【共同プレスリリース】シリア危機 ポリオ予防接種キャンペーン実施できず
戦闘激化する北部ラッカ周辺で
※本信は ユニセフ中東・北アフリカ地域事務所からの情報を日本ユニセフ協会 広報室が
翻訳・編集したものです
※原文は http://childrenofsyria.info/ 内 From The News Centerで ご覧いただけます
【2014年1月13日 ダマスカス発】
ユニセフとWHOは、シリア北部の都市ラッカ(Al-Raqa)で、戦闘激化により、子どもたちへの
ポリオ予防接種キャンペーンが実施できない状況にあると、強く非難しています。
いかなる場所に住んでいようとも、シリアのすべての子どもたちが確実に予防接種を受けら
れるよう、ユニセフはWHOとともに活動を継続しています。
1999年以降、ポリオが根絶されていたシリア。しかし、昨年10月下旬にシリア国内でポリオ
の感染例が10件以上確認されました。ユニセフはWHOやパートナー団体とともに、ポリオ封じ
込めのために、シリアを含む中東7カ国で過去最大規模の予防接種キャンペーンを12月から
開始。5歳未満のすべての子どもたちを対象に、数カ月間にわたって実施されています。
必要なポリオワクチンの数は、シリア国内だけで1,000万回分。WHO東地中海地域事務所の
アラ・アルワン代表は、予防接種のための6カ月間の戦闘停止を求めていました。
シリアと周辺国の子どもたちにとって、ポリオは深刻なリスクです。ポリオは感染力が強く、
四肢に麻痺を引き起こし、その影響は生涯に渡ります。すべての子どもたちは、この恐ろしい
病気から守られる権利を持っています。
現在続いている戦闘は、ポリオ予防接種キャンペーンの実施を妨げているだけではありま
せん。シリアの人々、特に女性と子どもたちが置かれている状況は日に日に悪化し、生活は
悲惨さを増しています。
ユニセフは、この戦闘に加わっているすべての関係者に対し、直ちに戦闘を停止し、すべて
の子どもがポリオ予防接種を受けられるよう、そして、命を守るあらゆる人道支援が届け
られるよう、強く訴えます。
* * *
■「失われた世代にしないために(原題:No Lost Generation)」キャンペーン
今月7日、ユニセフは、他パートナー団体と共に、「失われた世代にしないために
(原題:No Lost Generation)」キャンペーンを開始しました。紛争下にあるシリアの子ども
たちが安定した不安のない将来を描けることを目指し、各国政府や支援機関、一般市民の方に
支援を呼びかけています。 #Nolostgeneraton #Childrenofsyria
「『失われた世代』を生み出さないために」
・シリアで、390万人の子どもたちに教育の機会を提供し、212万人の子どもたちに安全な
環境を提供する。
・周辺国においては、130万人以上の子どもたちに教育の機会を提供し、200万人以上の青少年と
子どもたちを対象とし、職業訓練などの機会を拡大させる。あわせて96万人以上の子どもたち
に安全な環境を提供する。
「失われた世代にしないために」キャンペーン特設ウェブサイト
(www.championthechildrenofsyria.org)では、紛争下にある子どもたちのストーリーを掲載して
いるほか、子どもたちへの投資が、単に紛争の被害者である子どもたちを救うだけではなく、
より長期的視点に立った場合のシリアと周辺地域の未来に何をもたらせるかも紹介しています。
* * *
■統計情報
◆シリア国内で影響を受けた
子どもの数:4,299,600人、人々の数:9,347,000人 (SHARP 2014)
◆シリア周辺国で難民として登録、または登録待機中の人数
子どもの数:1,214,226人、人々の数:2,365,588人 (UNHCR/2014年1月9日)
◆必要とされている資金
シリア国内: 1億1,046万米ドル、シリア周辺国: 3億6,019万米ドル (2013年1月-12月)
※15日には、国連の第2回シリア人道支援会合がクウェートで開かれ、シリアの人道危機への
資金対策が協議されました。22日には、スイスでシリア和平国際会議が開催されます。
■ 映像・画像素材について
下記のサイトより、「失われた世代にしないために」キャンペーンの公共CMならびに画像が
入手可能です。
http://weshare.unicef.org/mediaresources
日本ユニセフ協会 Youtube アカウントでは、日本語字幕付の公共CMを公開しています。
http://www.youtube.com/user/UNICEFJapanNatCom
昨年11月に行われた、『ヨルダン: ポリオ封じ込めの予防接種キャンペーン』の様子が動画で
ご覧いただけます。
http://j.mp/1j5AbHv
ご使用の際には、日本ユニセフ協会 広報室(下記記載) へご連絡ください
■ 本件に関するお問い合わせ
日本ユニセフ協会 広報室
TEL:03-5789-2016 FAX : 03-5789-2036 Eメール:jcuinfo@unicef.or.jp
または
Juliette Touma, ユニセフ中東・北部アフリカ地域事務所 Tel: +962 79 867 4628,
jtouma@unicef.org
Kate Donovan, ユニセフ本部(ニューヨーク)Tel: + 1 212 326 7452,
kdonovan@unicef.org
Iman Morooka, ユニセフ本部(ニューヨーク)Tel: +1 212 326 7211,
imorooka@unicef.org
Patrick McCormick, ユニセフ・ジュネーブ事務所 Tel: +41 22-909-5713,
pmccormick@unicef.org
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進
するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、
その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子ども
たちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために
活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの
任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会の
ひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動
の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)