首都圏と九州を結ぶ大型高速RORO船での次世代バイオディーゼル燃料の実証試験航海~モーダルシフト×バイオ燃料で更なる環境対策へ~
左から、豊王丸機関長 戎谷、船長 濱村、ユーグレナ社執行役員エネルギーカンパニー長 尾立、川崎近海汽船常務取締役 川﨑、齋藤静岡県清水港管理局長、鈴与商事専務取締役 太田、川崎近海汽船船舶部長 平野
※1RORO船:国内の海上長距離幹線輸送のための大型船舶。一般のフェリーと同様にトラックやトレーラー、建設車両などをランプウエイからそのまま乗下船(ROLL ON/ROLL OFF)する仕組みとなっており、旅客は運ばず貨物車両輸送に特化したもの。クレーンを使った在来船荷役(LIFT ON/LIFT OFF)では支障の生じる降雨、降雪時においても荷役作業が可能であり、ドアツードアの海陸一貫輸送に多く利用されている。近年の陸上トラック運転手不足への対策や、環境対策に最適な輸送手段のひとつ。
川崎近海汽船株式会社では、重要な経営課題であるカーボンニュートラルへの対応として、持続可能且つ社会実装化できる具体的な取り組みを行ってまいります。
一方で、ユーグレナ社の「サステオ」は、バイオマス(生物資源)を原料とし、船舶の主燃料である重油と混焼ができ、内燃機関を変更せずに使用が可能です。また、このバイオ燃料は、燃焼段階ではCO2を排出しますが、バイオマス原料が成長過程で光合成によってCO2を吸収するため、使用した際のCO2の排出量が実質的にはプラスマイナスゼロとなるカーボンニュートラルの実現に貢献すると期待されています。
このような状況に鑑み、今回の実証試験航海においては、「豊王丸」の寄港地である大分港及び清水港での岸壁停泊中に、これまでの重油を使用せず、「サステオ」のみを代替使用し、通常業務に支障がないことを検証します。
なお、岸壁停泊中の「豊王丸」は、カーボンニュートラルの概念から燃料燃焼時に排出するCO2を最大2割程度削減できる見込となります。
なお、「豊王丸」への給油を担当した鈴与商事は、2021年7月から自社の宅配水配送車両で「サステオ」の使用を開始、2022年3月には鈴与グループで航空事業を営むフジドリームエアラインズの航空機へ「サステオ(SAF)」の給油を実施致しました。今回、清水港での船舶向け補油によって、バイオ燃料の供給体制に関する知見を更に深め、モビリティ領域における環境負荷低減に貢献するとともに、持続可能な社会の実現を目指します。
実証試験航海に先駆けて行った式典では、清水港管理局長 齋藤昌昭様より、「県におきましても、現在、川崎近海汽船株式会社様、鈴与商事株式会社様に構成員として参加頂いております『清水港カーボンニュートラルポート協議会』において、実効性のある『カーボンニュートラルポート形成計画』の策定に向け、検討を進めているところであり、このような港湾の脱炭素化に向けた取組は、今後、将来に向けて、清水港が『荷主企業』様や『船会社』様から選ばれるためにも重要な施策であると考えており、大変心強く思っているところでございます。」とのコメントがありました。
- 川崎近海汽船株式会社について
- 鈴与商事株式会社について
日本初となるセルフ式ガソリンスタンドの設立や、静岡県内初の分散型メガソーラーの稼働等、エネルギー企業として様々な事業を展開。2017年より静岡市と電力供給の一括受託とVPP(バーチャルパワープラント)を組み合わせた「静岡市 エネルギーの地産地消事業」の推進等、全国の自治体や企業との連携し、環境を通じた地域循環に資する事業に取り組んでいる。
参照) https://www.suzuyoshoji.co.jp/
- 株式会社ユーグレナについて
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