第18回「MONEXグローバル投資家サーベイ」実施~個人投資家は中国の今年の成長目標7%達成に懐疑的~
2015年8月28日から9月7日にかけて第18回「MONEX グローバル投資家サーベイ」を実施(注1)しました。
8月の世界の株式市場はまさに大混乱となりました。主要国の8月の株価指数(前月末比)を比較すると、米国のダウ平均が-6.6%、ドイツのDAX指数が-9.3%、日本の日経平均が-8.2%、中国の上海総合指数が-12.5%と世界同時株安となりました。S&P500のボラティリティ・インデックス(VIX指数)が一時40を超えるなどマーケットはパニック状態でした。
マーケットの混乱の大きな要因のひとつに、中国経済の減速懸念があるようです。また、上海総合指数が大幅に下落し、中国のバブルが弾けたのではないかとの不安も取り沙汰されました。このような市場環境で個人投資家の心理が悲観的見方に傾いたため、世界の株式市場に対する見通しDIは3地域の個人投資家とも揃って大幅に低下しました。
また、今月の特別調査では、各地域の個人投資家に中国が2015年の公式GDP成長率目標である7%を達成できると思うかについてたずねたところ、各地域とも「達成されないと思う」との回答が最も多く、個人投資家が目標達成に懐疑的であることがわかりました。また、日本の個人投資家に定例で調査している注目のトピックでは、中国(香港含む)の金融政策などについて前月と比較して注目度が高まりました。
主な調査結果
1.グローバル調査結果 調査対象:日本、米国、中国(香港)の個人投資家
(1-1)世界同時株安を受け3地域ともDI(注2)が低下
[参照:別紙レポート 2ページグラフ1]
各地域の個人投資家に今後3ヶ月程度の世界の株式市場に対する見通しをたずねたところ、3地域とも前回調査時(2015年5~6月実施)からDIが低下し、米国では2014年6月以来、中国(香港)では2012年9月以来DIがマイナスに転じました。世界同時株安の発生を受け、世界的に個人投資家の心理が悲観的見方に傾きました。
【DI(日本)】 (2015年6月) 24→(2015年9月) 4 (前回比-20ポイント)
【DI(米国)】 (2015年6月) 9→(2015年9月) -25(前回比-34ポイント)
【DI(中国(香港))】 (2015年6月) 43→(2015年9月) -21(前回比-64ポイント)
(1-2)全地域で経済が好調に推移している米国への期待が高まる
[参照:別紙レポート3ページグラフ2-1~2-4]
今後3ヶ月で最も上昇が期待できる地域を「米国」と回答した割合が、すべての地域で前回調査時から上昇しました。世界的に株価が冴えない中で、4-6月期の実質GDP(改定値)が前期比年率3.7%増と堅調で、主要国の中で相対的に景気がしっかりしているとみられる米国に期待が高まったようです。
日本:(米国: 40.5%、欧州(英国): 10.8%、アジア(日本を除く): 5.8%、日本: 42.9%)
米国:(米国: 70.4%、欧州(英国): 20.9%、アジア(日本を除く): 6.1%、日本: 2.6%)
香港:(米国: 53.9%、欧州(英国): 16.0%、アジア(日本を除く):20.9 %、日本: 9.2%)
(1-3)米国の9月利上げ開始を見込む個人投資家の割合が3地域揃って低下
[参照:別紙レポート6ページグラフ6]
FRBが利上げを開始する時期について、「9月に利上げを開始すると思う」と回答した割合が3地域揃って前回調査時から低下しました。雇用統計などの経済指標から判断するとFRBが重視する米国の労働市場は堅調な回復を続けています。ただ、足下のマーケットの混乱を受けてFRBが9月利上げを見送るのではないかと考えた個人投資家が増加したようです。
日本:(2015年9月: 10.3%、2015年10月~12月: 55.5%、2016年以降: 34.2%)
米国:(2015年9月: 13.0%、2015年10月~12月: 48.7%、2016年以降: 38.3%)
香港:(2015年9月: 13.0%、2015年10月~12月: 40.0%、2016年以降: 47.0%)
(1-4)各地域の投資家とも中国の公式GDP目標達成に懐疑的
[参照:別紙レポート6ページグラフ7-1,7-2]
中国が2015年の公式GDP成長率目標である7%を達成できると思うかについてたずねました。各地域とも「達成されないと思う」と回答した割合が最も多く、個人投資家が中国の経済成長に懐疑的な現状が浮き彫りとなりました。また、あわせて人民元が今後米ドルに対し下落すると思うかたずねたところ、各地域とも7割近くが今後「さらに下落すると思う」と回答しました。
