世界40カ国・地域におけるAI関連検索キーワード調査について

 グローバルマーケティング事業*を展開しているアウンコンサルティング株式会社(東証スタンダード市場:2459、本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:信太明、以下「アウンコンサルティング」)はこの度、世界40カ国・地域を対象に、2024年1月15日から2025年1月14日までの1年間における、「AI」に関連したGoogle検索のキーワードを調査**しましたので、その結果をお知らせいたします。

* 海外SEO (検索エンジン最適化)、および海外広告 (サービス概要:https://www.auncon.co.jp/service/)

** 今回の調査における各検索キーワードのランキングは、「Googleトレンド」により集計された、注目度を反映したものとなっており、推定値であることにご留意ください。

■世界で注目を集める生成AI市場

 「ビジネスAI元年」としても広く認識された2024年ですが、生成AIツールは、現在も次々と誕生しており、今回の調査においても、各国・地域で様々な生成AIツールの名称がキーワードとしてランクインし、エンターテインメント、教育、ビジネス、マーケティングなど、多様な分野で広く注目、利用されていることが明らかになりました。

 特に、中国でのAI市場の成長は目覚ましく、続々とAIツールが公開されている一方で、2025年1月に公開された「DeepSeek(ディープシーク)」においては、情報の取り扱いや脆弱性に関する指摘、各国・地域での利用に関する規制に加え、世界の株式市場にも影響を与えた、いわゆる「DeepSeekショック」などにより、多くの注目を集めています。

 ユーザーにとっては選択肢が広がっていく中で、どのような生成AIツールが特に人気を集め、利用されているのか、またどんなリスクに備えてビジネス戦略を立てるのかといった点においても、この急速に変化するAI市場の最新情報をキャッチアップしておくことは重要だと言えます。

■最も注目されたAIツールの分野は「動画生成」

 様々な生成AIツールがランクインした中で、特に動画生成に対応したAIツールが多くの国や地域で検索されており、以下に示す表(※)では、全体の54.5%を動画生成の分野が占める結果となりました。

 動画生成はエンターテインメントや、教育コンテンツの生成など様々な用途で活用することができます。特にマーケティング分野においては、広告や製品デモなどのプロモーション動画の制作において、これまで課題とされていた費用や時間といった制作コストや、高度な編集スキルの必要性などを解消することができ、データ分析に基づきパーソナライズされた、より効果的な動画制作も容易になっています。製品やサービスの魅力を直感的に伝えることが出来る動画広告の市場は、スマートフォンやSNSの普及に伴い、今後も拡大することが予想できます。

 より高品質でリアルな動画を生成できるような技術の進化とともに、様々な用途で活用することができるため、多方面からより多くの注目を集めていると考えられます。

(※)各キーワード(生成AIツール名)が、Google トレンドトップ10にいくつの国・地域でランクインしたのかを示しています。

・多くの国で注目を集めた「Viggle AI(ビグル エーアイ)」

 Viggle AIは、カナダのトロントに拠点を置くスタートアップ企業によって運営されているサービスであり、2024年4月にリリースされて以来、Viggle AIを利用して作成された動画が、SNSを中心に世界中で話題となり注目を集めました。特に、既存のビデオシーンに任意の人物やキャラクターの画像を当てはめて作成されたユニークな動画が多く拡散された事で、リリース直後から多くのSNSユーザーや、エンターテインメントコンテンツのクリエイターを中心に注目され人気を集めました。

 現在も機能のアップデートを続けており、さらに多くの国や地域で注目を集めることが予想されます。

・「Viggle AI」と同等の注目を集めた「KLING(クリング)」

 KLINGは、中国のテック企業「快手(Kuaishou)」より、2024年6月にリリースされた動画生成AIツールで、テキストや静止画から、1080p解像度(フルHD)のリアルで高品質な動画を生成できる点で注目を集めています。

 ユニークな動画で注目を集めたViggle AIに対し、KLING AIは入力したプロンプト次第でより洗練された動画が手軽に生成できるため、コンテンツ制作者やマーケティング担当者にも注目を集め、今後さまざまな分野での応用が期待できます。

■日本における国産の生成AIツールへの注目

 日本国内においても、AI関連のサービスを提供する企業は、大手企業からスタートアップ企業まで存在しており、今後も増加が見込まれます。今回の調査では、日本の特徴や文化を取り入れ、2024年に公開された生成AIツールが特に注目を集めたとして国内でランクインしました。

