FromプラネットVol.177<園芸・花や緑のある生活に関する意識調査>
国内1,400社超が利用する日用品流通の情報基盤を運営する株式会社プラネット (所在地:東京都港区、代表取締役社長:田上正勝)は消費財や暮らしにまつわるトピックスをお届けする 『Fromプラネット』 の第177号として、園芸・花や緑のある生活に関する意識調査の結果をご紹介します。未掲載のデータや担当者からの解説もご提供できますのでお気軽にお問い合わせください。
- 花や緑、多くの人が好意的
また、自宅に庭、ベランダ・バルコニーがあるかどうかを聞きました(図表2)。自宅にある設備と花や緑が好きかどうかの相関を見ると(図表3)、「庭がある」人と「ベランダ・バルコニーがある」人との間にはほとんど差がありません。
一方、「庭・ベランダ・バルコニーはない」という人は、全体の割合と比べて、「好き」と回答した人は約20ポイント低く、「好きではない」と回答した人は7ポイント以上高くなっています。
庭やベランダがなくて、自分で育てる機会がないため、そもそも花や緑との距離が遠い人が多いのかもしれません。
- 植物を育てているのは男性のほうが多い
「育てたことがない」という人は26.6%、「育てていたがやめた」人が15.4%でした。残りの約58%の人たちは、現在、なんらかの植物を育てているということになりますが、興味深いのは多くの項目で女性より男性の割合が高くなっていることです。トップ3のなかでは、「花」は男性が4.0ポイント、「樹木」は8.1ポイント高くなっています。また、4位の「家庭菜園(庭)」も男性が6.6ポイント高いです。
「観葉植物(屋内)」については女性のほうが4.2ポイント高くなっていますが、特に「女性・70代以上」については51.3%と、ほかの世代と比べて10ポイント以上の差がありました。
- コロナ禍以降に「初めて育てた」「再開した」が2割
また、「コロナ禍(2020年3月)以降に初めて育てた」という人が9.7%、「中断していたが、コロナ禍(2020年3月)以降に再開した」という人が12.3%です。この2年で「初めて育てた」「再開した」人を合計すると2割を超えています。
「育て始めるつもりはない」と回答した人の割合は若いほど高い傾向にありますが、「花や緑が好きか」という先程の質問では、高齢になるほど「好き」の割合が高くなる傾向にありました(図表1)。
年月を経るうちに花や緑が好きになり、育ててみようと考え始めるのか、それとも、育てることがないままなのかが気になるところです。
自宅にある設備を合わせて見ると(図表6)、「庭・ベランダ・バルコニーはない」人は、「育て始めるつもりはない」と回答した割合が49.8%(全体:23.4%)と非常に高く、「コロナ禍以前(2020年2月以前)から続けている」人の割合は15.8%(全体:51.4%)とかなり低いです。その裏返しか、「コロナ禍(2020年3月)以降に初めて育てた」「中断していたが、コロナ禍(2020年3月)以降に再開した」という割合は全体と比べて、多少高くなっています。
- 花や緑を採り入れるかは本人の好みで決まる
それらと比べると、「以前から自宅に生えているから」(13.2%)、「親や家族がやっていたから」(12.4%)、「人からもらったから」(9.6%)というように、人や環境の影響で採り入れた人は低い割合になっています。
また、「子どもの情操教育のため」(2.9%)、「子どもが生まれたから」(1.0%)と、子どもきっかけで始める人も少なく、「人からすすめられたから」(2.3%)、「人に見られたい、見せたいから」(2.0%)と答えた人の割合も低いです。
生活に花や緑を採り入れるかどうかは、本人の嗜好や意向が何よりも強く、周りからの影響や、人に見せたいという気持ちがきっかけになることはあまりないようです。
- 植物「向いてない」と感じるのは女性のほうが多い?
理由の1位は「世話が大変だから/大変だったから」(29.3%)、2位が「知識がない/なかったから」(29.2%)と、ほぼ差がなく並んでいます。
男女を比較したとき、最もポイント差があったのは「虫が嫌いだから」(男性:13.2%、女性:26.1%)です。「土をさわるのが嫌だから」(男性:8.3%、女性:15.6%)も女性のほうが割合が高いのですが、ほかにも「自分に向いていないから」(男性:19.4%、女性:29.4%)、「枯らしてしまったから」(男性:14.1%、女性:21.3%)という項目でも女性が男性を上回っています。育成がうまくいかなかったとき、女性のほうがストレスを感じやすいのでしょうか。
- 花や緑を育てている人を見て、どう感じる?
