POS端末のグローバル出荷量、CAGR19%で成長し、2025年には2.7億台に

Pax、New POS、Ingenicoが2020年のPOSグローバル市場を牽引。中国はPOS市場最大規模で世界全体の半分を占め、中南米、欧州がそれに続く。

カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (英文名: Counterpoint Technology Market Research 以下、カウンターポイント社)は、POS(Point Of Sales)端末のグローバル出荷量は、CAGRで 19%成長し、2025年には2.7億台になる見込みであるという調査結果を含むGlobal POS Market Tracker and Forecastサービスによる最新調査を発表致しました。
2020年のロックダウンでほとんどの小売店が店を閉めたため、COVID-19は、POSグローバル市場にマイナスのインパクトを与えました。また、接客業のセクターでは、パンデミックで海外旅行がなくなったため、POS端末の出荷も急減しました。その一方で、ヘルスケアでは患者に対するより良いサポート、物流および関連のO2O(Online To Offline)では、在庫のより良い管理の需要があり、POSの出荷が増えました。加えて、キャッシュレスが消費者にとって身近な存在となり、また、行政も後押しする政策を打ち出し、技術も進歩したことで、従来とは違うサイズや機能を持つPOS端末が登場し、市場が活気づきました。

POS端末市場動向と競合状況について、カウンターポイント社調査担当バイスプレジデントNeil Shah氏は、次の通りコメントしています。
「中国が世界のPOS端末市場を席捲しており、実にトップ10社のうち8社が中国企業である。とはいえ、主要地域はどこでも、地域固有のPOSサプライチェーン作りに注力している。その一方で、中国企業は、自国市場の成熟に伴うシェア低下を防ぐため、海外でのプレゼンスを高める方向に動く、と我々はみている。今は市場が細分化されているが、今後数年で統合が進むだろう。Pax、New POS、Ingenicoが、これからも出荷ベースでは市場をリードするだろう。」

POS端末グローバル市場シェア

出典:カウンターポイント社 Global POS Market Report, August 2021
* 注:Ingenicoの数字は同ブランドのみでWorldlineグループは別で算出。
  • Paxは、しっかりしたサプライチェーン、製造拠点、研究開発能力を持ち、POS端末グローバル市場をリードし続けるだろう。中国と中南米でのプレゼンスが高い。また、様々なコネクティビティ(通信方式)を用意しており、Paxを幅広い地域で事業を広げるのに役立っている。
  • New POSは、市場第2位のメーカーであり、4G対応端末とモバイル通信を使わないPOS端末に軸足がある。多機能、ポータブル、マルチレーン(スーパーのように複数のレジが並ぶ店舗)POSが、同社の強みとするカテゴリーである。
  • Ingenicoは、引き続き、欧米市場でのトップブランドのひとつである。Worldline(仏の電子決済大手)に買収されたことで、シェアも地位も一気に向上するとみられる。
  • MoreFunやTianyuなど、他の主要メーカーは中国でのプレゼンスが高い。インドでは、VerifoneとIngenicoがPOS出荷のほぼ2/3を占めている。Verifoneは北米のPOS市場でも首位である。

POS端末市場の今後に関して、カウンターポイント社リサーチアナリストSumen Mandal氏は、次の通りコメントしています。
「中国企業がPOS端末グローバル市場を席捲しており、その市場は急速に成熟しつつある。今後は、インドがもっとも速く成長する市場になるだろう(+38% CAGR)。小売りのDXが進むことと、消費者がオンライン決済を好むようになったこととが理由である。急速な都市化、雇用のグローバル化、旅行需要の増加は、接客業におけるPOS市場の拡大を促した。それでも、インドや中南米で好調な小売業が、最大の用途であることは変わらないだろう。また、運輸、行政、教育、銀行、配車サービスでPOS端末の利用が高まっており、新しい応用先として期待されている。」

POS端末グローバル市場の将来予測と分析

出典:カウンターポイント社 Global POS Market Report, August 2021
*注: NAMは北米、LATAMは中南米、MEAは中近東、RoWはその他世界各地を示す。
  • 高機能なスマートPOS端末の成長に伴い、4Gが主要な通信技術となるだろう。
  • データのセキュリティ、メンテナンスコスト、チェックアウト・フリー(レジなしで、買った商品を自動認識)の技術の路面店への対応が、POS市場における今後の重要課題である。
  • その一方で、AIや機械学習のPOS端末への応用による、犯罪検知や予防、顧客ロイヤリティプログラム(利用ポイント制度等)との統合、物理的なカード類不要の仕組み、といった新機能が市場の牽引役になっている。
  • mPOS端末(モバイルPOSの略。スマートフォンやタブレットをPOSとして用い、連動するカードリーダーでクレジット決済を行う)の大画面化とNFC搭載が市場の最も大きなトレンドである。
  • キャッシュレスの方向に規制が緩和され、また若い世代の現金持ち歩きへの抵抗感が強まっていることで、POS端末グローバル市場は今後数年、さらに伸びるだろう。

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【カウンターポイント社概要】
Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/

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会社概要

URL
https://www.counterpointresearch.com/
業種
情報通信
本社所在地
20F Central Tower, 28 Queen’s Road Central, Hong Kong
電話番号
-
代表者名
Kyungsoo Kang
上場
未上場
資本金
550万円
設立
2012年05月