熊本県「UXプロジェクト」令和7年度 採択企業11社が決定

ライフサイエンス分野で地域課題解決と新産業創出を目指す採択企業を発表

熊本県

熊本県(知事:木村 敬)が推進する「UXプロジェクト」では、世界中の人々が自分らしく最期まで「健康で」「楽しく」「美しく」いられる生活を実現することを目指し、ライフサイエンス分野を中心とした新たな産業創出を推進しています。このたび、県内の社会課題解決や県民サービス向上を目的とした「実証実験サポート事業」と、社会実装に向けた伴走型支援を行う「コーディネート事業」の令和7年度採択企業が決定しましたのでお知らせいたします。

※UXプロジェクトにおけるライフサイエンス分野とは、医療、介護、健康、食、ビューティー、スマート農業等を指します。

UXプロジェクト公式サイト:https://ux-project.jp/

令和7年度 実証実験サポート事業 採択企業(7社)

熊本県では「実証実験サポート事業」を通じて、県内をフィールドに実施する実証実験を公募し、社会課題の解決や県民生活の質の向上につながる取り組みを伴走支援しています。

今回は、UXプロジェクト初の取り組みとして、UXメンバーシップ会員より「実証フィールド」の提供をいただきました。「実証フィールド」とは、実証実験に必要となる施設や設備、モニター(協力者)等を指し、ご協力いただく企業・団体を「実証フィールドサポーター」と呼びます。

【実証フィールドサポーター】

医療法人桜十字

株式会社再春館共創ラボラトリー

国立大学法人熊本大学

学校法人東海大学 産学連携センター アグリサイエンスオープンイノベーションセンター

これらサポーターの協力のもと、令和7年度は7社の企業が採択され、それぞれのフィールドを活用した実証実験に取り組みます。

▼実証フィールドサポーター詳細はこちら

https://ux-project.jp/news/r7ux_jissyo_field/

ACSIRYO株式会社

慢性疾患の身近な予防・管理を目指した自動臨床検査システム・プラットフォームの実証事業”

ACSIRYO株式会社は、慢性疾患の予防・管理のため、血液・尿の生化学検査を通院無しで完了できる自動臨床検査システムと、検査データを医療従事者の方へつなぐことが可能なWebプラットフォームを開発することによって、地域社会における医療アクセスに対する課題の解決、健康管理への新たな主体性を創出して参ります。


【意気込み】

どのような方でもどのような場所からでも医療・ヘルスケアへ生活のそばでアクセスできる社会をつくるため、ユーザーの方・地域の関係者の方々の声にしっかりと耳を傾けながら、本当に意味のあるソリューションを形にしたいと考えています。


【連携ニーズ】

一般ユーザーの方、医療機関の医療従事者の方側のニーズを、運用フローの検証を通してしっかりと理解できればと考えています。そこから得られた検証結果をベースに製品・サービスの改善へとつなげられればと思います。

株式会社あつまるホールディングス

“熊本県産シルク×特許技術&桑葉×有機JASで中山間地に新産業と雇用創出”

株式会社あつまるホールディングスは、熊本大学認定ベンチャー「チャーリーラボ」と農研機構との共同研究により、全く新しいシルク原料を開発しました。本プロジェクトでは、この原料を活用し、シルクに特化した化粧品ブランド「COKON LAB(ココン・ラボ)」からシャンプーとコンディショナーを新たに生み出し、モニター調査を通じてシルクの魅力を広く知っていただく機会を提供して参ります。

さらに、シルクに関連する取り組みとして25haの天空桑園でオーガニックの桑葉を栽培しております。桑葉に含まれる成分には血糖値を下げる効果が期待されており、私たちが育てたシルク配合の「桑葉青汁」も、皆さまの健康を支える製品の一つになれるよう効果を検証して参ります。


【意気込み】

熊本での養蚕業は江戸、明治、大正、昭和と脈々と受け継がれ、昭和初期には7万戸の養蚕農家が存在しました。しかし現在はわずか2戸に減少。2017年から当社は新しい周年養蚕システムの開発を始め、着物用の絹のみならず、化粧品や医療機器など幅広い分野への応用を進めています。本プロジェクトを通して、シルクと桑の魅力を広く知っていただける機会にしたいと思います。


【連携ニーズ】

シルク配合の化粧品(シャンプー・コンディショナー)のモニター調査によって、シルク配合の化粧品の魅力を幅広い方に知っていただく機会になればと思っています。また、桑葉青汁に関してもDNJ(1-デオキシノジリマイシン)が桑の葉に特有の成分で、食後の血糖値の急激な上昇を抑制する効果が期待されます。今回私たちが育てた桑葉青汁も皆様の健康の一助になれるということを、たくさんの方に知っていただければと思っております。