「人からもらった」という人も20.6%いますが、「花や緑を採り入れた理由」(図表7)においては、「人からもらった」と回答していた人は9.6%と低い数値でした。両者にギャップがあることから、もともと花や緑を育てている人は、もらったものを育てることがあるが、人からもらったことをきっかけに育て始める人は少ない、ということが予想されます。
「山や野原から採ってきた」という人は4.9%とかなり低いのですが、「その他」として、食べたあとのみかんの種や野菜の根、さらにはパイナップルの茎を植えたという人もいました。
また、 花や緑を育てている人に対してどのような印象を持つかを聞いたところ(図表10)、1位が「いい趣味だと思う」(53.8%)、2位が「優しい人だと思う」(37.5%)でした。「几帳面だと思う」(18.2%)、「おしゃれだと思う」(14.2%)「真面目だと思う」(12.5%)と感じる人もそれなりにいるため、花や緑を育てることは相手にとってポジティブな印象を与える効果があると言えるでしょう。
- 好きだからこそ、枯らしてしまうとショックが大きい
また、「好きだけど、自分で育てるのはちょっと……」という声もありました。始めるハードルを下げたり、世話のやり方を教えてくれたりする人が周りにいると、挑戦しやすいのかもしれません。
また、外で栽培していて、落ち葉や虫など、近所に迷惑をかけないように気を遣っている人もいれば、逆に近所の人に迷惑をかけられたので、いい印象を持っていないという人もいました。
● 水やりを忘れるとすぐに悪影響が出てしまい、育てることに罪悪感を持ってしまった。(女性・20代) ● 観葉植物や多肉植物を育てたが、水やりのタイミングがいまいちわからず、必ず枯らしてしまう。(女性・20代) ● サボテンすら枯らしてしまうので、育てるのが怖い。(女性・40代) ● 「水やり三年」という言葉どおり、観葉植物の水やりは特に難しいと感じる。植物によって、剪定の時期や肥料の種類も違って頭が混乱してくるが、家族の一員のような存在で、現実に生きているので、元気に成長してくれると嬉しい。(女性・20代) 【近所との付き合いに影響も】 ● 以前、近所に樹木の手入れをしていない家があった。根の影響で隣の家が傾いていたし、枝のせいで道が通りにくく、枯れ葉が多くて掃除が大変だったし、毛虫や蚊など虫が多くて困った。しかし、手入れをするように頼むのも気を遣った。(女性・20代) ● 以前の家で隣人が庭の手入れをしなかったので迷惑した。木の枝や雑草でうっそうとして、落ち葉もいっぱい。 自分はそんな状態にしたくないし、手入れできないなら植物を栽培すべきではないと思う。(女性・70代以上) ● せっかくいろいろな花を植えたのに、裏の家が大きく建て変わったため、まったく日が当たらなくなり、花も野菜も枯れる寸前の有様で、ガーデニングが楽しめなくなった。(女性・60代) ● 庭で父親が葡萄を作っている。収穫の時期になるとみんなが欲しがってうちに来るので、その対応で家族は困っている。(女性・40代) 【好きだけど手入れは大変】 ● いろいろな野菜や花を育てたくて、マンションのベランダで1年草などを育てていたが、土の入れ替えや古い土の処分には困った。(女性・60代) ● 毎年、害虫の駆除が大変。特に毛虫の発生には困っている。 4月頃から11月までは木々の剪定や草の除去に追われて、最近はつらくなってきた。 (女性・70代以上) ● 部屋に緑や花があるとそれだけで癒やされるが、買ってきたミニ観葉植物が育つにつれて、かたちが悪くなってきた。剪定の知識がないので、どうしたらいいかわからない。(女性・50代) 【好きだけど、自分で育てるのは……】 ● 花や緑は心が豊かになるが、栽培には手間と費用と知識が必要なので自分で育てるのは難しいと感じている。(男性・50代) ● 花や緑が好きで、よく里山や公園に写真を撮りに行くが、自分で栽培することには興味がない。集合住宅なので、ベランダくらいしか栽培場所がないし、時間をかけて面倒を見る自信がない。(男性・70代以上) ● 見るのは好きだが、育てるのは大変そう。(男性・20代) ● よその家庭の花を見るのは好きだが、水やりがおろそかになり枯らしてしまうので、自分ではなるべく育てたくない。(女性・40代) |
調査機関:株式会社プラネットによる調査企画をもとに、株式会社ネオマーケティングにて「園芸・花や緑のある生活」に関する意識調査を実施。
期間:2022年2月14日~17日、インターネットで4,000人から回答を得ています。株式会社プラネットとは https://www.planet-van.co.jp/
メーカー、卸売業、小売業がサプライチェーンとして連携し、生活者へのサービス向上を目指して進化を続ける日本の消費財流通を、情報インフラ運営で支えている上場企業(証券コード2391)です。
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