公共安全モバイルシステムの耐性と有用性を実証 実運用へ
公共安全機関相互の情報共有をサポート、能登半島地震被災地域でも活用
株式会社三菱総合研究所(代表取締役社長:籔田健二、以下MRI)は、令和5年度に総務省からの請負事業(※1)の一環として、地方自治体・消防・自衛隊等の公共安全機関相互の連絡・情報共有をサポートする「公共安全モバイルシステム(旧公共安全LTE)」の実証試験(※2)を実施し、実運用可能であることを検証しました。本システムは、訓練や日常業務を含むさまざまな場面において、また、実証期間中の1月1日に発生した能登半島地震に際しては、被災地の複数の機関で有効に活用されました。
【このたび発生した令和6年能登半島地震により亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆さまに心よりお見舞いを申し上げます。】
1. 実証試験の概要と結果
令和5年11月から令和6年3月まで関係省庁および地方自治体等35機関が参加した実証試験では、MRIが公募を通じて選定したアプリケーション(※3)とともに、全1,027台の公共安全モバイルシステム用端末と複数の携帯電話網に接続可能なマルチキャリア機能や専用設備を備えたネットワークを活用し、実運用に向けた検証を行いました。
うち220台は、能登半島地震の被害が大きかった七尾市および輪島市をはじめとする被災地域において、消防機関等の関係者に被災直後から現在まで活用されています(6月4日現在)(※4)。救急活動や行方不明者の捜索活動、派遣元・派遣先間の情報連携・情報共有への使用など、被災地における関係機関の活動に寄与し、実運用における耐性ならびに有用性が確認されました。
2. 公共安全モバイルシステムの普及促進に向けて
MRIでは、これまで総務省から委託を受け、公共安全モバイルシステムの実現に向けた調査・検討および実証事業を継続してきました。実運用への移行を機に、今後も公共安全モバイルシステムのさらなる普及促進に努めるとともに、防災分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に積極的に貢献します。
【公共安全モバイルシステムとは】
公共安全モバイルシステムは、携帯電話技術に基づく公共安全機関専用の通信システムで、実証試験等を経て令和6年4月から実運用が開始されました。公共安全モバイルシステムは、災害時優先電話の他、複数の携帯電話網を利用可能なマルチキャリア機能、混雑時でも影響を受けにくい専用設備など、多くの特長を備えています。また、市販されているスマートフォンを用いて、Push to Talk(PTT)、チャット、画像や動画の送信、リアルタイム映像伝送、Web会議、地図や位置情報の共有など、複数機関間での連携を支援するアプリケーションの利用が可能です。
詳細情報は、総務省の公式ホームページに掲載されています。
URL: https://www.tele.soumu.go.jp/j/others/psms/index.htm
公共安全モバイルシステムのシステム概要(イメージ)
※1:公共ブロードバンド移動通信システムの災害時の通信手段確保に関する技術検討
※2:公共安全LTEの導入の推進に向けた令和5年度実証の実施
(https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban13_02000114.html)
※3:公共安全LTE実証用アプリケーションの公募について
(https://pubpjt.mri.co.jp/publicoffer/20230705.html)
※4: 令和6年能登半島地震に係る被害状況等について(第105報)
(https://www.soumu.go.jp/main_content/000950457.pdf)
本件に関するお問い合わせ先
株式会社三菱総合研究所
〒100-8141 東京都千代田区永田町二丁目10番3号
【内容に関するお問い合わせ】
モビリティ・通信事業本部 ICTインフラ戦略グループ
後藤(翔)、近藤、伊藤
メール:pslte-info@ml.mri.co.jp
【報道機関からのお問い合わせ】
グループ広報部
メール:media@mri.co.jp
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