【TXP Medical】青森県南部の十和田市立中央病院にて、生成AIを活用した音声入力カルテアプリ『SpeechER』が2025年7月より本格導入
〜 医師や看護師がスマートフォンに話しかけるだけで、記録が電子カルテに自動構造化。地域医療を持続可能にする、新たな社会基盤テクノロジーへ 〜
TXP Medical株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:園生智弘、以下TXP Medical)は、当社が開発・提供する生成AIを活用した音声入力カルテアプリ『SpeechER(スピーチャー)』が十和田市立中央病院(青森県南部)にて、2025年7月より本格導入となることをお知らせいたします。これにより、医師や看護師はスマートフォンに話しかけるだけで、診療内容が電子カルテに記録として自動で構造化される仕組みが実現します。医療現場の業務効率化にとどまらず、地域医療の持続可能性を支える社会基盤となるテクノロジーとして本格的に活用が始まります。
・生成AIを活用した音声入力カルテアプリ『SpeechER』
https://txpmedical.jp/service/speecher/

■ 背景:医療提供体制の持続可能性が問われる日本の現状
日本の医療は、これまで「高度でアクセス可能」な体制として世界的に高く評価されてきました。しかし今、その前提が大きく揺らいでいます。特に地方部では、人口減少と高齢化の進行により、医療提供体制の持続可能性が深刻に問われています。厚生労働省の推計では、2040年には全国の医療圏の約30%で、医療資源が著しく不足する可能性が指摘されています(※1)。
こうした現象は、個別の病院運営の問題にとどまらず、医師の都市集中、勤務環境の過重化、地域人口の急減など、構造的な要因に基づくものです。今後さらに多くの地域で、持続的な医療提供体制を維持するための「仕組みの再設計」が求められています。
※1):厚生労働省「地域医療構想の推進に関する資料」(2024年3月)
■青森県の地域医療が抱える構造的な課題
青森県は全国でも最も深刻な医療課題を複合的に抱える地域の一つであり、限られた人材で医療の質と持続性を維持するために、「仕組み」からの支援が求められてきました。
・医師不足:人口10万人対医師数 全国ワースト5位/自治体病院での医師確保困難
・出生数と若年層流出:社会減少率全国1位/出生数は過去最少/若年層県外転出が顕著
・平均寿命:男女全国ワースト1位(2020年)/三大死因の標準化死亡比(SMR)が高い
・地理的ハンディ:津軽・下北半島を有し、広大な県土に人口が分散/高次医療機関へのアクセス困難
■ 地域医療における『SpeechER』の提供価値
『SpeechER』は、医師および看護師が自ら医療現場の業務フローをもとに設計し開発された、生成AIを活用した音声入力カルテアプリです。ユーザーはスマートフォンに話しかけたり、メモや数値の写真を撮るだけで、生成AIが診療記録に必要な情報を構造化・変換し、自動で適切な記録フォーマットに変換します。音声認識、OCR、専門用語辞書、多言語対応といった複数の技術を統合し、操作性と記録精度の両立を実現しています。
複合的な課題を抱える地域医療の現場において、『SpeechER』は地域の医療機関が疲弊せず、未来にバトンを渡すための社会的インフラとして機能します。
■『SpeechER』の特徴
①記録に追われる医療現場の生産性向上
・救急対応中の「聞く→メモ→転記」を“話すだけ”で完了
・書き直しや転記不要、記録時間を最大70%削減(TXP調べ)
・記録の標準化と正確性が向上、医療の安全性と効率性を両立
②属人性を排除し、情報の入口を構造化
・ベテラン職員に依存していたメモ・記録が、AIによって形式統一
・「抜け」「曖昧さ」が減少し、多職種間での情報共有精度が向上
③ITが苦手な現場でも“その日から使える”
・話すだけ、撮るだけという直感的操作
・AIが構造化してくれるから、通常の会話のように話すだけでOK
・高齢スタッフ・パート職員でも即日運用可能なUI設計
・院内全員で運用できる=「個人のICTスキルに依存しない支援」
④“増やさなくても回る”体制を支える
・記録にかかる時間と精神的負荷を軽減
・医師・看護師の「患者に向き合う時間」を創出
・人を減らすためでなく、疲弊させないための技術
⑤災害・過疎・搬送中でも“止まらない記録”
・災害時や在宅・搬送現場などでも、記録が「止まらない」
・多言語対応/OCRにより、さまざまな場面に対応可能
■ 今後について
TXP Medicalでは、十和田市立中央病院での『SpeechER』導入を全国の先駆け事例として、生成AIを活用したシステムを通じ、地域医療の持続可能性を支える社会基盤の構築を支援してまいります。
参考:SpeechER動画 https://youtu.be/vRQGsJg4G94
参考:生成AI搭載の音声入力/OCRカルテアプリSpeechER https://txpmedical.jp/service/speecher

TXP Medical株式会社
TXP Medicalは「医療データで命を救う」をミッションに、現役の救急集中治療医が立ち上げた次世代の医療インフラを牽引するスタートアップ企業です。基幹システムであるNEXT Stage ERは全国の大病院84箇所(大学病院・救命救急センターでのシェア約50%)で稼働、救急隊向けのNSER mobileは全国44地域、1200万人以上の人口カバレッジでの運用実績を有しています。
代表取締役:園生智弘(救急集中治療医)
設立:2017年8月28日
HP:https://txpmedical.jp/
・医療機関・自治体向け急性期医療データプラットフォーム「NEXT Stageシリーズ」の開発と提供
・急性期医療AI技術の開発と提供、臨床研究支援事業
・900項目の検査データ・バイタルデータ等を利用した急性期領域の唯一無二のリアルワールドデータサービス
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