シリコンスタジオ、西松建設のトンネル3Dデジタルツイン構築をゲームエンジン活用で支援
現場トンネル内の環境や建設重機の状態を仮想空間にリアルタイムで可視化
エンターテインメント業界を中心に、自動車、映像、建築など、さまざまな業界向けにデジタルコンテンツ関連ビジネスを展開するシリコンスタジオ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:梶谷 眞一郎、東証グロース:証券コード3907、以下「当社」)は、西松建設株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:細川 雅一、以下「西松建設」)による山岳トンネルデジタルツインプラットフォーム構築において、ゲームエンジン※1を活用した可視化技術で支援したことをお知らせします。


山岳トンネルデジタルツインプラットフォームは、建設機器やトンネル内部の状態など複数の情報をリアルタイムに可視化することにより、各種情報の共有や課題の早期発見、安全性の確認やルートのシミュレーションなどを実現するために活用されるものです。
当社は、3Dグラフィックスで仮想空間にトンネルを再現し、現場トンネル内の「環境データ」および⼈・重機の「位置データ」を仮想空間にリアルタイムで取り込んで反映・表示する仕組み部分を開発しました。開発にはゲームエンジン「Unity(ユニティ)」を使用しています。

環境データは、温度、湿度のほか、風速、気圧、照度、CO2濃度、電流値などが含まれます。2DグラフィックスによるGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)で表示・更新される仕様です。
位置データは、トンネル切羽で掘削作業を行っている⼈・重機の位置や姿勢、稼働状態などが含まれます。専用クラウドからリアルタイムに転送されるROS※2データをUnityでデータ変換処理し、3Dモデル化した重機本体およびパーツに反映することで、移動・回転などの動きを再現しました。仮想空間内の重機はトンネル仕様のホイールローダー(サイドダンプバケット仕様)です。図面および点群データ※3を元に3Dモデル化しました。
画面表示は、4つの視点切り替え(自由視点、運転席視点、追従視点、切羽側視点)が可能です。また、「通常モード」のほか、ワイヤーフレームと透過マテリアルによる「透過モード」に切り替えることもできる仕様になっています。
▼西松建設様による山岳トンネルデジタルツインプラットフォームの紹介動画
なお、このたびの山岳トンネルデジタルツインプラットフォームの構築支援について、西松建設の山本様より以下のコメントをいただいております。
弊社では西松DXビジョンを策定し、DXで実現する西松の姿として「現場力がシンカしたスマート現場」を目指しています。その中でも、特に山岳トンネル工事の無人化・自動化を重点テーマとして技術開発を行っており、デジタルツインからの自動化を目指したプラットフォームの構築を開始しました。デジタルツイン構築にあたっては「Unity」をはじめとしたゲームエンジンの活用が不可欠だと考え、過去に実績のあったシリコンスタジオ様にお声がけをしました。シリコンスタジオ様は我々が持つ課題を自分事と考えて、こちらが思いつかないアイデアや機能を提案してくれるので頼りにしています。今後も3次元点群データの活用や施工シミュレートなど山岳トンネルデジタルツインプラットフォームの機能を拡充し、山岳トンネル工事の自動化を目指します。
西松建設株式会社 技術研究所 土木技術グループ 上席研究員 山本 悟




※1 ゲームエンジン:コンピューターグラフィックスによるコンテンツ開発に必要なライブラリやツールなどの機能がまとまった統合開発環境
※2 ROS:ロボットアプリケーションを開発するためのオープンソースのフレームワークとツールセット
※3 点群データ:3Dレーザースキャナーなどで計測することにより得られる、無数の点の集合体として取得された座標情報(XYZ)と色情報(RGB)を持つ物体表面の形状情報
■ シリコンスタジオ株式会社について
当社は、ゲームや映像制作スタジオ向けに加え、自動車、映像、建築など、さまざまな業界向けに3DCG技術等を提供する開発推進・支援事業と、クリエイター職の派遣・紹介に特化した人材事業の2つの事業を展開しております。企画、技術、人材、運営など、ゲーム企業が抱えるすべての課題をワンストップで解決できること、および、ゲーム業界で培った3DCG技術等を他業種にも展開できることが強みです。ポストエフェクトミドルウェア『YEBIS』、リアルタイムレンダリングエンジン『Mizuchi』、リアルタイムグローバルイルミネーション『Enlighten』といった、高度な技術をゲーム制作現場に提供するシリコンスタジオのミドルウェアは、これまでワールドワイドで数多くのAAAタイトルに採用されてきました。また、Unreal EngineやUnityなどのゲームエンジンを活用した非エンターテインメント領域における案件に対し、コンサルティングから企画、設計、開発、運用まで、ワンストップで対応できるスキルと体制を有しています。
コーポレートWebサイト:https://www.siliconstudio.co.jp/
製品・サービスWebサイト:https://tech.siliconstudio.co.jp/

コンピューターグラフィックス(CG)は、無限の可能性を秘めています。
映像・エンターテインメント分野では表現の幅を拡げ、土木建築・自動車といった産業分野では、可視化やHMI(ヒューマンマシンインターフェイス)などに活用されています。AI・ディープラーニングの分野においても、学習データとしての活用が進み、その成果が評価され始めています。また、5Gのような高速大容量で低遅延を実現するネットワーク環境やクラウドの活用は、ユーザーエクスペリエンス(UX)にさらなる変革をもたらすでしょう。
私たちシリコンスタジオは、自社開発による数々のミドルウェアを有し、CGの黎明期から今日に至るまでCG関連事業に取り組み、技術力、表現力、発想力の研鑽を積み重ねてきました。それら3つの力を高い次元で融合させ、CGが持つ可能性を最大限に発揮させられること、それが私たちの強みです。
Ideas × Art × Technology
私たちはCG業界をリードするソリューションプロバイダーとして、お客さまの課題解決はもちろん、付加価値のあるアウトプットの提供をお約束いたします。
※ 「Unity」は、米国およびその他の地域でのUnity Technologiesまたは関連会社の商標または登録商標です。
※ その他、記載されている名称は各社の商標または登録商標です。
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