ゼロボードと日鉄ソリューションズ、金融機関向け投融資先GHG算定サービスの共同開発を開始
■金融機関を取り巻く脱炭素の状況
日本政府は2050年までにカーボンニュートラルの実現を目指すことを宣言しています。各業界で対策が始まる中、金融機関においては顧客企業のGHG排出量(金融機関におけるScope3:Financed Emissions/ファイナンスドエミッション)が金融機関経営の健全性にも影響し得ることから、その算定と管理が重要とされています。また、国際的なパートナーシップであるPCAF(Partnership for Carbon Accounting Financials/金融向け炭素会計パートナーシップ)は、Financed Emissionsの算定方法であるPCAFスタンダードを公表。金融機関はPCAFスタンダードに準じた算定が求められており、顧客企業のGHG排出量の算定・データ収集および削減施策の検討などに工数を割かなければならない状況です。
■共同開発の内容
このような背景から当社とNSSOLは2022年7月から金融機関の投融資先のGHG排出量算定支援について検討を重ねてまいりました。そしてこの度、金融機関投融資先向けのPCAFスタンダードに基づくGHG排出量Financed Emissionsの算定と開示を支援するソリューションを、2024年5月リリースを目標に共同開発を開始することとなりました。
両社が協業することにより、NSSOLの長年金融機関へシステム提供をしてきた知見と、当社のソフトウェア開発技術および脱炭素領域における専門的知見とコンサルティング力を組み合わせ、既存の金融機関システムとの連携による効率的な排出量可視化支援を進めます。
■ソリューションの概要と特長
本サービスは、GHG排出量算定・可視化ツールである「Zeroboard」上に金融機関向けのFinanced Emissions算定機能を共同開発することでお客様に提供します。また本サービスは、企業の開示情報など信頼性の高いマーケットデータと連携が可能なだけでなく、「Zeroboard」で収集企業の実績値(一次データ)を収集することが可能です。そのため、PCAFが定めるデータクオリティスコアにおいて高スコアのデータを用いた算定を実現します。
Financed Emissions算定には、投融資先のGHG排出量情報のほかに、ビジネスローンや株式・社債などのアセットクラス毎の残高、取引先毎の投融資残高、投融資先の時価総額など様々な情報が必要になります。このような情報は一つにまとまっているケースは少なく、複数の部署やシステムにまたがって管理されており、情報の収集・集約に現状多大な時間と手間をかけています。
本サービスは今後Financed Emissions算定を継続的に取り組むために必要不可欠となる、各金融機関のFinanced Emissions算定のシステム化と、その既存システムとの連携強化を支援します。各金融機関に向け、本サービスの利用を通じたデータ収集・推計に関する業務効率化を進めるとともに、算定対象範囲の変化、排出原単位の見直し、算定プロセスの内部統制への対応にも迅速・柔軟に対応可能なサービスを提供します。
■各社のコメント
日鉄ソリューションズ株式会社 金融ソリューション事業本部 事業本部長 前原 卓己氏
2015年のパリ協定以降、国内外で環境・社会課題解決に向けてサステナブルファイナンスやGHG排出量に関する規制強化の動きが見られます。投資家の目線としても、近年では企業価値を図る際に従来のような財務情報だけではなく、むしろ投資先企業がどの程度環境に配慮しているか、といった非財務情報を重視するようになってきたと感じております。こうした中、金融機関は自身が実行した投融資先に対してのGHG排出量を計測実行するだけでなく、投融資先が脱炭素に向けた取り組み行うように働きかける必要があり、従来以上に金融機関のおける社会的役割と責任は大きくなっていうと考えております。今回、ゼロボード様と協業することでそれぞれのノウハウを活用し、金融機関に対し投融資先のGHG排出量の分析・管理を可能にすることで、脱炭素化への取り組みを強化していくことを目指します。
株式会社ゼロボード 代表取締役 渡慶次 道隆
