超音波フェーズドアレイ探傷器のハイエンドモデル「OmniScan(オムニスキャン)X3 64」を発売
最大で従来比約4倍※1のデータ取得速度を実現し、検査の効率化に貢献
オリンパス株式会社の完全子会社である株式会社エビデント(代表取締役社長:斉藤 吉毅)は、対象物を破壊することなく、業界最高レベルの解像度で内部状態を鮮明に画像化できる超音波フェーズドアレイ探傷器「OmniScan X3 64」を2022年4月5日から国内で発売します。
超音波フェーズドアレイ探傷は、検査対象物に入射した超音波が空隙や割れなどの欠陥部位で反射して戻ってくる時間と強さから、対象物の欠陥の位置や大きさを推定する検査手法です。さまざまな素材や部品の品質検査やパイプラインのメンテナンスなどに使用されています。今回発売する「OmniScan X3 64」は、64個の超音波チャネルを同時制御できるハイエンドモデルながら、小型軽量な筐体を維持した製品です。発電プラントの圧力容器の厚みのある溶接部など、従来のポータブル探傷器では測定が難しかった検査シーンでも高精度に測定できます。また、サンプルの全領域に焦点が合った鮮明な画像を取得ができるTFM※2機能においては、データ取得速度を最大で従来比約4倍に向上しており、検査効率向上に貢献します。
※1 自社調べ。64素子のプローブとOmniScanX3 64、OmniScanX3をそれぞれ組み合わせてTFMを使用した際の比較。
※2 Total Focusing Methodの略。検査範囲内の全領域に焦点が合うように画像の再構成の計算を行うことにより、対象内部をより忠実に再現した鮮明な画像を描画できる。
▪主な特長
1. 超音波が伝わりにくい厚肉のオーステナイト系の溶接部の検査など、難易度の高い検査シーンにも対応
2. TFM機能のデータ取得速度を従来比最大約4倍に向上し、効率的な検査をサポート
3. 事前に超音波の反射強度をシミュレートできる機能などにより、誰でも簡単に操作可能
▪開発の背景
超音波フェーズドアレイ探傷による非破壊検査は、安全性の担保を目的として、風力発電設備や、オイル・天然ガスプラントなどのメンテナンスで実施されています。安心・安全なエネルギー供給を実現するために、検査機器へのユーザーニーズは高まっており、超音波の伝わりにくい厚みのあるオーステナイト系の溶接部や、微細なクラックが原因で事故につながりかねない発電所やプラントの設備に発生する高温水素アタック(HTHA)など、より難易度の高い検査シーンでも活躍できる製品が求められていました。これらの要求に応えるべく、従来の携帯性の高さを維持しつつ、より高精度かつ迅速に検査をサポートできる「OmniScan X3 64」を開発しました。
▪主な特長の詳細
1. 超音波が伝わりにくい厚肉のオーステナイト系の溶接部など、難易度の高い検査シーンにも対応
ミドルレンジモデルの「OmniScanX3」では同時制御可能な超音波素子が32個であったのに対し、本製品では64個の超音波チャネルを搭載しています。本製品は64個の超音波チャネルを同時に制御することで、より強い超音波の入射と、よりフォーカスの合った画像化を実現します。これにより、例えば発電所や化学プラントの圧力容器の溶接部のような厚みがあって、超音波が伝導しにくい素材でできた検査対象物であっても、微細な傷を高精度に検出することが可能です。また、これらの機能向上を実現しながらも、前機種と同じ5.7kg の小型軽量な筐体と同じバッテリ駆動時間を維持し、ユーザーの携帯性を担保しています。IP65にも準拠しており、屋外の過酷な検査環境でも安心して使用できます。さらに内部ストレージも最大1TBの検査データを保存することができるので、長時間にわたる検査も1度に行うことができます。
「OmniScanX3 64」では、「OmniScanX3」よりも1つ1つの欠陥を鮮明に確認できている。
厚肉で超音波が伝導しにくいサンプルであっても、ノイズの少ない鮮明な画像により、傷・欠陥を正確に把握できる。そのため、検査品質の向上が期待できる。
2.データ取得速度を従来比最大約4倍に向上し、効率的な検査をサポート
近年TFM機能は超音波探傷における規格化を実現し、実際の検査現場への適用が広がっています。本製品ではOmniScan X3シリーズのバーチャルアパーチャ機能※3により、128素子のTFMを実現。これにより、例えば64素子の超音波アレイプローブを使用した場合で同時制御可能な素子数の増加と演算処理の高速化により、データ取得速度を従来比最大約4倍に向上しています。サンプルの全領域に焦点が合った鮮明な画像が、約1/4の時間で取得できるようになり、効率的な検査をサポートします。