株式会社HIL

“「お腹ソムリエ」を核とした”見える健康経営”実証事業”

株式会社HILが運営する「お腹ソムリエ」は、超音波技術と独自アルゴリズムにより脂肪や筋肉の状態を評価し、これまで発見が難しかった"隠れ肥満"や"筋力低下リスク"をリアルタイムで可視化する予防支援サービスです。

測定結果をその場で視覚的にフィードバックすることで強力な行動変容を促進します。本実証実験では、熊本県内企業にて約100名を対象に多面的効果検証を実施し、熊本発の健康改善モデル構築を目指します。

【意気込み】

「お腹ソムリエ」による"見える化"を通じて、「人が自分の体に興味を持ち、自分で変わる文化」を熊本から全国に広げていきます。この実証実験を起点に、産学官が一丸となって熊本発のヘルステックイノベーションを創造し、県民の健康と幸福、そして地域経済の発展に貢献してまいります。


【連携ニーズ】

「お腹ソムリエ」の実用性と効果を科学的に検証し、熊本県民の健康課題解決に最適化されたサービス設計を確立したいと考えています。また、本実証事業では利用者様の生の声やフィードバックをサービスに反映できることを期待しています。真に県民に愛される健康サービスへと進化させ、より直感的で行動変容に繋がりやすい体験へと磨き上げ、産学官連携による実証プロセスから熊本発の持続可能なビジネスの実現を目指します。

株式会社KJバイオ

“藻で挑む、畜産と地域の共生実証モデル~悪臭・暑熱ストレス・感染リスクを抑え利益も改善~”

株式会社KJバイオは、カミチクグループとデンソーが設立した合弁会社で、デンソーから技術や研究員を継承しました。

本プロジェクトでは、熊本畜産流通センターや東海大学と連携し、コッコミクサKJを豚の飼料に加えることで、暑熱ストレスや感染症を抑え、飼育成績向上と養豚経営の収益改善に取り組みます。さらに腸内細菌を解析し、悪臭や温室効果ガスの削減に関するデータを取得し、畜産と地域が共生できる持続可能な新しいモデルを発信していきます。

【意気込み】

熊本の特産品として、知名度・認知度をあげたいと思っています。排出されている二酸化炭素をコッコミクサKJに吸収させ、それを熊本の畜産に広く使用してもらえるように、実証でデータを積み重ね、地域と畜産の共生する新しい環境調和型の資源循環畜産モデルを、天草から熊本全域に発信していきたいです。

【連携ニーズ】

KJバイオが保有する微細藻類コッコミクサKJは、クロレラやユーグレナと比較して、ほとんど知られていませんが、充実したエビデンスや量産技術が確立している点が強みだと思っています。本プロジェクトを通じて、コッコミクサKJの知名度を上げるとともに、お互いの強みを生かして連携できる企業、資金面で支えてくださるベンチャーキャピタルや金融機関ともご縁をいただけると幸いです。

株式会社再春館製薬所

“新たな口腔ケアの在り方とその効果に関する実証実験プロジェクト”

株式会社再春館製薬所は、「明日が楽しみと思える毎日」を創造する「ポジティブエイジカンパニー」を目指していくことを宣言しています。その一つの柱としてフレイル対策にも注力していきます。

これまで取り組んできている痛みの治療や筋力サポートに加え、フレイル対策にかかわる商品・サービスを拡大していきたいと考えています。

【意気込み】

口腔ケアとしての効果はもちろん、ほとんどの人にとって初めての体験となる「食べる口腔ケア」に対して、実生活での取り入れやすさや実感、口腔ケアへの意識・行動の変化なども検証することで、全く新しい口腔ケアの可能性を探る第一歩としたいと考えています。


【連携ニーズ】

新たな口腔ケアの在り方の検証を進め自社製品・サービスとしての提供を目指すことに加えて、県内の自治体や企業、教育現場と連携して口腔ケアの啓発活動なども展開したいと考えています。多様な企業、自治体と連携の可能性について対話できることを期待しています。

トイメディカル株式会社

“日清製粉との協業に向けた塩分オフセット食による食を通じた健康づくりの推進”

トイメディカル株式会社は、美味しいと健康をトレードオフにしない世界の実現に向け、過去2回、UX実証実験サポート事業に参加しております。初回は我々の塩分オフセット技術の効果検証、2回目は調味料に使用した際の妊婦さんのQOL改善検証、そして、今回より多くの方に我々の塩分オフセット食を実際に喫食いただき、健康的な食生活において実際に違和感なく食べ続けられるか、それがどのように受け入れられるかについて検証して参ります。

