大学生×小中学生が「命を守る言葉」を共創 千葉商科大学で「PEACE 防災カルタ2026」を開催

市川・松戸をつなぐ多世代型の地域防災――やさしい言葉とイラストで学び、地域から世界へ届ける防災教材を制作

特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト

 特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト(所在地:千葉県松戸市、代表:中村雄一)は、2026年7月22日、千葉県市川市の千葉商科大学において、「PEACE 防災カルタ2026 in 千葉商科大学」を開催しました。

防災カルタを製作し、世界に日本の防災を届ける松戸・市川の学生・生徒・児童たち

 本事業は、千葉商科大学「地域志向活動助成金制度」の助成を受けて実施する「市川・松戸 スモールケース実装:防災×多文化共生の“やさしい日本語”教材共創プロジェクト(CoRe Loop)」の一環です。

 当日は、千葉商科大学の学生と松戸市内の小中学生が世代を越えてグループをつくり、なかよし学園が世界各地で行ってきた災害支援・防災教育の事例を学んだ後、「災害時に命を守るために伝えたいこと」を読み札と絵札で表現しました。

なかよし学園が行ったコンゴ火山防災活動の様子を見る参加者たち
なかよし学園が行ったコンゴ火山防災活動の様子を見る参加者たち
防災カルタ作成の様子
防災カルタ作成の様子

 完成した防災カルタは、地域で使うだけでなく、なかよし学園が活動する海外の学校や地域でも防災教育教材として活用し、現地から得られた反応や学びを再び市川・松戸地域へ還元することを目指します。

 ※本事業は、千葉商科大学「地域志向活動助成金制度」の助成を受けて実施しています。

世界各地で行われる防災カルタによる防災授業

防災を「教わる学習」から「誰かに伝える活動」へ

 災害時には、外国人ルーツの住民、子ども、高齢者、障がいのある人、地域とのつながりが十分でない人などが、必要な情報へアクセスしにくくなることがあります。

 内閣府も、外国人住民に向けて「やさしい日本語」と15言語に対応した減災情報を提供しており、災害情報を分かりやすく伝えることは、地域防災における重要な課題となっています。

 一方で、防災情報が用意されているだけでは、災害時の行動や地域での助け合いに直結するとは限りません。平時から世代や立場の異なる住民が顔を合わせ、「何を、どのように伝えれば命を守れるか」を一緒に考える機会が必要です。

 今回のワークショップでは、参加者が防災知識を受け取るだけでなく、別の誰かへ伝えることを前提に、言葉を選び、絵を描き、カルタとして形にしました。

「子どもにも伝わる言葉になっているか」

「日本語を母語としない人が、絵を見て意味を理解できるか」

「災害が起きたとき、具体的な行動につながる内容か」

 こうした問いを大学生と小中学生が一緒に考えることで、防災を自分自身の問題として捉えるとともに、情報を受け取る人の立場を想像する学びが生まれました。

内閣府「外国人のための減災のポイント」:
https://www.bousai.go.jp/kyoiku/gensai/index.html

カルタ作成の様子

大学生と小中学生が、対等な立場で教材を制作

 当日は、なかよし学園がコンゴ民主共和国、ルワンダ、カンボジア、ネパールなどの海外、また日本各地で行ってきた災害支援・防災教育の実践を紹介しました。

 参加者は、世界には火山噴火、地震、洪水などの災害リスクを抱えながらも、防災について学ぶ機会や教材が十分ではない地域があることを学びました。その上で、「自分たちが日本で学んでいる防災の知識を、地域や世界の人たちにどう伝えるか」を考えました。

 カルタ制作では、大学生が一方的に小中学生へ教えるのではなく、子どもたちの率直な疑問や発想を大学生が受け止め、一緒に読み札と絵札を制作しました。

 小中学生の分かりやすい表現や自由なイラストと、大学生の防災に関する調査・情報整理の力を組み合わせることで、異なる世代の視点が反映された防災教材が生まれました。

 完成後は、各グループのカルタを実際に並べ、描かれたイラストやメッセージが相手に伝わるかを確認しました。制作と体験を同じ場で行うことで、作って終わるのではなく、使う人の反応をもとに改善する教材づくりにつなげています。

大学生と小中学生がディスカッションで防災について意見を交わす
大学生がファシリテーターを務め、小学生たちとディスカッションを行う

防災カルタが地域連携を生み出す4つの仕組み

1.世代を越えて顔の見える関係をつくる

 地域防災では、災害が起きる前から住民同士が顔を合わせ、互いを知っていることが重要です。

今回の取り組みでは、大学生、小中学生、大学教員、NPO関係者が一つの教材を共同制作しました。カルタという取り組みやすい題材を介することで、年齢や所属の違いを越えた対話が生まれています。

