英国政府による「世界基金」への10億英国ポンドの出資表明をうけて
英国政府が「世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)」に今後3年間で最大10億英国ポンド(約1580億円)を出資する意向を明らかにした。
国境なき医師団(MSF)は、今回の出資は日本、ドイツ、オーストラリアや欧州委員会など各出資国・機関が分担すべき目標総額150億米ドル(約1兆4820万円)の一部であり、必要額を満たす圧力を高めることは、世界保健機関(WHO)による新たなHIV/エイズ治療指針発表を受けた資金需要の高まりや、薬剤耐性結核(DR-TB)の感染拡大への対策資金状況を鑑みた上で、不可欠だと以下のとおり見解を発表した。
「英国政府は世界の出資者に対し、口先だけではない資金提供を求めています。その要求が満たされれば、過去10年にわたって繰り広げられてきた致命的な3大感染症との闘いはさらに大きく進展するでしょう。日本、ドイツ、オーストラリア、欧州委員会などの各国・機関も世界基金に対する今後3年間の満額の財政援助に踏み出すことが求められます。
HIV/エイズ治療の普及拡大が何百万人もの命を救うだけでなく、ウイルスのまん延予防にも役立つことがわかっています。また折しも、これまで手のつけられなかった薬剤耐性結核(DR-TB)の本格的な対策が、貴重な新技術によって、軌道に乗ろうというところでもあります。今こそいっそうの努力を払うべき時なのです。DR-TB治療が必要とされる人の5人に1人しか実際の治療対象になっていないという絶対的な不足を補うためには、より多くの国が世界基金とDR-TB対策への出資に寄与する必要があります」。
シャロナン・リンチ
MSF必須医薬品キャンペーン・HIV/エイズ政策顧問
以上
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。