※3 64チャネルによるデータの取得を2度行うことにより、128素子のTFMを実現する機能。
3. 事前に超音波の反射強度をシミュレートできる機能により、誰でも簡単に操作可能
本製品は、TFM機能使用時の最適な条件設定をサポートするAIM※4機能を搭載しています。従来は作業者の感覚に頼って機器を設定していましたが、この機能により超音波の反射強度をシミュレートすることで、経験の浅い作業者でも簡単に設定することが可能です。また、CAD図面をインポートし、検査画像に重ねて表示するCADインポート機能も搭載。はじめて使用する方でも検査画像に現れる信号と対象物内部の位置関係を直感的に把握することができます。
※4 Acoustic Influence Mapの略。オリンパス独自の特許機能。
指定した検査条件における超音波の反射の強度をカラーマップでシミュレートし、表示している。
最適な設定を効率的に見つけることができる。
▲右:CADインポート機能のイメージ
検査画像に、CAD図面を重畳表示させている。赤く見える超音波の反射が、部品のどの位置に対応するか確認できるため、形状によるものか、欠陥によるものかを容易に区別できる。
本リリースに掲載されている社名及び製品名は各社の商標または登録商標です。
エビデントについて
エビデントは、科学的な視点で物事を見る姿勢を事業の根幹とし、イノベーションと探求の精神が私たちの行動の原点となっています。世界の人々の健康と安心、心の豊かさを実現するため、医学的研究分野、インフラ設備の点検、製造現場における品質管理、消費材に潜んだ有害物質の検出など、さまざまな現場におけるお客様の課題解決や成果の向上に貢献します。エビデントの産業分野におけるソリューションは、設備の保守、製造、環境用途の顕微鏡、ビデオスコープ、非破壊検査装置、X線分析装置まで多岐にわたっています。また、最先端の技術を搭載したエビデントの産業分野の製品は、品質管理、検査、測定の分野でも幅広く活用されています。ライフサイエンス分野においては、最先端のライフサイエンス・ソリューションの提供し広くコラボレーションをすることで、科学者や研究者の方々や病理医をサポートします。常にお客様の抱える課題の解決や、新たに生じるニーズに応えるべく、臨床研究や不妊治療、教育分野などに向けた幅広い用途の顕微鏡システムのラインアップを提供しています。
超音波フェーズドアレイ探傷は、検査対象物に入射した超音波が空隙や割れなどの欠陥部位で反射して戻ってくる時間と強さから、対象物の欠陥の位置や大きさを推定する検査手法です。さまざまな素材や部品の品質検査やパイプラインのメンテナンスなどに使用されています。今回発売する「OmniScan X3 64」は、64個の超音波チャネルを同時制御できるハイエンドモデルながら、小型軽量な筐体を維持した製品です。発電プラントの圧力容器の厚みのある溶接部など、従来のポータブル探傷器では測定が難しかった検査シーンでも高精度に測定できます。また、サンプルの全領域に焦点が合った鮮明な画像を取得ができるTFM※2機能においては、データ取得速度を最大で従来比約4倍に向上しており、検査効率向上に貢献します。
※1 自社調べ。64素子のプローブとOmniScanX3 64、OmniScanX3をそれぞれ組み合わせてTFMを使用した際の比較。
※2 Total Focusing Methodの略。検査範囲内の全領域に焦点が合うように画像の再構成の計算を行うことにより、対象内部をより忠実に再現した鮮明な画像を描画できる。
▪主な特長
1. 超音波が伝わりにくい厚肉のオーステナイト系の溶接部の検査など、難易度の高い検査シーンにも対応
2. TFM機能のデータ取得速度を従来比最大約4倍に向上し、効率的な検査をサポート
3. 事前に超音波の反射強度をシミュレートできる機能などにより、誰でも簡単に操作可能
▪開発の背景
超音波フェーズドアレイ探傷による非破壊検査は、安全性の担保を目的として、風力発電設備や、オイル・天然ガスプラントなどのメンテナンスで実施されています。安心・安全なエネルギー供給を実現するために、検査機器へのユーザーニーズは高まっており、超音波の伝わりにくい厚みのあるオーステナイト系の溶接部や、微細なクラックが原因で事故につながりかねない発電所やプラントの設備に発生する高温水素アタック(HTHA)など、より難易度の高い検査シーンでも活躍できる製品が求められていました。これらの要求に応えるべく、従来の携帯性の高さを維持しつつ、より高精度かつ迅速に検査をサポートできる「OmniScan X3 64」を開発しました。
