難訓練」約9割が未経験、開催情報ペット飼育者へ行き届かず
●ペットのための防災対策をしている飼い主は27.7%、昨年に比べ8.1ポイント増加
●「マイクロチップ装着率」は全体で30.7%、「義務だと感じたから」大幅増で、ペット飼育者の認識に変化が

 

「同行避難が原則」8割近くが認識しておらず、ペット飼育者への理解浸透に課題 

災害の発生時に、飼い主が飼養しているペットを同行し、指定緊急避難場所まで避難すること

ペットと同行・同伴について文章を提示し、それが「同行避難」「同伴避難」どちらを示しているかを尋ねたところ、「同行避難」を正しく理解していた割合は、半数以上となる54.5%となりました。昨年(51.9%)と比べ2.6ポイント増加しましたが、それが、「原則であることを知っているか」の問いに対しては、「知っている」と回答した割合は23.5%にとどまりました。依然8割近くが「同行避難が原則」であることを認識しておらず、ペット飼育者への理解浸透に課題を感じる結果となりました。​

最寄りの避難場所ペットの受入れ体制「知らない」約8割を占める

続いて、「最寄りの指定避難所のペットの受入れ体制」を尋ねたところ、ペットの受入れ体制を知らないペット飼育者が約8割を占めました。

一方で、「災害発生時、近隣避難所のペット受入れ可否が不明でも、(安全を確保の上)まずは、近隣避難所へ「ペットと同行避難」するか」の問いに対しては、「同行避難する」と回答した方の割合は83%に上りました。その理由では、「ペットを置いていくのが不安なため」が最多で、自由回答では「ペットは家族のため」というコメントが多くよせられました。

なお、「災害発生時、ペットと同行避難が推奨されていることを知っているため」を選択した方の割合は、犬飼育者が20.0%、猫飼育者が14.3%(複数回答)でした。

避難生活での心配事は「トイレ」「他人や他のペットとのトラブル」など、犬・猫飼育者共通

続いて、「ペット受入れ可能な避難所に求めるものは何か」を尋ねたところ、「ペットと飼い主が一緒に過ごせる同伴専用スペース設置」「ペット用物資の配給」「ペット専用スペース設置」があがり、犬・猫飼育者共通の要望が上位を占めました。

また、「ペットと一緒に避難生活を送ることを想定した場合のペットに関する心配事」についての問いに対しては、「慣れない場所でのトイレ」が最多で、特に猫飼育者は、70.9%(複数回答)にものぼりました。次いで「他人や他のペットとのトラブル」「体調不良」があがっており、避難生活における心配事は、犬・猫飼育者共通のようです。

ペットと同行避難訓練約9割が未経験、開催情報ペット飼育者へ行き届かず
次に、「自治体などが実施する「ペットと同行避難訓練」に参加したことはあるか」を尋ねたところ、参加経験者の割合は12.2%で、約9割が参加したことがないという回答となりました。特に、室内飼育が推奨される猫飼育者の参加率は1割にも満たず、「在宅避難」という選択肢への意識が強いことが予想されます。

参加したことがない理由としては、「実施していることを知らなかったため」が最多となった他、「興味がないため」との回答も6.8%(複数回答)ありました。今年度は、環境省より受入れ態勢整備を推進する自治体支援の一環としてペットの同行避難訓練を実施することが発表されており、各地でも開催情報の報道がされておりますが、その情報がペット飼育者まで行き届いてない可能性もあるようです。

続いて、未経験者に対し「今後、ペットと同行避難訓練に参加したいと思うか」を尋ねたところ、「参加したい」と回答したペット飼育者は、約6割にのぼりました。理由では「災害発生時にスムーズに同行避難するため」が最多で、次に「避難所を確認しておきたいため」「実際の避難所での生活イメージを把握しておきたかったため」が続いており、円滑な同行避難に対する意識の高まりを感じる結果となりました。前述のとおり、開催情報をどのようにして得るのかが課題となりそうです。

ペットのための防災対策をしている飼い主は27.7%、昨年に比べ8.1ポイント増加
続いて、「災害を想定して、ペットに関する防災対策を何かしているか」を尋ねたところ、なにかしらの対策をしているペット飼育者の割合は27.7%で、昨年(19.6%)と比較して、8.1ポイント増加しました。

犬飼育者の回答では「「待て」や「おすわり」など基本的なしつけができている」、猫飼育者の回答では「普段からクレートやゲージに入ることに慣れさせている」が最多となりました。また、災害時の迷子対策として有効な「マイクロチップの装着」(20.1%)については、昨年(15.1%)と比較して5ポイント程度増加しており、昨年6月の義務化を受け、災害対策としても装着意識が高まったことが予想されます。