【意気込み】

美味しいと健康をトレードオフにしない世界の実現に向け、弊社独自の技術である塩分オフセット技術について、多くの方に実際にご喫食いただき、健康的な食生活において実際に違和感なく食べ続けられるか、それがどのように受け入れられるかについて検証をしたいと思っています。

【連携ニーズ】

自社のみでは費用面及び企業信頼度の観点から中々行うことのできない一般消費者様での「塩分オフセット食」の喫食試験を行い、弊社の塩分オフセット技術が小麦粉へも応用可能で、継続的に摂取することに違和感のないものであるかどうかを検証を行います。これをクリアすることで、塩分オフセット技術の応用範囲が広いことを示すことができ、世界中の塩分過剰摂取による健康課題の解決に貢献できると考えております。

タグル株式会社

“怪我ゼロ社会”へ、非侵襲粘弾性測定センサーを用いたプロスポーツ選手の筋損傷予防と回復の社会実証実験”

タグル株式会社は、大阪大学発技術による非侵襲粘弾性測定センサーで筋肉の状態を定量化し、怪我リスクを“見える化”する社会実装に挑戦しています。本実証では、プロアスリートを対象に予兆検知と予防介入を行い、熊本ヴォルターズ、医療法人桜十字、国立大学法人 熊本大学と連携して、医療・研究・地域を横断するモデル形成を推進します。将来的にはユース層や教育・医療分野へも展開し、“怪我ゼロ社会”を目指します。

【意気込み】

なぜ人はスポーツに熱狂するのか。それは不可能を可能にする奇跡の瞬間を共に体感できるからです。弊社は、その奇跡を怪我に奪わせない未来を目指します。本プロジェクトを通じて熊本県の社会課題の解決に取り組み、熊本から九州、そして世界へと広がる新しいスポーツヘルスケア産業モデルを築いていきたいと考えています。


【連携ニーズ】

本プロジェクトを通じ、熊本県の社会課題のひとつである若年層流出を解決するために、プロスポーツチーム・医療従事者・研究者と連携しながら、非侵襲センサーによる怪我予兆の可視化および怪我の予防介入を社会に実装するための実践的な運用モデルを検証したいと考えています。熊本県の新たな産業の柱としてスポーツを起点とした産業創出モデルを構築し、熊本から九州、そして世界へと展開する道筋を皆様と一緒に描いていくことを強く願っております。

令和7年度 コーディネート事業 採択企業(4社)

実証実験後の社会実装に向け、課題解決や戦略策定を伴走型で支援します。採択企業には専任コーディネーターが配置され、必要な場合は課題に合わせて内部・外部の専門家や有識者をアサインし、支援チームを組成します。

株式会社血栓トランスレーショナルリサーチラボ

本事業では、血栓に関わる病気の予防と治療に向けた血栓検査薬「 SMAT® 」とその検査装置に関する研究開発、製造、販売等の予防医療に関する事業を展開し、資金調達を中心とした取組みを通して事業成長および拡大を目指します。

株式会社TANSAQ

本事業では、痛風リスクを見える化する「痛風チェッカー」、中年男性を対象とした健康プログラム「おじテック」等の未病に関する事業を展開し、ブランディングおよびプロモーション戦略を中心とした取組みを通して、新規事業であるフィットネス事業の事業拡大を目指します。

株式会社ココロミル

本事業では、スマートフォンだけで心臓病リスクを検知できるアプリ「心スキャン」について、ユーザーインサイトの深掘りやマーケティング戦略の検討等を通して、社会実装および熊本における地域展開モデルを模索します。

株式会社P&A

本事業では、微細藻類を活用し、健康・美容・環境・水産など多分野への応用が可能なプロダクト微細藻類活性化剤「Algae Power」等のバイオテクノロジーに関する事業を展開し、マーケティング戦略を中心とした取組みを通して、サービスチャネルの拡大を目指します。

UXプロジェクト キックオフイベントの開催

8月28日・29日には、UXプロジェクト拠点「Pre-UXイノベーションハブ」にて、採択企業のお披露目と関係者との連携促進を目的としたキックオフイベントを開催しました。2日間で採択企業によるピッチ、実証フィールドサポーター訪問、学生による取組紹介などを行い、多様な参加者との交流が活発に行われました。

▼開催レポートはこちら

https://ux-project.jp/news/r7ux_jissyo_kickoffevent2025/

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会社概要

熊本県

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URL
https://www.pref.kumamoto.jp/
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
熊本県熊本市中央区水前寺6丁目18−1
電話番号
096-383-1111
代表者名
木村 敬
上場
未上場
資本金
-
設立
1871年04月