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WWFジャパン
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東日本大震災から10年、復興支援プロジェクトを総括 報告書 『震災復興から生まれた持続可能な養殖~南三陸戸倉の挑戦~』を発表

WWFジャパン

●カキ養殖施設数を3分の1に削減したことで、カキの成長速度は向上。収穫までの期間が3年から1年に短縮し、生産量は震災前の約2倍、収入は1.5倍に増加
●持続可能な養殖業の実践は、環境影響を低減するだけでなく、収益の改善や労働時間の削減、災害リスクの低減など、社会経済的付加価値を生み出し、さらに生産者や関係者の意識の変化にもつながる可能性を証明
●震災を機に、新たな「人と海との共生」の実現を目指したこの復興は、世界的に価値のある、21世紀の持続可能な社会のモデルを提示している

東日本大震災から10年にあたり、公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン(東京都港区 会長:末吉竹二郎 以下、WWFジャパン)は、プロジェクトレポート『震災復興から生まれた持続可能な養殖 ~南三陸戸倉の挑戦~』を発表しました。

WWFジャパンは、2011年3月11日の震災直後に開始した「暮らしと自然の復興プロジェクト」の一環として、宮城県南三陸町戸倉地区における、海洋環境に配慮した養殖業への転換を目指す復興支援プロジェクトを同年7月より開始。環境調査や持続可能な養殖業への転換に向けた協議を続け、2015年に持続可能な養殖の国際認証「ASC認証」を目指すことを関係者と合意、2016年3月に日本の養殖場として初のASC認証を取得しました。その後、認証継続のための技術的支援や認証制度の普及等を通じて戸倉の活動をサポートしています。
プロジェクトレポート『震災復興から生まれた持続可能な養殖 ~南三陸戸倉の挑戦~』
https://www.wwf.or.jp/activities/data/20210308resource01.pdf

本レポートは、東日本大震災で被災し、壊滅的な被害を被ったにもかかわらず、復興において、「ASC認証」の取得や、湿地生態系の保全と賢明な利用(ワイズユース)を目的とする「ラムサール条約湿地」への登録を実現させた、宮城県南三陸町の取組の事例とその価値について、6名の執筆者の方々に人・環境・社会経済の観点から寄稿いただき、まとめたものです。養殖業をただ震災前に戻すのではなく、震災を機に、新たな「人と海との共生」の実現を目指したこの復興は、世界的に価値のある、21世紀の持続可能な社会のモデルを提示しています。


【本レポートのポイント】
★宮城県漁協志津川支所戸倉出張所は、東日本大震災を契機に、海洋環境に配慮したカキ養殖を実践するため、カキ養殖施設数を震災前の3分の1にまで削減することを決定した。
★施設数を減らしたところ、カキの成長速度は向上し、収穫までの期間が3年から1年に短縮され、生産量は震災前の約2倍、収入は1.5倍に増加した。
★カキ養殖と環境影響との関連性を調査したところ、戸倉海域では湾奥部でも良好な成長が維持され、かつ若いカキほど海洋環境への負荷が低いことが判明した。
★養殖規模の縮小などにより労働時間は40%削減され、若者の漁業者の参入も増えた。
★養殖に係る経費節減や養殖サイクルの短期化から、災害時の被害想定も軽減される。
★日本の養殖場として初めてASC認証を取得したことや、生産性の確かな向上により漁業者の意識変化が起こった。

この10年間、復興支援プロジェクトを通じて戸倉の人々と関わってきた、WWFジャパン海洋水産グループ長の前川聡は、持続可能な養殖の必要性と戸倉の取組みの意義について、次のように述べています。

「養殖業は増加する世界の水産物消費の半分を補っており、今後も拡大する見込みですが、様々な環境・社会上の問題を抱えています。WWFは養殖業の必要性は認めながらも、これらの課題を解決していく必要があると考えており、ASC認証の普及を支援しています。

戸倉のカキ養殖では、震災を契機に漁業者自らが海洋環境に合わせた養殖業への転換を目指し、環境影響の低減だけでなく、生産性と収益の向上、労働時間や災害リスクの軽減など様々な問題を改善しました。

この事例は、環境や社会に配慮する水産業が、漁業者にも価値をもたらす可能性を証明しました。また戸倉カキ生産部会の取組みは、多くの人々の共感をもたらし、持続可能な社会の重要性を伝えています」


戸倉のみなさんが実現した改革は、環境に配慮した持続可能な水産業を目指すことが、経済や社会的な付加価値、さらには生産者や関係者の意識の変化にもつながる可能性を証明しました。この可能性の追求は、WWFが世界的な視野で目指している「持続可能な社会」の実現と、そのモデルを体現するものであり、歴史的にも価値の高い、大きな意味を持つものと考えます。

WWFは今回作成した報告書の結果を、国内外の関係者に届け、環境と社会に責任のある養殖業がもたらす付加価値と重要性に関する理解と関心を深めていきたいと考えています。

■関連情報
・ウェブ記事「WWFレポート『震災復興から生まれた持続可能な養殖』を発表」
https://www.wwf.or.jp/activities/lib/4574.htlm
・養殖版のエコラベル「ASC認証」について
https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/1773.html

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電話番号
03-3769-1714
代表者名
末吉竹二郎
上場
-
資本金
-
設立
1971年09月
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