続いて、「ペットのために現時点で備えている防災グッズ」を尋ねたところ、犬・猫飼育者ともに昨年と同様「フード(おやつ含む)・飲料水」「トイレ用品(猫砂を含む)」が上位となりました。次に多かったのは、犬飼育者は「リード」、猫飼育者は「ケージやクレート」でした。

自由回答では、「おむつ、うんち袋、給水器」「ペットを入れるリュック」などの声もあがりました。

「マイクロチップ装着率」は全体で30.7%、「義務だと感じたから」大幅増で、ペット飼育者の認識に変化
次に、「マイクロチップの装着有無」についても尋ねたところ、装着率は全体で30.7%となり、昨年(23.8%)に比べ6.9ポイント増加しました。また、猫飼育者の回答割合は、昨年(15.3%)と比べ増加しておりますが、依然、犬飼育者の約半分にとどまっており、装着していない割合は8割近くなっています。

装着理由の中で、昨年(20.2%)から大幅に増加をしたのは、「装着を義務だと感じたから」(30.9%)で、昨年6月の義務化を受け、ペット飼育者の装着意識に変化を感じる結果となりました。

続いて、「装着していない」と回答した方を対象に、今後装着の可能性を尋ねたところ、「検討する」(47.6%)と回答した割合が約半数となり、こちらも昨年(35.2%)と比較して大きく増加しました。

また、「検討しない」理由では、犬・猫飼育者とも、「痛そう、かわいそうだから」が最多で、昨年トップだった「必要性を感じない」と順位が入れ替わり、こちらも、装着義務化の影響を感じる結果となりました。その他自由回答では、ペットの高齢や体調を気づかう声が多数あがりました。

近年の台風や大雨の際には、緊急時にペットにまで配慮した対応をする余裕がない場合も多く、
ペットと同行避難した人が指定避難所に入れない事態となった例が、メディアなどでも取り上げられました。

環境省では各自治体向けにペットの受入れ態勢などについてのチェックリストを作成し、「同行避難」への態勢整備や周知などを強化しており、今年度は、各地で自治体等が主導するペットを連れた同行避難訓練が行われています。受入れ側の受入態勢整備の確認も目的となっており、このような取組みを通じて、ペット飼育者、受入れ側双方で防災意識を高めていくことが大切といえるでしょう。一方で今回の調査でも、依然8割近くがペットと「同行避難が原則である」ことを認識しておらず、ペット飼育者への理解・浸透という点については課題を感じる結果となりました。

ペット保険事業を展開する当社では、独自の「ペットと人のSDGs」に基づき、重点課題「ペットと共に安全に」「全ての命に愛を」への取組みの一環として、動物愛護に関する連携協定を結ぶ青森県と共に、2020年5月、ペットの防災に関する情報サイトを立ち上げました。さらに、2021年2月には、県民参加型の災害対策オンラインプロジェクトを始動し、災害時にペットと一緒に安全に避難するための避難所情報を共有するための「避難所マップ」をウェブ上で公開しております。マップ上では、ペットと一緒に避難できる同伴避難が可能な避難所など、県内にあるすべての避難所を確認することができ、災害時にはペットと共に安全な避難行動を円滑に行える仕組みづくりを推進しています。

万が一の時に大切なペットを守れるよう、日ごろから災害に対する備えを万全にするとともに、有事の際にペットとどのような行動をとるべきかなどを考えておく必要があるといえるでしょう。

アイペットでは今後も、ペット保険の提供を通じ、「ペットと人とが共に健やかに暮らせる社会」を目指して、より一層の努力を続けてまいります。

■過去の調査結果
ペットのための防災対策に関する調査(2022年)
https://www.ipet-ins.com/info/30521/

■ペットの防災コンテンツ
青森県の避難所情報を共有
「みんなで作る!人とペットの避難所MAP FOR AOMORI」
https://www.ipetclub.jp/fun/aomori-bousai/map/

■調査概要
調査対象:全国の犬・猫飼育者
調査人数:男女1,150名
調査期間:2023年2月15日~16日
調査方法:インターネットによるアンケートを実施
                
■会社概要
商     号  : アイペット損害保険株式会社
代 表 者  : 代表取締役 執行役員社長 安田敦子
所 在 地  : 〒135-0061 東京都江東区豊洲5-6-15 NBF豊洲ガーデンフロント
設     立  : 2004年5月
事業内容 : 損害保険業
資 本 金  : 4,619百万円(2022年3月31日現在)
U   R   L : https://www.ipet-ins.com

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

アイペット損害保険株式会社

15フォロワー

RSS
URL
https://www.ipet-ins.com/
業種
金融・保険業
本社所在地
東京都江東区豊洲五丁目6番15号 NBF豊洲ガーデンフロント6F
電話番号
-
代表者名
安田敦子
上場
-
資本金
46億1900万円
設立
2004年05月