災害時に命を守るのは「音」!?ラッパのマークの『正露丸』でおなじみの大幸薬品が80周年を機に“音の備え”に関する防災意識を調査
災害時の「音の重要性」を感じる一方、「ホイッスル」などの準備率は17%にとどまる結果に
大幸薬品株式会社(本社:大阪市西区、代表取締役社長:柴田 高、以下「大幸薬品」)は、2025年11月に創業80周年目を迎えたことを機に「家庭での備え」に着目し、全国の20~69歳の男女1,000名を対象に「防災に関する意識調査」を実施しました。
当社の象徴である“ラッパのマーク”は、かつて合図や知らせに使われていたラッパをモチーフにしています。こうした“音”とのつながりも踏まえ、今回の調査では家庭の防災備蓄の中でも見落とされがちな「音の備え」にも焦点を当てています。
大幸薬品はこれまで、ラッパのマークの『正露丸』をはじめとする製品を通じ、常備薬という形で多くのご家庭に「備え」を提供してまいりました。80周年を機にこの「備え」の視点を防災にも広げ、“暮らしを守る備え”の実態把握と意識喚起を目的に本調査を行いました。
その結果、非常食や電源など“生活を維持するための備え”は広く行われている一方で、災害により身動きが取れなくなる状況を想定し、“救助を求めるための備え”を整えている人はごく少数であることが明らかになりました。
大幸薬品は、本調査の結果を踏まえ、今後も防災をはじめとするご家庭における多角的な「備え」のあり方を提案してまいります。
【調査トピック】
● 災害への備えの中で、“音の出るもの”は最も準備が進んでいない
● 音の重要性は76%が理解、一方で“備え”は進まない
● ホイッスルの有効性、認識は62.5%。「発想がなかった」が 43.8% と最多
● 防災用ホイッスルを所持していない人は7割、持っていても使える状態にない
■災害への備えの中で、“音の出るもの”は最も準備が進んでいない
災害に備えて準備している防災用品を尋ねたところ、「非常食(48.8%)」「照明器具(45.5%)」「電源(36.0%)」など、災害時の生活の維持に直結する備えは 3〜5割の人が行っていることがわかりました。

一方で、「音の出るもの(17.1%)」は全項目の中で最も低く、災害時に自分の存在を知らせるための備えはほとんど進んでいませんでした。多くの人が災害時の生活維持の備えには手をつけているものの、「助けを求めるための備え」が後回しになっている現状が示されました。
■音の重要性は76%が理解、一方で“備え”は進まない
“音の出るもの”の準備率(17.1%)が最も低かった背景には、対策方法がわからないなど、災害時に自分が助けを求める状況を思い描くことそのものが難しいという課題が見えてきます。実際「がれきに埋もれる」「身動きが取れない」など状況を想定して具体的な対策を行っている人は 9.9% にとどまりました。


また、「想定はするが対策はしていない(29.3%)」「想定しているが、どのように対策すれば良いかわからない(22.7%)」が半数以上を占め、必要性は感じていても行動に移せていない層が多いことが示されました。一方で、災害時の“音の役割”については76.3%が「重要」と回答しており、音の必要性そのものは広く理解されています。つまり、音が重要だと認識していても、備えとして形になりにくいというギャップが存在しています。
■ホイッスルの有効性、認識は62.5%。「発想がなかった」が43.8%と最多
災害時に“音で知らせる手段”として何が有効かを尋ねたところ、「ホイッスル(62.5%)」が最も高く評価されていました。大声(48.8%)やスマートフォンのアラーム(40.6%)よりも信頼されており、ホイッスルは最も有効な手段として位置づけられています。


しかし、防災用のホイッスルを持っていない理由を見ると、「備えるという発想がなかった(43.8%)」が最多でした。有効な手段だと理解されていても、「自分がホイッスルを使う状況」や「持つ必要性」が行動に変わらないことが示されています。その結果、「備える」という段階まで意識が進みにくい状況が生じています。
■防災用ホイッスルを所持していない人は7割、持っていても使える状態にない
防災用ホイッスルを「持っていない」人は70.2%と多く、そもそも所持の段階に至っていないことが分かりました。
一方で、ホイッスルを持っている人でも、外出時に携帯しているのは7.6%にとどまり、「どこにあるかわからない(5.0%)」 といった回答も確認されました。

