国際NGOプラン・インターナショナル、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大がもたらす女の子と女性への悪影響を注意喚起
SNS利用による危険性、虐待や暴行のリスク高まる
国際NGOプラン・インターナショナル(所在地:東京都世田谷区 理事長:池上清子 以下、プラン)は、新型コロナウイルス(COVID-19)感染の拡大に伴い、ジェンダーによって受ける影響が異なること、特に女の子と女性におよぼす悪影響があることを指摘し、正しい対処法の理解を呼び掛けています。
プランは長年にわたり、途上国においてジェンダーに基づくあらゆる差別と人権侵害に反対し、女の子や女性たちの権利の実現と、困難な状況にある女の子たちを保護する活動に取り組んできました。現在、日本でも広がりを見せる新型コロナウイルス感染によって、女の子や女性たちへの悪影響が懸念されます。中学生から高校生の女の子は、休校や自宅待機のなか「サイバー空間」「自宅」「街角」など、あらゆる場所で危険にさらされます。近年問題の多い「サイバー空間」では特にリスクが高まるため、対応が必要です。
また、営業自粛や停止などによって在宅を強いられ、日常生活の急激な変化や収入が途絶えるなど、先行きの不安によるストレスにさらされている人は増加傾向にあります。弱い立場にある子どもたち、なかでも女の子と女性はその影響を受けやすくなります。
新型コロナウイルス感染による休校で、子どもたちの学習はオンラインを用いて行われる機会が増えています。デジタルの進歩により在宅学習も可能となりつつある反面、子どもたちがSNSにアクセスする機会も多くなります。
平成30年警察庁のデータによると、SNSが原因で性に関する被害にあった18歳未満の子どもの数は1811人(高校生991人、中学生624人)で、これは過去最高だった昨年度から横ばいの数値です。多くがTwitter、LINEなどを使用しており、なかでも女の子を巻き込んだ以下のようなケースが挙げられます。
アドボカシー担当 長島 美紀のコメント
新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大で社会的・経済的な打撃を受けるのは弱い立場に置かれやすい人です。「弱い立場に置かれた人々」というのは今の日本社会にも大勢存在することを忘れてはいけません。特に思春期の女の子や若い女性が直面しているリスクは、コロナウイルスの感染拡大に比例して増大しています。感染症流行が引き起こす分断と対立、弱者切り捨ての風潮が加速化しています。今こそ国境やジェンダーといった分断をせず、真の意味での「誰一人取り残さない」理念に基づいた連帯と協調、そして幅広い視野に立って多様なニーズをきめ細かくすくい上げ、支えることが求められています。
また、営業自粛や停止などによって在宅を強いられ、日常生活の急激な変化や収入が途絶えるなど、先行きの不安によるストレスにさらされている人は増加傾向にあります。弱い立場にある子どもたち、なかでも女の子と女性はその影響を受けやすくなります。
プランではこれまでの途上国支援で培った知見に基づき、危険な状況にある女の子や女性に対し、以下の対策が必要であると考えます。
女の子と女性を取り巻く新型コロナウイルス感染によるリスクと解決策 ・第三者による家庭のモニタリング制度を導入 自宅待機などの対策において、女の子や女性、子どもをはじめ、閉鎖空間での虐待や暴力などのリスクを減らすことが必要です。 ・妊娠、出産などが後回しにされない医療体制の維持 妊産婦、既往症を持つ人、感染症以外の罹患者への治療が置き去りにされないように、十分な医療体制の準備を整えておくことが必要です。 ・ケア労働の負担軽減をするための支援 自宅待機などの予防措置の時期から罹患した場合まで、高齢者や家族の世話をするケア労働を担うのは女の子や女性が多くなります。こうした役割分担を見直すとともに、負担軽減の具体的な対応をとることが必要です。 ・若年層への経済的支援 特に若い女性の経済的な困窮は搾取と虐待につながる危険が高くなります。 ・経済的に困窮している家庭の子どもの栄養状態の改善、オンラインツールなどによる教育継続の支援 十分な食事がとれず成長期に必要な栄養を摂取できない、また教育の機会を失ってしまうことは、その後の子どもたちの人生に甚大な悪影響を及ぼします。 |
■ SNS利用の危険な事例
