【摂南大学】久保康之学長が日本農学賞・読売農学賞を受賞
「ウリ類炭疽病菌の付着器侵入の分子機構に関する研究」
摂南大学の久保康之学長(農学部農業生産学科教授)が長年取り組んできた「ウリ類炭疽病菌の付着器侵入の分子機構に関する研究」が2025年度日本農学賞/読売農学賞に選ばれ、4月5日の第96回日本農学大会で授与式と受賞講演会が行われました。
【本件のポイント】
● 日本の農学研究者にとって最高の栄誉である日本農学賞を受賞
● ウリ類炭疽病菌の付着器が能力を発揮するにはメラニン色素の合成が欠かせないことを
世界で初めて証明した
● 病害管理技術の確立や病害抵抗性を持つ品種の育種開発につながる研究


人間の病気の原因は主にウイルスや細菌ですが、植物の病気の多くは糸状菌(カビ)によるものです。特に炭疽病菌は600種を超える農作物に感染し、世界各地で果樹や野菜の収量低下や品質劣化を招く重大な病原菌として知られています。
久保学長はウリ類炭疽病菌が植物に侵入するために形成する付着器を軸に、感染する仕組みを分子レベルで解明してきました。付着器が能力を発揮するには、メラニン色素の合成が欠かせないことを世界で初めて証明し、色素合成を阻害すれば植物を病気から守ることができるという現象の解明から、イネいもち病の非殺菌的農薬の開発や普及につなげました。また、ウリ類炭疽病菌をモデルに糸状菌の遺伝学的解析手法を確立し、植物病原性糸状菌研究の基盤を構築。細胞周期制御や病原性遺伝子を突き止め、糸状菌ゲノムの先駆的解析などにより農業現場の病害防除に活用されています。
これまでの研究成果は、従来の化学防除技術を基盤としつつ、その枠組みにとらわれない新たな病害管理技術の確立や、環境負荷の少ない防除資材の開発に役立つことが期待されています。また、高度な病害抵抗性を持つ品種の育種開発など、持続可能な農業の実現や将来的な食糧生産の安定化などに生かしていくことができます。
※日本農学大会での受賞講演の要旨は別紙をご参照ください
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