三菱電機と武蔵エナジーソリューションズが業務提携・共同開発契約を締結
両社の提携を通じて、鉄道業界でのカーボンニュートラル実現に貢献
三菱電機株式会社(本社:東京都千代田区、執行役社長:漆間 啓、以下、三菱電機)と武蔵エナジーソリューションズ株式会社(本社:山梨県北杜市、代表取締役:髙橋 航史、以下、武蔵エナジーソリューションズ)は、次世代蓄電デバイス、鉄道事業者・鉄道車両メーカー等の鉄道業界向け次世代蓄電モジュールとバッテリーマネジメントシステム(以下、BMS)(※1)に関する業務提携及び共同開発契約(以下、本契約)を5月14日に締結しました。
近年、カーボンニュートラルの実現に向けた対策を強化しているEU諸国を筆頭に、鉄道業界では、CO2排出量や消費電力の削減、設備のスリム化を実現するために、蓄電技術を活用した環境配慮型車両や電力のピークシフトの需要が高まっています。また、蓄電技術の活用による安定的・有効的な電力活用は、鉄道業界に限らず、社会インフラ全般に求められています。
三菱電機は、鉄道車両用電機品において国内外で高いシェアを持ち、鉄道業界向けの電力システム、回生エネルギーを有効活用する駅舎補助電源装置(S-EIV®)(※2)の開発・製造を通じて、鉄道事業における安定的な電力確保、カーボンニュートラル化に取り組んでいます。
武蔵エナジーソリューションズは、世界に先駆けてハイブリッドスーパーキャパシタ(以下、HSC)(※3)の量産を2011年に開始し、急速充放電やエネルギー回生、ピークアシスト等のさまざまな市場ニーズに合わせて、省スペース化・軽量化に対応した装置の提供を進めています。
今回、本契約に基づき、武蔵エナジーソリューションズが提供する次世代蓄電デバイスに、三菱電機が耐振動・絶縁・防水性能等を付与し、鉄道車両等への搭載に適した従来品よりも小型化された次世代蓄電モジュールを新たに共同開発します。この次世代蓄電モジュールに搭載する蓄電デバイスは、武蔵エナジーソリューションズが開発するもので、新しい次世代蓄電デバイスとして、リチウムイオン電池では実現できない高い出力密度と、HSC以上の高い容量密度を実現しつつ、HSCと同等の長寿命・高安全性を追求し、革新的な性能を提供します。
これを実現することで、次世代蓄電デバイスを搭載した次世代蓄電モジュールは、鉄道車両のブレーキ時に発生する高い回生電力の吸収や走行電力の出力に最適な出力密度・容量密度を保有することが可能となります。次世代蓄電モジュールは、水素燃料電池ハイブリッド電車・ディーゼルハイブリッド電車・架線レス電車・変電所のピークシフト・ブレーキ抵抗の置き換え等の電力貯蔵に最適であり、カーボンニュートラル化に向けた車上・地上含めた鉄道ソリューションへの活用が期待できます。
今後、両社は、三菱電機が持つ小型で省エネ性能の高いパワーエレクトロニクス機器の製造技術、高精度な蓄電池の状態推定、SOC(State of charge)・SOH(State of health)技術と、武蔵エナジーソリューションズが持つHSCの開発で培ったプレドープ(※4)技術を融合した、次世代蓄電モジュールとBMSの提供を通じて、鉄道事業におけるCO2排出量や消費電力の削減、設備のスリム化を実現し、カーボンニュートラルな社会の実現に貢献していきます。
なお、製品開発完了後は、本契約に基づき、三菱電機が持つグローバルな販売網を活用して、同社が国内外の鉄道業界向けに次世代蓄電モジュールの提案活動を進めていく予定です。
■各社の役割
企業名 | 担当内容 |
三菱電機 | 次世代蓄電モジュールとBMSの設計、開発、製造および鉄道業界向けの販売 |
武蔵エナジーソリューションズ | 次世代蓄電デバイスの設計、開発、製造 |
■三菱電機の交通システム事業について
三菱電機は、鉄道車両用電機品において国内でトップシェアを誇り、カーボンニュートラルなどの国際社会課題解決による持続可能な社会の実現に向け、幅広い応用分野で大幅な省エネ化を実現する鉄道ソリューションを提供しています。今後も交通システム事業におけるパワーエレクトロニクス分野の拡大と、様々な社会課題解決に向けたソリューションの提供を目指します。
■三菱電機について
設立 | 1921年1月15日 |
所在地 | 〒100-8310 東京都千代田区丸の内二丁目7番3号 |
資本金 | 1,758億20百万円 |
ウェブサイト |
■武蔵エナジーソリューションズについて
武蔵精密工業株式会社(本社:愛知県豊橋市、代表取締役社長:大塚浩史)のグループ会社である武蔵エナジーソリューションズは、世界に先駆けてHSCの量産を開始したパイオニアです。HSCは高出力、長寿命、高い安全性などの特徴を有しており、次世代社会インフラとなるデータセンター、大型商用電動車のエネルギー効率最適化への貢献が期待されるサステナブルなエネルギーデバイスです。詳細については、ウェブサイトをご覧ください。
設立 | 2007年8月1日 |
所在地 | 〒409-1501 山梨県北杜市大泉町西井出8565 |
資本金 | 3億円(武蔵精密工業株式会社100%) |
ウェブサイト |
■商標関係
「S-EIV®」は三菱電機の登録商標です。
<お客様からのお問い合わせ先>
三菱電機株式会社 伊丹製作所
〒661-8661 兵庫県尼崎市塚口本町八丁目1番1号
energy-storage@pd.MitsubishiElectric.co.jp
武蔵エナジーソリューションズ株式会社
〒409-1501 山梨県北杜市大泉町西井出8565
TEL 0551-38-8008 FAX 0551-38-8009
※1 バッテリーの使用状態を監視・制御するシステム
※2 鉄道車両のブレーキ時に発生する回生電力のうち、近くを走行している車両だけでは消費できない余剰電力を駅の電気設備に直接供給する装置。S-EIVはStation Energy Saving Inverterの略
※3 一般的な電気二重層キャパシタの原理を使いながら、負極材料としてリチウムイオン吸蔵可能な炭素系材料を使い、そこにリチウムイオンを添加することでエネルギー密度を向上させた蓄電器
※4 負極に予めリチウムイオンを吸蔵させることで、蓄電デバイスを高出力化、長寿命化する技術
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