新型コロナウイルス感染による休校で、子どもたちの学習はオンラインを用いて行われる機会が増えています。デジタルの進歩により在宅学習も可能となりつつある反面、子どもたちがSNSにアクセスする機会も多くなります。
平成30年警察庁のデータによると、SNSが原因で性に関する被害にあった18歳未満の子どもの数は1811人(高校生991人、中学生624人)で、これは過去最高だった昨年度から横ばいの数値です。多くがTwitter、LINEなどを使用しており、なかでも女の子を巻き込んだ以下のようなケースが挙げられます。
パパ活・援助交際 | バイト気分、あるいは相手がやさしかったから、という理由で見知らぬ男性とSNSでつながり、その結果、誘拐、性暴力、殺人などの被害に遭遇。 平成30年警察庁のデータでは、児童買春などの被害児童・生徒は1715人で、半数以上が高校生や中学生。 |
JKビジネス | SNSで知り合った相手から、高収入のアルバイトがあると紹介されたものがJKビジネスであるケース。さまざまな業態で展開されており、警察庁が把握している店舗数も平成30年は昨年に比べ増加、児童ポルノの件数も増加。さらに利用客からのストーカー、性暴力の被害も発生している。 |
自撮り被害 | Twitterでつながった見知らぬ人や彼氏から裸の写真をSNSにアップするよう言われるケース。断れずに送信、拡散され、これをネタに親や学校にばらすと脅されて深刻な性被害にあう場合もある。相手は同性になりすますなど手口は巧妙、さらに画像がネット上に流れてしまえば、被害は将来にも及ぶ。 |
■ トラブルに巻き込まれた場合の対処法
子どもたちは、SNSの利用には多くの危険が潜んでいるということを事前に知っておくべきです。そして自分の心と体の安全を第一に、決して危険に近づかない、自撮りの依頼など嫌なことには「NO」と言うことが大切です。
万が一トラブルに巻き込まれたかもしれないと感じたら、すぐに信頼できる大人や各種相談窓口へ行きましょう。
※トラブルの際の相談先一覧紹介 ・都道府県警察本部サイバー犯罪被害相談窓口一覧 https://www.gov-online.go.jp/cam/net_crime/ ・性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ相談センター一覧 http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/avjk/pdf/one_stop.pdf ・JKビジネス相談窓口 http://www.npa.go.jp/bureau//safetylife/syonen/jk-business/jk-soudan.pdf ・10代のための相談窓口まとめサイトMex(ミークス) https://me-x.jp/ |
保護者や周囲の大人の方たちへ
スマートフォンのセキュリティアプリやフィルタリング機能の利用や、SNSの利用設定について確認をするなど、サポートをお願いします。また、SNS利用のリスクについて日ごろから話し合っておくことが大切です。アドボカシー担当 長島 美紀のコメント
新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大で社会的・経済的な打撃を受けるのは弱い立場に置かれやすい人です。「弱い立場に置かれた人々」というのは今の日本社会にも大勢存在することを忘れてはいけません。特に思春期の女の子や若い女性が直面しているリスクは、コロナウイルスの感染拡大に比例して増大しています。感染症流行が引き起こす分断と対立、弱者切り捨ての風潮が加速化しています。今こそ国境やジェンダーといった分断をせず、真の意味での「誰一人取り残さない」理念に基づいた連帯と協調、そして幅広い視野に立って多様なニーズをきめ細かくすくい上げ、支えることが求められています。
プランは、引き続き、新型コロナウイルス感染対策において、もっとも支援を必要とする人々を最優先に、多様なニーズに応える必要性を強く訴えます。
プラン・インターナショナルは、子どもの権利を推進し、貧困や差別のない社会を実現するために世界70カ国以上で活動する国際NGOです。創立は1937年。長年にわたり、子どもや若者、地域の人々とともに地域開発をすすめてきました。すべての子どもたちの権利が守られるよう、とりわけ女の子や女性への支援に力を入れています。 |
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