台湾再生可能エネルギー産業の振り返りと2022年の展望<ワイズ機械業界ジャーナル2022年3月第4週号発行>
〜台湾機械業界の最新動向を分析する〜
ワイズコンサルティング グループ(本社:中華民国台北市、代表取締役:吉本康志)は台湾機械業界専門誌「ワイズ機械業界ジャーナル」の2022年3月第4週号を発行しました。今週号では、エネルギー業界、半導体設備業界、PCB用自動化乾燥装置メーカーのASIA NEO TECH、ファスナー業界について紹介します。
<最新号目次>
- 台湾再生可能エネルギー産業の振り返りと2022年の展望
- 半導体・電子産業向け設備需要が安定成長 新たな商機のレーザー加工先端技術
- コア技術掌握 PCB用自動化乾燥装置メーカー科嶠工業(ASIA NEO TECH)
- 台湾ファスナー産業の現状と今後の展望
一、産業概況
太陽光発電産業
台湾の太陽光発電産業はシリコウエハー、太陽電池と太陽光発電モジュールを主要製品とする。2021年第4四半期の生産額は187億9,000万台湾元で、前期比4.6%減、前年同期比22.6%増だった。太陽光発電モジュールの需要期が第2四半期、第3四半期に集中したため、第4四半期の出荷量が減少したことが原因だ。一方、太陽光発電モジュール価格下落を受け、川下メーカーからの調達需要が増加したため、前年同期比では成長となった。
風力発電産業
台湾風力発電産業の21年第4四半期の生産額は138億3,000万台湾元で、前期比57.8%増、前年同期比28.7%増だった。域内向け洋上風力発電所からの需要が成長の主力となった。21年第4四半期は水中基礎の出荷量が多かったため、風力発電産業全体の生産額が増加した。
海外市場がメインの風力発電機原材料と風力発電機部品については、20年に発売したカーボンファイバー製品の出荷が成長傾向を維持しており、風力発電機原材料の生産額を押し上げた。
第4四半期は海外市場向け風力発電機の非需要期に当たるため、同製品の生産額は小幅減少となったものの、全体としては前期比で小幅成長だった。
その他産業
その他産業のうち、台湾燃料電池産業は燃料電池部品を主要製品とし、主に海外の固体酸化物形燃料電池(SOFC)メーカーに供給している。また、台湾には固体高分子形燃料電池(PEMFC)メーカーが数社あり、電力供給システムや燃料電池ビークルなどを生産している。21年第4四半期は韓国市場から長期受注を獲得したことから、生産額は前期比2.9%増の8億2,000万台湾元だった。バイオ燃料については、米国などの主要国家の生産量が増加したため、台湾からの調達需要減少で、21年第4四半期の生産額は同1.3%増の小幅成長となった。
このように、各産業の生産額増加により、同期の台湾再生可能エネルギー産業の生産額は334億6,000万台湾元で、前期比14.3%増、前年同期比25.0%増だった。
二、2022年の展望
太陽光発電産業
世界各国のカーボン・ニュートラル目標設定、大手メーカーの再生可能エネルギー需要が増加したことから、大手メーカーと台湾のサプライチェーンメーカーの太陽光発電設備の設置需要が増加した。また、台湾の太陽光発電産業メーカーはシリコンウエハーの規格変更と川下市場の需要増加を好感して2年連続で生産能力を拡張しており、2022年第1四半期から試験生産に入り始める。
しかし、近頃中国メーカーがシリコンウエハー価格を下方修正する動きを見せ、台湾メーカーも製品価格の下方修正を迫られている。このため、産業全体の生産額は減少が見込まれ、22年通年の太陽光発電産業の生産額は前年比4.6%減の688億5,000万台湾元となる見通しだ。(後略)
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所在地:中華民国台北市襄陽路9號8F
代表者:吉本康志
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