▪主な特長の詳細
1. 超音波が伝わりにくい厚肉のオーステナイト系の溶接部など、難易度の高い検査シーンにも対応
ミドルレンジモデルの「OmniScanX3」では同時制御可能な超音波素子が32個であったのに対し、本製品では64個の超音波チャネルを搭載しています。本製品は64個の超音波チャネルを同時に制御することで、より強い超音波の入射と、よりフォーカスの合った画像化を実現します。これにより、例えば発電所や化学プラントの圧力容器の溶接部のような厚みがあって、超音波が伝導しにくい素材でできた検査対象物であっても、微細な傷を高精度に検出することが可能です。また、これらの機能向上を実現しながらも、前機種と同じ5.7kg の小型軽量な筐体と同じバッテリ駆動時間を維持し、ユーザーの携帯性を担保しています。IP65にも準拠しており、屋外の過酷な検査環境でも安心して使用できます。さらに内部ストレージも最大1TBの検査データを保存することができるので、長時間にわたる検査も1度に行うことができます。
▲検査データの取得イメージ比較(左:OmniScanX3、右:OmniScanX3 64)
「OmniScanX3 64」では、「OmniScanX3」よりも1つ1つの欠陥を鮮明に確認できている。
厚肉で超音波が伝導しにくいサンプルであっても、ノイズの少ない鮮明な画像により、傷・欠陥を正確に把握できる。そのため、検査品質の向上が期待できる。
2.データ取得速度を従来比最大約4倍に向上し、効率的な検査をサポート
近年TFM機能は超音波探傷における規格化を実現し、実際の検査現場への適用が広がっています。本製品ではOmniScan X3シリーズのバーチャルアパーチャ機能※3により、128素子のTFMを実現。これにより、例えば64素子の超音波アレイプローブを使用した場合で同時制御可能な素子数の増加と演算処理の高速化により、データ取得速度を従来比最大約4倍に向上しています。サンプルの全領域に焦点が合った鮮明な画像が、約1/4の時間で取得できるようになり、効率的な検査をサポートします。
※3 64チャネルによるデータの取得を2度行うことにより、128素子のTFMを実現する機能。
3. 事前に超音波の反射強度をシミュレートできる機能により、誰でも簡単に操作可能
本製品は、TFM機能使用時の最適な条件設定をサポートするAIM※4機能を搭載しています。従来は作業者の感覚に頼って機器を設定していましたが、この機能により超音波の反射強度をシミュレートすることで、経験の浅い作業者でも簡単に設定することが可能です。また、CAD図面をインポートし、検査画像に重ねて表示するCADインポート機能も搭載。はじめて使用する方でも検査画像に現れる信号と対象物内部の位置関係を直感的に把握することができます。
※4 Acoustic Influence Mapの略。オリンパス独自の特許機能。
▲左:AIM機能のイメージ
指定した検査条件における超音波の反射の強度をカラーマップでシミュレートし、表示している。
最適な設定を効率的に見つけることができる。
▲右:CADインポート機能のイメージ
検査画像に、CAD図面を重畳表示させている。赤く見える超音波の反射が、部品のどの位置に対応するか確認できるため、形状によるものか、欠陥によるものかを容易に区別できる。
本リリースに掲載されている社名及び製品名は各社の商標または登録商標です。
エビデントについて
エビデントは、科学的な視点で物事を見る姿勢を事業の根幹とし、イノベーションと探求の精神が私たちの行動の原点となっています。世界の人々の健康と安心、心の豊かさを実現するため、医学的研究分野、インフラ設備の点検、製造現場における品質管理、消費材に潜んだ有害物質の検出など、さまざまな現場におけるお客様の課題解決や成果の向上に貢献します。エビデントの産業分野におけるソリューションは、設備の保守、製造、環境用途の顕微鏡、ビデオスコープ、非破壊検査装置、X線分析装置まで多岐にわたっています。また、最先端の技術を搭載したエビデントの産業分野の製品は、品質管理、検査、測定の分野でも幅広く活用されています。ライフサイエンス分野においては、最先端のライフサイエンス・ソリューションの提供し広くコラボレーションをすることで、科学者や研究者の方々や病理医をサポートします。常にお客様の抱える課題の解決や、新たに生じるニーズに応えるべく、臨床研究や不妊治療、教育分野などに向けた幅広い用途の顕微鏡システムのラインアップを提供しています。
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