日本:(達成されると思う: 9.5%、よくわからない: 17.6%、達成されないと思う: 72.9%)
米国:(達成されると思う: 7.8%、よくわからない: 36.5%、達成されないと思う: 55.7%)
香港:(達成されると思う: 26.0%、よくわからない: 25.0%、達成されないと思う: 49.0%)
2.日本限定の調査結果(月次) 調査対象:日本の個人投資家
(2-1)日本株・米国株・中国株のDIが揃って上昇
[参照:別紙レポート7ページグラフ8-1,8-2]
日本の個人投資家に今後3ヶ月程度の各国(日本、米国、中国)の株式市場見通しについてたずねたところ、すべてのDIが上昇しました。中でも米国株DIは前回調査時(2015年8月実施)から23ポイントの大幅上昇で、2015年3月以来6ヶ月ぶりの高水準となりました。中国株DIは前月から10ポイント上昇したとはいえ、-58と超低水準が続いており、日本の個人投資家は中国株についてかなり悲観的なようです。
【日本株DI】(2015年8月)36→(2015年9月)38(前回比+2ポイント)
【米国株DI】(2015年8月)15→(2015年9月)38(前回比+23ポイント)
【中国株DI】(2015年8月)-68→(2015年9月)-58(前回比+10ポイント)
(2-2)中国の金融政策への注目が高まる
[参照:別紙レポート8ページグラフ10-1,10-2]
前回調査時から最も注目が高まった注目トピックは、中国(香港含む)の「金融政策」でした。その他にも「為替動向」や「金利動向」など、全般的に中国動向への注目が高まりました。利下げや預金準備率の引き下げ、さらに人民元の切り下げなど緩和的な金融政策の実施を頻繁に発表している中国の動向に投資家が注目度を高めていることがわかりました。
◆調査結果の詳細は、添付の別紙レポートをご参照ください。
(注1)日本、米国および中国(香港)における調査の実施概要は次のとおりです。
8月の世界の株式市場はまさに大混乱となりました。主要国の8月の株価指数(前月末比)を比較すると、米国のダウ平均が-6.6%、ドイツのDAX指数が-9.3%、日本の日経平均が-8.2%、中国の上海総合指数が-12.5%と世界同時株安となりました。S&P500のボラティリティ・インデックス(VIX指数)が一時40を超えるなどマーケットはパニック状態でした。
マーケットの混乱の大きな要因のひとつに、中国経済の減速懸念があるようです。また、上海総合指数が大幅に下落し、中国のバブルが弾けたのではないかとの不安も取り沙汰されました。このような市場環境で個人投資家の心理が悲観的見方に傾いたため、世界の株式市場に対する見通しDIは3地域の個人投資家とも揃って大幅に低下しました。
また、今月の特別調査では、各地域の個人投資家に中国が2015年の公式GDP成長率目標である7%を達成できると思うかについてたずねたところ、各地域とも「達成されないと思う」との回答が最も多く、個人投資家が目標達成に懐疑的であることがわかりました。また、日本の個人投資家に定例で調査している注目のトピックでは、中国(香港含む)の金融政策などについて前月と比較して注目度が高まりました。
主な調査結果
1.グローバル調査結果 調査対象:日本、米国、中国(香港)の個人投資家
(1-1)世界同時株安を受け3地域ともDI(注2)が低下
[参照:別紙レポート 2ページグラフ1]
各地域の個人投資家に今後3ヶ月程度の世界の株式市場に対する見通しをたずねたところ、3地域とも前回調査時(2015年5~6月実施)からDIが低下し、米国では2014年6月以来、中国(香港)では2012年9月以来DIがマイナスに転じました。世界同時株安の発生を受け、世界的に個人投資家の心理が悲観的見方に傾きました。
【DI(日本)】 (2015年6月) 24→(2015年9月) 4 (前回比-20ポイント)
【DI(米国)】 (2015年6月) 9→(2015年9月) -25(前回比-34ポイント)
【DI(中国(香港))】 (2015年6月) 43→(2015年9月) -21(前回比-64ポイント)
(1-2)全地域で経済が好調に推移している米国への期待が高まる
[参照:別紙レポート3ページグラフ2-1~2-4]
今後3ヶ月で最も上昇が期待できる地域を「米国」と回答した割合が、すべての地域で前回調査時から上昇しました。世界的に株価が冴えない中で、4-6月期の実質GDP(改定値)が前期比年率3.7%増と堅調で、主要国の中で相対的に景気がしっかりしているとみられる米国に期待が高まったようです。
日本:(米国: 40.5%、欧州(英国): 10.8%、アジア(日本を除く): 5.8%、日本: 42.9%)
米国:(米国: 70.4%、欧州(英国): 20.9%、アジア(日本を除く): 6.1%、日本: 2.6%)
