“Web3 × AIエージェント”「鑑定証明システム」発明企業サイカルトラスト株式会社と半導体商社トナリズム株式会社が共創し、「半導体」模造品対策に係る「PoC」を成功裏に完遂

　2022年に制定された「経済安全保障推進法」において「特定重要物資」に指定された「半導体」。その模倣品、偽造品、その他使い回し品（以下、模造品）による被害額は年間75億ドル（約1.1兆円）を超えています（※1）。こうした「半導体」の模造品対策における「PoC（Proof of Concept）：概念実証」に成功し、実用化に向けた両社の戦略的パートナーシップ提携についてお知らせします。

1.　概要

　“Web3 × AIエージェント”複数特許取得済み「鑑定証明システム」を発明、提供するcycaltrust株式会社（本社：東京都港区、代表取締役：須江 剛、以下：サイカルトラスト）と、半導体・電子部品の調達・販売を手がけるとともに、アナログ半導体の自社開発や、半導体業界に特化した人材紹介事業も展開するトナリズム株式会社（本社：神奈川県川崎市、代表取締役：新川裕也、以下：トナリズム）との共創により、「半導体」の模造品対策に係る「PoC」を成功裏に終えました。本「PoC」において、トナリズムは代理店として「鑑定証明システム」の有効性を確認し、「半導体」業界での実用化に向けた可能性を確認しました。その結果、本システムが模造品対策として高い有効性を持つことが明らかとなり、今後の展開に向けた戦略的パートナーシップの締結に至りました。

2.　「PoC」の背景と目的

　近年、生成AIをはじめとするAI産業の急速な進展により、高性能「半導体」への需要が飛躍的に拡大しています。大手「半導体」メーカーによる従来の供給体制だけでは市場需要を十分に賄えない状況が続き、これに伴い補完的な調達源として二次流通市場が活性化しています。しかしながら、この流通過程で模造品が混入するリスクが高まり、品質保証および真正性（真贋性）の担保が喫緊の課題となっています。

　こうした背景を受け、「半導体」のサプライチェーン全体において、上流から下流まで各プロセスで製品情報を正確に追跡し、正規品のみが流通する仕組みの構築が求められています。そこで、サイカルトラストは「鑑定証明システム」を利活用し、模造品混入対策として極めて有効なトレーサビリティ体制の新たなモデルを構築しました。

　また、ブロックチェーン技術とAI技術を組み合わせることで、「半導体」の製品情報を正確かつ改ざん不可能な形で管理すると共に、当該「半導体」の製造に係るカーボンフットプリント（以下、「CFP」）関連情報をブロックチェーン上に記録することが可能となりました。これにより、世界中の利用者が瞬時に正確な「CFP」情報を入手でき、環境負荷の低減およびカーボンニュートラル社会の実現に寄与することが実現します。先述の通り、「半導体」は現代社会において「特定重要物資」という重要な製品であり、最終製品の「CFP」算出が求められる中、当該「PoC」はサーキュラーエコノミーの実現のための鍵となります。

　この先駆的な「PoC」は、一次流通市場のみならず二次流通市場における模造品根絶への道筋を示すものであり、両社が「半導体」業界のリーダーとして確固たる役割を担うための礎となることを目指しています。

3.　今後の展望

　トナリズムとサイカルトラストは、『戦略的パートナーシップ契約』を締結し、双方の技術力と事業ノウハウを融合する新たな連携体制を確立しました。本契約に基づき、サイカルトラストの「鑑定証明システム」を中核とするトレーサビリティ技術を、「半導体」とその「CFP」のサプライチェーン全体に適用する取り組みを加速します。具体的には、パイロットテストを迅速に実施し、製造から流通、最終廃棄に至る各段階で正規品の追跡、品質保証、その他「CFP」の信ぴょう性を徹底する仕組みの構築を目指します。

　本連携は、「半導体」模造品混入対策の新たな国際標準を打ち立て、同業界全体の信頼性向上に寄与することを目的としています。また、国内外の市場動向を踏まえ、グローバル展開を視野に入れた迅速な市場投入を進めるとともに、継続的な技術革新とサービス向上を通じ、「半導体」業界における模造品根絶とサーキュラーエコノミーの実現を推進してまいります。

4. 代表者コメント

（1）トナリズム株式会社　代表取締役　新川 裕也

　今回のPoCの成功は、半導体業界が抱える「模造品」という深刻な課題に対して、大きな一歩を踏み出した瞬間だと感じています。私はこれまで、「半導体は、日本が再び世界で輝くための鍵となる産業である」と発信してきました。しかし、その半導体が模造品によって価値を毀損され、時には社会インフラや医療機器の安全性すら脅かされる状況が続いていることに、強い危機感を抱いていました。

　そんな中、サイカルトラスト社の掲げる「ウソ・偽りのないトラストな世界の実現」という理念に深く共感しました。トナリズムは、「エレクトロニクスの力で、大切な人のトナリにいられる時間を増やす」ことをミッションに掲げています。そのためには、半導体が正しく流通し、使う人が安心して利用できる社会をつくらなければなりません。今回、サイカルトラスト社と共に、ブロックチェーンとAI技術を活用した「鑑定証明システム」によって、新たなトレーサビリティモデルを確認できたことは、まさにこのミッションを具現化する第一歩です。

　私たちは、ここからさらに実用化を加速させ、半導体業界に「信頼」という新たな価値を築いていきます。「ウソ・偽りのないトラストな世界」と、「大切な人のトナリにいられる未来」を実現します。そして日本の半導体産業が再び輝きを取り戻し、世界に誇れるものにできるよう、挑戦を続けてまいります。

（2）cycaltrust株式会社　代表取締役　須江 剛

　今回の業務提携は、トナリズムさまの実績・豊富なネットワークと、弊社の革新的な「鑑定証明システム」の技術力が合わさることで、「半導体」業界における模造品・使い回し品対策の新たな基準を確立する大きな一歩になると、僭越ながら確信しております。

　急速に変化する市場環境下で、品質保証と安全なサプライチェーンの実現は必須であり、我々はこの挑戦に果敢に取り組む所存です。今後も、取得済み特許技術をセンターピンに「鑑定証明システム」を昇華させ、「ウソ・偽りのないトラストな世界」の実現に向け邁進いたします。

5.　会社概要

◆トナリズム株式会社

所在地：〒210-0005　 神奈川県川崎市川崎区東田町1番地2　 いちご川崎ビル7階

代表者：新川 裕也(しんかわ ゆうや)

公式HP：https://tonarism.co.jp/

事業内容：

半導体の開発、販売、代理店およびOEM事業

半導体・エレクトロニクス業界に特化した人材紹介事業

◆cycaltrust株式会社

所在地：107-0062　東京都港区南青山1-12-3　LIFORK MINAMI AOYAMA（S105）

代表者：須江 剛　（すえ たけし）

公式HP：https://cycaltrust.co.jp/

事業内容：

ブロックチェーンシステム開発事業

“Web3.0型”「鑑定証明システム®」導入支援事業

「サイカルNFTマーケットプレイス」運営事業

【出典一覧】

（※1）『半導体の模倣品を排除せよ！ＳＥＭＩがブロックチェーンで供給網を管理へ』日刊工業新聞　2021年6月23日