このつながりは、平時の学習にとどまらず、災害時に声を掛け合える地域の共助基盤へ発展することが期待されます。

2.「やさしい言葉」とイラストで情報の壁を低くする

 防災カルタでは、長い説明ではなく、短い言葉と一目で分かるイラストで防災行動を表現します。

この形式は、子どもや日本語を学んでいる外国人住民などにも内容を届けやすく、読み書きの力や日本語能力だけに依存しない防災啓発につながります。

誰にでも伝わる表現を考える過程そのものが、多文化共生や情報アクセシビリティーを学ぶ機会にもなります。

3.大学の学びを地域の具体的な成果物へ変える

 千葉商科大学の学生にとって、本事業は地域課題を調査し、教材を設計し、実際の参加者と試し、評価・改善する実践型の学びです。

学生は、防災や多文化共生について調べるだけでなく、小中学生との合意形成、ワークショップの運営、情報の視覚化などに取り組みます。

大学での学びが地域で使える教材として残ることで、教育と社会貢献を結ぶ具体的な地域連携モデルとなります。

4.地域で生まれた教材を世界で使い、成果を地域へ戻す

 制作した教材は、市川・松戸地域に還元するとともに、なかよし学園が連携する海外の学校や地域でも活用する予定です。

海外でカルタを使用した際の子どもたちの反応や、地域ごとに異なる災害への備えを記録し、制作に関わった学生や子どもたちへフィードバックします。

「地域で作る」「世界で使う」「反応を地域へ戻す」という循環により、自分たちの学びが地域や国境を越えて誰かの命を守る可能性を実感できることが、本事業の大きな特徴です。

世代を超えて顔の見える関係を作る
大学の学びを地域の成果物へ
やさしい言葉で情報の壁を低くする
世界各地で活用

制作して終わらない「CoRe Loop」による循環型防災教育

 なかよし学園では、教材や支援物資を一方向に届けるのではなく、届けた先で生まれた反応や成果を制作者へ戻し、次の学びや改善につなげる循環型共創モデル「CoRe Loop」を展開しています。

今回の防災カルタも、次の循環を想定しています。

  1. Create:地域でつくる
    大学生、小中学生、教員、NPOが防災教材を共同制作する。

  2. Deliver:地域や世界へ届ける
    学校、地域活動、多文化共生の場、海外の教育現場で活用する。

  3. Co-create:使う人と一緒に改善する
    子どもや外国人住民、海外の参加者から分かりにくい表現や必要な情報を聞き取る。

  4. Return:反応を制作者へ戻す
    写真、感想、実施記録などを大学生や小中学生へ届ける。

  5. Expand:他地域へ展開する
    改訂した教材や実施方法を共有し、市川・松戸以外の地域でも活用できるモデルへ発展させる。

この循環によって、防災カルタを単発イベントの制作物ではなく、地域と世界の参加者によって成長し続ける防災教育教材にしていきます。

世界に日本の防災の知見を広め、防災で人々の命を守る

期待される成果――個人の学びから地域の防災力へ

 本事業では、防災カルタの制作を通じて、次の成果を期待しています。

参加者個人への成果

・災害時に取るべき行動についての理解

・防災を自分自身の問題として考える意識

・相手の年齢や言語背景に配慮して情報を伝える力

・自分の学びが地域や世界に役立つという自己効力感

世代間交流への成果

・大学生と小中学生による対話機会の創出

・教える側・教わる側を固定しない協働学習

・子どもの発想と大学生の調査・構成力を生かした教材制作

・地域内における顔の見える関係づくり

地域防災への成果

・子どもや外国人住民にも理解しやすい防災教材の蓄積

・学校、大学、NPO、地域団体を結ぶ連携基盤の形成

・防災訓練や地域イベントで活用できる参加型教材の開発

・災害時に情報から取り残される人を減らすための意識向上

大学・地域連携への成果

・学生が地域課題の調査から実装、評価までを経験するPBLの実現

・大学の知見とNPOの国内外における実践経験の融合

・教材テンプレート、実施記録、参加者アンケートなどの蓄積

・他地域へ応用可能な小規模実証モデルの構築

 今後は、参加者アンケートや制作したカルタの内容を分析し、「防災意識」「分かりやすさ」「行動へのつながり」「世代間交流」「地域や世界への貢献実感」などの観点から成果を検証します。

なかよし学園の活動国では災害だけでなく、戦争からの避難も命を守る重要なテーマとなる

参加者の感想から見えた変化――「知らなかった」が「自分にもできる」へ

 参加者から寄せられた感想には、防災を単なる知識として学ぶのではなく、自分自身や家族、地域、世界と結びつけて考えるようになった変化が表れていました。

 特に多く見られたのは、防災を「誰かが行うもの」ではなく、自分から行動する必要があるものとして捉え直した声です。

「ニュースなどで見ることはあっても、実際に自分が関わる機会はありませんでした。今日の活動を通して、世界に向けてアクションを起こすことも体験できました」

防災は他人事ではない。自分も防災をちゃんとしなくてはと思いました」

「何も知らず、自分にできることはないと思っていましたが、身近なことからやることが大事だと知りました。行動を起こしてみようと思います」

 また、世界には災害や防災について十分な情報を得られない地域があることを知り、自分たちが制作したカルタを多くの人へ届けたいという声も寄せられました。

「危険なことに気づかず生活している人や、自分の身を守るための情報を知らない人もいると知りました。この活動がいろいろな場所へ広がってほしいです」

「今回の防災カルタを、もっとたくさんの人に広めていきたいと思いました」

「もっと世界のことが知りたくなりました」

 大学生と小中学生が同じテーブルで話し合ったことも、参加者にとって大きな学びとなりました。年齢や経験の異なる人と意見を交わすことで、自分一人では思いつかなかった防災の視点に触れたという感想が複数見られました。

