ローデ・シュワルツがNVIDIA社と協力して行うAI/MLベースのニューラル・レシーバのテストがさらに前進
ローデ・シュワルツは、NVIDIA社と協力して行っているAI駆動型の無線通信に関する研究において、大きなブレークスルーを達成しました。バルセロナで開催のMWC 2025では、その最新の概念実証のご紹介として、デジタル・ツイン技術と高忠実度なレイトレーシングを活用し、5G-Advancedおよび6G向けのニューラル・レシーバをより現実的な条件のもとでテストします。

ローデ・シュワルツはAI駆動型無線通信の研究の射程を広げ続けてきましたが、今回、ニューラル・レシーバの設計とテストにおいて新たなマイルストーンに達しました。バルセロナで開催のMWC 2025に展示するためNVIDIA社と共同開発した最新の概念実証(proof-of-concept:PoC)では、デジタル・ツイン技術と高忠実度レイトレーシングを統合して、現実的な伝搬条件のもとで5G-Advancedおよび6G向けニューラル・レシーバをテストできる堅牢なフレームワークを構築しました。その目的は、AI駆動による無線シミュレーションと実社会での展開・運用の間にあるギャップを埋め、次世代レシーバのアーキテクチャに対するもっと効率的で高確度なテストを容易に行えるようにすることです。
ローデ・シュワルツとNVIDIA社の長きにわたる協力関係は、これまでのMWCでもデモンストレーションを通じて紹介してきましたが、今回で4度目の重要なマイルストーンに到達しました。この数年におよぶ共同での実証実験を通じて、アナログ回線障害を処理するためのニューラル・レシーバのトレーニングからパイロットレス通信のためのカスタム・コンステレーションの設計まで、無線通信におけるAI/MLを他に先駆けて発展させてきました。
今回のデモンストレーションの中核を担っているのが、リンクレベルのシミュレーションのためのGPUアクセラレーション・オープンソース・ライブラリNVIDIA Sionnaであり、レイトレースしたワイヤレス・チャネル・モデルをもとに現実的なRF伝搬条件を生成します。そのシミュレーションの結果は、ローデ・シュワルツのR&S SMW200Aベクトル信号発生器にシームレスに転送され、別途、高価なRFフェージング装置を用いることなく、複雑な実世界の無線チャネルをエミュレートできます。こうした高度なテストベッドを使えば、 AI/MLベースのレシーバ・アルゴリズムのテストと検証が可能になるうえ、ニューラル・コンポーネントに対して、現実に即したトレーニングデータを用いたデータ駆動型のファイン・チューニングにも対応できます。
デジタル・ツインとレイトレーシング・モデルが実環境を正確に反映していることを保証できるように、シミュレーションは都市の市街地で行った特別なチャンネル・サウンディング測定キャンペーンのデータをもとに校正されています。これらの精密な測定値をNVIDIA Sionnaと組み合わせて、物質相互作用と電磁波伝搬をモデル化するレイトレーサーの能力をさらに精緻化しました。その結果、物理的なRF環境のデジタル・ツインとしてしっかり校正されたものとなっています。こうした技術の組み合わせにより、ニューラル・レシーバやMLを活用したCSIフィードバック強化といったアプリケーションをはじめとして、次世代の機械学習ベースの通信アルゴリズムを現場に合わせた条件のもとで高確度にテスト・検証できるようになっています。
ローデ・シュワルツで信号発生器とパワーサプライ/パワーメータを担当する副社長のGerald Tietscherは次のように説明しています。「このNVIDIA社との連携は、無線通信におけるAI/MLアプリケーションの進展の重要なマイルストーンを示してきました。すでに私どもの取組みによって、カスタム・コンステレーションからニューラル・レシーバによる現世界の通信障害への対応まで、ワイヤレス・システム設計に対するAIのポテンシャルが実証されています。そして今回、デジタル・ツインとレイトレーシングの統合によって、AI駆動の信号処理が持つ可能性がさらに広がりました」。
一方、NVIDIA社の電気通信担当副社長Soma Velayutham氏も次のように述べています。「デジタル・ツイン技術は、ワイヤレス・システムの設計を一変させる可能性を秘めています。当社NVIDIAの先進的なレイトレーシングと機械学習をレシーバ開発に統合したローデ・シュワルツは、従来の実装方法に比べて、はるかに高い効率と革新性を提供できるAIネイティブな6Gネットワークへの道を着実に切り拓いてくれています」。
ローデ・シュワルツは、世界的な6G研究に重要な貢献を果たしながら、産業界のパートナー企業や研究機関、標準化機関などとも協力して、2030年までには商用利用が始まると見込まれる次世代の6G無線技術の開発を進めています。
2025年3月3~6日にバルセロナの展示会場Fira Gran Viaで開催のMWC 2025に来場いただくと、今回の画期的なデモンストレーションを直接ご覧になれるうえ、ローデ・シュワルツやNVIDIA社のエキスパートと意見交換することもできます。ぜひ、ホール5・小間番号5A80のローデ・シュワルツ展示ブースまでお越しください。6GネットワークのためのAI/MLについて、詳しくは https://www.rohde-schwarz.com/_257029.html でご覧になれます。
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ローデ・シュワルツについて
ローデ・シュワルツは、電子計測、技術システム、ネットワークおよびサイバーセキュリティの各部門を通じ、より安全に“つながる”社会の実現に向けて努力を重ねています。グローバルな技術指向のグループとして、90年にわたって先端技術の開発を続け技術の限界を押し広げてきました。当社の最新製品やソリューションは、産業界や規制当局および行政機関のお客様がデジタル技術の主権を得るためのお力添えをしています。ドイツ・ミュンヘンを拠点としたプライベートな独立企業であり、長期的かつ持続的な経営を行える体制を構築しています。ローデ・シュワルツは、2023/2024会計年度(昨年7月から本年6月まで)には29.3億ユーロの純収益を上げました。また、2024年6月30日現在、ローデ・シュワルツでは約14,400名の従業員が全世界で活躍しています。
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