次世代モーターとして期待されるアキシャルギャップ型モーターの3次元数理モデルを構築

エプソン

セイコーエプソン株式会社(以下、エプソン)は、薄型、省エネルギー、高効率、高トルクなどの長所を合わせ持つ次世代モーターとして注目されているアキシャルギャップ型モーターに関して、任意の磁石極数と磁石配列を持つ3次元数理モデルを、世界で初めて構築しました。
本成果をまとめた学術論文は、米国電気電子学会(IEEE)が発刊する国際ジャーナル「IEEE Access」に掲載されました。
アキシャルギャップ型モーターは永久磁石を回転子とするPM(Permanent Magnet)同期モーターのひとつで、磁場の向きがモーターの回転軸と平行になるように磁石を平面上に周期配列したモーターです。さまざまな用途ですでに普及している従来のラジアルギャップ型モーターに比べて、さらに薄型、省エネルギー、高効率、高トルクなどを実現できるポテンシャルを秘めており、革新的なモーターとして、産業用ロボットの関節モーターや、電気自動車など次世代モビリティのインホイールモーターといった、さまざまな産業分野への活用が期待されています。

しかし、一般的に、アキシャルギャップ型モーターの開発・設計には、簡単な磁石配列に限定した2次元近似モデルや膨大な計算時間を要する汎用シミュレーションモデルを使用せざるをえず、最大限のポテンシャルを発揮するアキシャルギャップ型モーターの開発・設計が困難でした。

今回、エプソンは、さまざまな磁石極数や磁石配列のパターンに対応した3次元数理モデルを独自に開発しました。この数理モデルは、磁石の極数、配列、コイルの数、形状寸法などパラメーターを含み、数学的に導かれた計算式によって、モーター内部の物理現象を解析することができます。これにより、あらゆる極数や配列に対応したアキシャルギャップ型モーターの動作特性を短時間で解明できるようになりました。

本成果を通じて、薄型・高性能・高効率な次世代モーターの実現に貢献していきます。

なお、本成果をまとめた学術論文は、電気・電子工学分野における世界最大の学術・技術研究機関である米国電気電子学会(IEEE)が発刊する国際ジャーナル「IEEE Access」に受理、1月3日に掲載されました。

論文タイトル: 3-D Analytical Model of Axial-Flux Permanent Magnet Machine with Segmented Multipole-Halbach Array
著者: Taishi Okita(沖田 太志), Hisako Harada(原田 長子)
所属:Material Analysis & CAE Center, Technology Development Division, Seiko Epson Co.
(セイコーエプソン株式会社 技術開発本部 分析CAEセンター)
ジャーナル名: IEEE Access
論文URL: https://ieeexplore.ieee.org/document/10005122

< 以 上 >

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会社概要

セイコーエプソン株式会社

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URL
https://corporate.epson/
業種
製造業
本社所在地
長野県諏訪市大和3-3-5
電話番号
-
代表者名
小川 恭範
上場
東証1部
資本金
532億400万円
設立
1942年05月