・日本人の課題や悩みに寄り添った「Cotomo(コトモ)」

 2024年2月にStarley株式会社(東京都港区)より提供されたCotomoが、日本国内における、国産のAIで最も注目されたキーワードとしてランクインしました。Cotomoは音声会話型の「おしゃべりAI」として設計され、2024年12月には、シニア世代を対象に、認知症予防や家族とのコミュニケーション向上を目的とした「茶の間Cotomo」というサービスも提供され、注目を集めました。

 高齢化が進む日本においては、シニア層やその家族が抱える課題に対するソリューションを提供することは非常に重要であり、特に国内での注目を集める要因であると言えます。

・日本の伝統を取り入れた画像生成を行う「Sakana AI(サカナ エーアイ)」

 米グーグル出身の研究者と、メルカリの元執行役員の共同により2023年7月に設立されたSakana AI株式会社(東京都港区)は、高性能な生成AIモデルを作成する技術を持ち、日本語対応の言語モデル「EvoLLM-JP」や、画像生成モデル「EvoSDXL-JP」などの開発を行っています。また、2024年9月には、アメリカの大手半導体メーカーのNVIDIA(エヌビディア)をはじめとした、総額200億円規模の資金調達が発表(※1)され、企業価値が11億ドル(約1700億円)を超えたことで、日本発のスタートアップとしては最速でのユニコーン企業となり、多くの注目を集めました。

 日本で設立した理由については、NHKのインタビュー(※2)にて「AIの研究開発現場の中心がアメリカと中国といった、少数の企業や政府により支配されるのは、世界にとって健全ではなく、その2カ国の中心に位置する日本が、地政学的にも経済的にも、技術開発の分野でより重要になる」などといった創業者の考えが述べられており、日本に対する信頼や期待を感じる事が出来ます。

 プロダクトとしては、主にプロンプトから浮世絵の画像を生成する、「Evo-Ukiyoe」や、単色摺の浮世絵画像を多色摺の浮世絵に変換する「Evo-Nishikie」を提供しており、日本の伝統文化が取り入れられた画像生成AIとなっています。

 IDC Japan(※3)によると、日本のAI市場規模(支出額)が2028年には2兆8,911億円規模に達すると予測されています。要因としては、各産業におけるAI活用の拡大や、サービス革新への期待感の拡大などとされており、今後の技術の進化や、社会問題への対応に伴うAI導入、また政府による資金援助やプロジェクト提供といった支援などによる市場拡大が期待できます。

 また、2025年2月には、ソフトバンクグループよりOpenAIとの合併会社「SB OpenAI Japan」の設立が発表(※4)され、国際的なパートナーシップを通じてグローバル市場での存在感を高めています。

 今後はAI技術の研究開発やAI人材の確保、また政府によるAI関連法制度の整備なども、日本のAI市場の更なる成長に必要だと言えます。

 生成AIに関する市場は、日々の技術の進化や、多くの企業による参入で競争が激化しています。引き続き最新の動向や、各国・地域の特性、トレンドを理解し、より効果的なプロモーションによりビジネスを成長させていくことが求められます。

国・地域別検索キーワードの調査結果を含む、本レポートの完全版を、アウンコンサルティングウェブサイトに掲載しています。ぜひご覧ください。

■ 調査概要

【調査主旨】 
世界40カ国におけるAI関連の検索キーワード調査

【調査要綱】

  • 対象国・地域: OECD加盟主要国を中心にアウンコンサルティングにて抽出した40カ国・地域

  • 検索キーワード順位データ:Googleトレンド - https://trends.google.co.jp/trends/

 <データ取得条件>
 - 検索キーワード:「AI」

 - 調査対象期間:2024/01/15~2025/01/14
 - カテゴリ:すべてのカテゴリ
 - 取得データ:関連キーワードを「注目」の指標で並び替えた上位10件を取得

【出典】

(※1) Sakana AI 株式会社 -「Announcing Our Series A」(プレスリリース, 2024年9月4日),

https://sakana.ai/series-a/

(※2) NHK - 「米でも中国でもない 世界的な生成AI技術者が日本を選んだワケ」 (2023年11月6日),

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231106/k10014245731000.html

(※3) IDC Japan - 「国内生成AI市場は今後5年で8,000億円規模への成長を予測」(2024年11月14日), https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ52722724

(※4) ソフトバンク株式会社 - 「OpenAIおよびソフトバンクグループが提携し、 企業用最先端AIを開発・販売することに合意」(プレスリリース, 2025年2月3日), 

https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2025/20250203_01/

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会社概要

URL
https://www.auncon.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区丸の内二丁目2番1号 岸本ビルヂング6F
電話番号
0570-05-2459
代表者名
信太 明
上場
東証スタンダード
資本金
1億円
設立
1998年06月