香港:(米国: 53.9%、欧州(英国): 16.0%、アジア(日本を除く):20.9 %、日本: 9.2%)
(1-3)米国の9月利上げ開始を見込む個人投資家の割合が3地域揃って低下
[参照:別紙レポート6ページグラフ6]
FRBが利上げを開始する時期について、「9月に利上げを開始すると思う」と回答した割合が3地域揃って前回調査時から低下しました。雇用統計などの経済指標から判断するとFRBが重視する米国の労働市場は堅調な回復を続けています。ただ、足下のマーケットの混乱を受けてFRBが9月利上げを見送るのではないかと考えた個人投資家が増加したようです。
日本:(2015年9月: 10.3%、2015年10月~12月: 55.5%、2016年以降: 34.2%)
米国:(2015年9月: 13.0%、2015年10月~12月: 48.7%、2016年以降: 38.3%)
香港:(2015年9月: 13.0%、2015年10月~12月: 40.0%、2016年以降: 47.0%)
(1-4)各地域の投資家とも中国の公式GDP目標達成に懐疑的
[参照:別紙レポート6ページグラフ7-1,7-2]
中国が2015年の公式GDP成長率目標である7%を達成できると思うかについてたずねました。各地域とも「達成されないと思う」と回答した割合が最も多く、個人投資家が中国の経済成長に懐疑的な現状が浮き彫りとなりました。また、あわせて人民元が今後米ドルに対し下落すると思うかたずねたところ、各地域とも7割近くが今後「さらに下落すると思う」と回答しました。
日本:(達成されると思う: 9.5%、よくわからない: 17.6%、達成されないと思う: 72.9%)
米国:(達成されると思う: 7.8%、よくわからない: 36.5%、達成されないと思う: 55.7%)
香港:(達成されると思う: 26.0%、よくわからない: 25.0%、達成されないと思う: 49.0%)
2.日本限定の調査結果(月次) 調査対象:日本の個人投資家
(2-1)日本株・米国株・中国株のDIが揃って上昇
[参照:別紙レポート7ページグラフ8-1,8-2]
日本の個人投資家に今後3ヶ月程度の各国(日本、米国、中国)の株式市場見通しについてたずねたところ、すべてのDIが上昇しました。中でも米国株DIは前回調査時(2015年8月実施)から23ポイントの大幅上昇で、2015年3月以来6ヶ月ぶりの高水準となりました。中国株DIは前月から10ポイント上昇したとはいえ、-58と超低水準が続いており、日本の個人投資家は中国株についてかなり悲観的なようです。
【日本株DI】(2015年8月)36→(2015年9月)38(前回比+2ポイント)
【米国株DI】(2015年8月)15→(2015年9月)38(前回比+23ポイント)
【中国株DI】(2015年8月)-68→(2015年9月)-58(前回比+10ポイント)
(2-2)中国の金融政策への注目が高まる
[参照:別紙レポート8ページグラフ10-1,10-2]
前回調査時から最も注目が高まった注目トピックは、中国(香港含む)の「金融政策」でした。その他にも「為替動向」や「金利動向」など、全般的に中国動向への注目が高まりました。利下げや預金準備率の引き下げ、さらに人民元の切り下げなど緩和的な金融政策の実施を頻繁に発表している中国の動向に投資家が注目度を高めていることがわかりました。
◆調査結果の詳細は、添付の別紙レポートをご参照ください。
(注1)日本、米国および中国(香港)における調査の実施概要は次のとおりです。
(注2)DI(diffusion index):「上昇すると思う」、「良くなると思う」と回答した割合(%)から「下落
すると思う」、「悪くなると思う」と回答した割合(%)を引いたポイント
「MONEXグローバル投資家サーベイ」について
マネックス証券は2009年10月より、個人投資家を対象として相場環境についての意識調査のアンケートを毎月実施し「MONEX個人投資家サーベイ」として提供してまいりました。当グループにおいて、日本に加え米国および中国(香港)にも証券事業の拠点ができたことを契機に、当該個人投資家サーベイの調査対象を米国および中国(香港)にも広げ、2011年6月より四半期ごとにマネックス証券、TradeStation Securities, Inc.およびMonex Boom Securities (H.K.) Limitedの3社共同で「MONEXグローバル投資家サーベイ」を実施し、日本、米国および中国(香港)の個人投資家の相場環境についての意識を定点観測しております。
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