「小学生や大学生のほかに、大人とも話すことができて楽しかったです。自分たちが当たり前だと思っていることが、ほかの国では違うことも知りました」

「年齢の違う人と話すことができて、とても楽しかったです」

「大学生と交流できて楽しかったです。ディスカッションで話し合うことで、頭の中が整理されました」

「防災について、自分にはなかった考えをカルタにしていて、とても面白かったです」

 感想には、「津波のときは立ち止まらず逃げる」「災害が起きる前に家族と話し合う」「学んだことを家族に伝える」といった、具体的な行動につながる記述もありました。

 これらの声から、今回の防災カルタづくりが、防災知識の習得だけでなく、①防災の自分事化、②身近な行動への意欲、③世代を越えた対話、④世界の課題への関心、⑤自分の学びを誰かのために役立てる自己効力感を育む機会になったことがうかがえます。

「知らなかったから、何もできない」から、「知った自分が、身近なところから行動する」へ。参加者の言葉には、地域防災を支える小さくも確かな変化が表れていました。

小学生と大学教員のディスカッションが実現する場面も

今後の展開

今回制作したカルタについて、子どもや日本語を母語としない人にも伝わる表現になっているかを確認し、必要に応じて言葉やイラストを改訂します。

その後、学校、地域の防災活動、多文化交流の場などで活用できる教材として整備し、市川・松戸地域へ還元する予定です。

 また、なかよし学園が活動する海外の学校や地域でもカルタを実践し、現地の子どもたちや教員から得られた反応を日本の参加者へ届けます。世界での実践を通じて、日本では気づきにくい災害リスクや防災文化の違いを学び、教材のさらなる改善につなげていきます。

 市川と松戸で生まれた小さなカルタを、地域の共助を育て、世界の命を守る学びへ――。なかよし学園は、地域と世界を往復する防災教育を継続していきます。

なかよし学園プロジェクト代表・中村雄一 コメント

「防災で大切なのは、知識を持っていることだけではありません。その知識を、目の前にいる人へどのように伝え、一緒に行動できるかが問われます。

 今回、大学生と小中学生が同じテーブルを囲み、誰かの命を守るための言葉と絵を一緒に考えました。大人が子どもに教えるだけでも、大学が地域へ知識を提供するだけでもありません。それぞれの経験や 発想を持ち寄り、一つの教材をつくったことに大きな意味があります。

このカルタを地域や世界で活用し、受け取った人たちの声を市川・松戸へ戻すことで、参加した子どもたちや学生にも、自分たちの学びが誰かの命を守る力になることを実感してもらいたいと思います」

国際連合ACUNS学術会議でも日本の防災を世界にアピールする中村雄一代表

開催概要

名称
PEACE 防災カルタ2026 in 千葉商科大学

実施日
2026年7月22日(水)

時間
14時00分~15時30分

会場
千葉商科大学 1号館1102教室
千葉県市川市国府台1丁目3番1号

参加者
千葉商科大学の学生、松戸市内の小中学生、大学教員、なかよし学園関係者ほか

主催
特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト

地域活動アドバイザー
千葉商科大学 総合政策学部 准教授 戸川和成氏

助成
千葉商科大学「地域志向活動助成金制度」

助成事業名
市川・松戸 スモールケース実装:防災×多文化共生の“やさしい日本語”教材共創プロジェクト(CoRe Loop)

実施内容

なかよし学園による世界の災害・防災教育の紹介地域防災と多文化共生についての学習大学生と小中学生による防災カルタの共同制作完成したカルタの共有・体験参加者アンケートによる成果把握

千葉商科大学「地域志向活動助成金制度」:
https://www.cuc.ac.jp/news/2025/katsudo2026.html

団体概要

団体名
特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト

所在地
千葉県松戸市小金原4-14-14

代表者
中村雄一

事業内容
「世界とつながる学び(CoRe Loop)」を軸とした探究教育、平和教育、多文化共生教育、防災教育及び国内外での教育支援活動

公式サイト
https://nakayoshigakuen.org

本件に関するお問い合わせ先

特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト 事務局
TEL:047-704-9844
E-mail:peace.office@nakayoshigakuen.org

すべての画像


会社概要

URL
https://nakayoshigakuen.org
業種
教育・学習支援業
本社所在地
千葉県松戸市小金原4-14-14
電話番号
047-704-9844
代表者名
中村雄一
上場
未上場
資本金
-
設立
2019年04月