こうした結果から、ホイッスルは“持っていても使える状態にない”ケースが多く、所持していない層・持っていても活用できない層の双方に課題が残っていることが示されました。
■まとめ
今回の調査では、多くの人が防災を意識している一方で、「音の備え」は行動や知識として十分に根付いていない現状が明らかになりました。防災用ホイッスルを「持っていない」人が70.2%を占め、持っている人でも携帯していない、場所が分からないなど、実際に使える状態になっていないケースが見られました。
自由回答では、「初めて防災用のホイッスルの存在を知ったため今後に備えたいと思った」「今まで意識したことがなかったが、備える重要性に気付いた」といった、音の備えの重要性に気づいたという声が多数寄せられました。今回の調査結果は、「災害時に見つけてもらうための備え」について、行動と知識の両面で大きな課題が残っていることが示されました。
この「音の備え」を社会に広めるために必要なことを尋ねたところ、「個人の意識改革(30.1%)」だけでなく、「メディアでの発信(53.0%)」、「学校での教育(49.0%)」、「自治体からの啓発(41.2%)」が上位に挙がりました。「音の備え」は、個人の努力だけでなく社会全体で育てていく文化であることが示唆されました。
大幸薬品はこれまで、ラッパのマークの『正露丸』をはじめ、常備薬という形で「家庭での備え」を支えてきました。本調査で明らかになった声に応える形で、今後も「音の備え」の啓発を通じて、誰もが安心して暮らせる社会の実現に貢献してまいります。
【調査監修:備え・防災アドバイザー 高荷智也(たかに ともや) 氏】
●プロフィール
合同会社ソナエルワークス 代表社員
備え・防災アドバイザー
「自分と家族が死なないための防災」をテーマに、地震・水害・パンデミックなどの自然災害から、銃火器を使わないゾンビ対策まで、堅い防災を分かりやすく伝える活動に従事するフリーの防災専門家。防災ユーチューバーや、Voicyパーソナリティ としても活動する。

「命を守る防災」の一歩目に「音」の準備を
今回の調査では、災害対策において見過ごされがちな、しかし重要な「災害に対する“音”の備え」というテーマに焦点を当て、「ホイッスル」という防災グッズに関する興味深い状況が明らかとなりました。多くの防災セットにホイッスルが付属しているため、わざわざ防災用に「ホイッスル」を買ったという意識がないまま、手元に存在していたという方も多くいると想定されます。「ホイッスルを持っていますか」と簡単に聞かれれば無いと回答するが、「よく考えてみてください」と聞かれると、そういえばあったと思い出す。今回の調査では、「ホイッスル」を持っていても活用される状態にないという課題が見えてきました。
この課題は、災害対策における「音」への意識にも関係します。災害時に音が重要かと問われれば、76.3%は重要だと回答し、さらに音を出す手段として「ホイッスル」が有効だと答えた人も62.5%と多くいました。一方で、災害時に身動きが取れなくなる状況を、具体的に想定できている人は全体の9.9%に留まっています。さらに、「ホイッスル」を持っていない人に理由を尋ねた設問では、最多となる43.8%が「そもそもホイッスルを備えるという発想がなかった」と回答するなど、「音は重要だがそれをどう活用するか」というイメージに至れていない状況が分かります。
防災において、最も優先すべきことは「命を守る準備」です。大地震や水害といった自然災害、あるいは火災や事故と言った突発的な人災、突然身動きが取れなくなるという状況は、誰もが巻きこまれる可能性のあるリスクであり、助けを呼ぶための準備、「音」を備える防災は優先度の高い対策と言えます。小さくて軽い、子どもから高齢者まで誰もが簡単に使える「ホイッスル」を活用し、ぜひ命を守る防災に役立てていただきたいと思います。
<災害時に役立つホイッスルの吹き方>
調査では78.5%の人は「正しいホイッスルの吹き方を知らない」と回答しました。災害時に役立つホイッスルの吹き方はモールス信号の「SOS」が一般的です。
「S:短く3回」「O:長音3回」「S:短く3回」を繰り返す、正しい「ホイッスル」の使い方を、覚えておくと安心です。
●SOSの吹き方

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S |
ピッ・ピッ・ピッ |
・ ・ ・ |
|
O |
ピーッ・ピーッ・ピーッ |
― ― ― |
|
S |
ピッ・ピッ・ピッ |
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■調査概要
1. 調査方法:インターネット調査
2. 調査対象:20歳~69歳
3. 有効回答数:1000人
4. 調査時期:2025年11月11日~11月12日
■引用・転載時のクレジット表記のお願い
本リリースの引用・転載は、必ずクレジットを明記していただきますようお願い申し上げます。
<例>「大幸薬品株式会社が実施した調査によると・・・」
<大幸薬品株式会社について>
大幸薬品は、【「自立」、「共生」、「創造」を基本理念とし、世界のお客様に健康という大きな幸せを提供します】の企業理念のもと、『正露丸』『セイロガン糖衣A』を主力製品とする医薬品事業と、低濃度二酸化塩素ガスの効果を用いた『クレベリン』を主力製品とする感染管理事業を活動の柱としております。近年、セルフメディケーションの重要性が高まる中、当社では家庭薬と感染管理による衛生対策で、お客様の健康への寄与を通じて、社会に貢献できればと考えております。
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