金融機関様には、単に多排出産業への投融資を削減することではなく、それら産業のトランジションをサポートすることを通じ、Financed Emissionsを低減することが期待されています。それは、多排出産業のカーボンニュートラル達成が見込まれる2050年ごろまで続く、長い取り組みになると考えられます。当社は、ユーザとなる金融機関様にとって、その算定負荷を少しでも削減し、カーボンニュートラルへ向けた本質的なアクションをとるためのダッシュボードとなるべく、本ソリューションの開発に着手いたします。この度、その重要なプロジェクトに、金融機関向けのソリューション開発で豊富な実績をもつ日鉄ソリューションズ様、NSフィナンシャルマネジメントコンサルティング様と共同で取り組むことができることを、大変嬉しく思うとともに、グローバルで最高水準のソリューションを構築できることを確信しております。
当社は今後も脱炭素における顧客の課題とニーズに寄り添いながら脱炭素経営を技術と知見で支えるとともに、日本のカーボンニュートラル実現に貢献してまいります。
■会社概要
社名:日鉄ソリューションズ株式会社(https://www.nssol.nipponsteel.com/)
所在地:東京都港区虎ノ門一丁目17番1号 虎ノ門ヒルズビジネスタワー
代表者:代表取締役社長 玉置 和彦
設立:1980年10月1日
事業内容:経営及びシステムに関するコンサルテーション/情報システムに関する企画・設計・開発・構築・運用・保守及び管理/情報システムに関するソフトウェア及びハードウェアの開発・製造並びに販売及び賃貸/ITを用いたアウトソーシングサービスその他各種サービス
社名:NS フィナンシャルマネジメントコンサルティング株式会社(https://www.nsfmc.com/)
所在地:東京都港区虎ノ門一丁目17番1号 虎ノ門ヒルズビジネスタワー21 階
代表者:代表取締役社長 杉本 好正
設立:2007年4月25日
事業内容:金融関連コンサルティング/金融サービス開発
社名:株式会社ゼロボード|Zeroboard Inc.(https://zeroboard.jp)
所在地:東京都港区三田三丁目5-27 住友不動産三田ツインビル西館10階
代表者:代表取締役 渡慶次 道隆
設立:2021年8月24日
事業内容:GHG(温室効果ガス)排出量算定・可視化ソリューション「Zeroboard」の開発・提供/サステナビリティ経営に関するコンサルティング/ユーザーコミュニティ「All Aboard!」の運営
【Zeroboardとは】
「Zeroboard」は、GHG(温室効果ガス)排出量算定・開示・削減までを支援するソリューションです。国内外のサプライチェーン排出量、製品別・サービス別の排出量(カーボンフットプリント:CFP)をクラウドで算定・可視化するほか、削減貢献量や水資源などの登録も可能で、各種レポートの出力にも対応。算定を入り口として、ユーザー企業の課題に合わせたGHG削減ソリューションを提供することで、企業の脱炭素経営を支援しています。
「Zeroboard」をベースに業界特有の機能を備えたプロダクトとして、建設業界向け「Zeroboard construction」、物流業界向け「Zeroboard logistics」を開発し、提供を始めています。また、欧州電池規則対応向けソリューション「Zeroboard for batteries」も展開中です。
※zeroboard construction、zeroboard logistics、All Aboard!は、株式会社ゼロボードの登録商標です。
【採用強化中】
脱炭素社会に向けたサービス構築を一緒に進めていくメンバーを募集しています。ビジネス、エンジニア、コーポレートなど募集ポジションは多岐にわたります。新しいオフィスで一緒に働きませんか?私たちのビジネスやプロダクト、チームにご興味をお持ちの方はぜひお問い合わせください。
【企業向けウェビナー開催中】
当社では、脱炭素経営のための企業向けウェビナーを毎月開催しています。国内外の脱炭素の最新動向や、「Zeroboard」の活用方法などを解説しておりますので、ぜひお申し込みください。詳しくは当社ホームページのイベントページをご覧ください。
【本件に関するお問合せ先:株式会社ゼロボード】 Zeroboardの導入について(セールス&マーケティング本部)/sales@zeroboard.jp 採用について(人事部)/recruit@zeroboard.jp 報道やご取材について(広報)/pr@zeroboard.jp |
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