日本の伝統的な美意識や精神を根底に置き作品を制作する5名の現代アーティストによる企画展「和を以て景を綴る」を開催
兼子真一、野田ジャスミン、ハシグチリンタロウ、長谷川寛示、森夕香、5名の作家の視点を通して問いかける日本の美意識の変化。西麻布【WALL_alternative】にて3月14日(金)よりスタート。
エイベックス・クリエイター・エージェンシー株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:加藤信介、以下:ACA)が運営するオルタナティヴ・スペース【WALL_alternative】では、2025年3月14日(金)から4月5日(土)まで、日本の伝統的な美意識や精神を根底に置き作品を制作する、5名の現代アーティストによる企画展「和を以て景を綴る」を開催いたします。
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本展覧会では、絵画、書、彫刻、陶芸というそれぞれの分野で現代における新たな表現を試みている、兼子真一、野田ジャスミン、ハシグチリンタロウ、長谷川寛示、森夕香、5名のアーティストの視点を通じて時代に応じ“日本の美意識”がどのように変化しているのかを問いかけます。
なお、本展は、京都を拠点に活動を行うインディペンデント・キュレーター 渡邊賢太郎との共同企画であり、昨年ACAが行ったMEET YOUR ART FESTIVAL 2024内で、渡邊と共同企画した「和を以て美を見出す」を深化させる形で、WALL_alternativeが位置する麻布という場所性を紐解きながら展覧会を構成するとともに、京都を拠点に活動するYOKOYAMA TATAMIの協力の元、新たな展示空間が立ち上がります。
また、WALL_alternativeは3月14日(金)から3月16日(日)まで開催する回遊型アートイベント「GAIEN-NISHI ART WEEKEND」の拠点会場となり、展覧会初日の3月14日(金)にはオープニングパーティを開催するほか、翌日の3月15日(土)には出展アーティストとのトークセッション、3月16日(日)には14組のアーティストが映像作品を出展する[ART FILM PROGRAM]を実施します。
展覧会期間中に併設するバーでは本展に併せて開発したコラボレーションメニュー等を提供予定ですので、アート鑑賞とともにお楽しみください。
「和を以て景を綴る」
"Weaving Landscapes with Harmony"
東京・麻布地区。この地は、古くから日本の歴史と文化が交錯する場所として、独特の風情を湛えています。江戸時代、麻布地区は武士階級が住む”上町”として栄え、文化・芸術の発展とともに、商人文化が盛んな新しい時代を迎えました。また、近代以降、外国文化が流入し、西洋的な美意識と日本固有の精神性が融合する場としての役割を担うようになります。特に戦後、経済成長と共に麻布地区は「国際的な文化の交差点」としての地位を確立し、その地で育まれたアートと街の風景は密接に絡み合っています。麻布という場所が持つ歴史的価値は、アートにおける「新旧の調和」や「対話」の象徴でもあります。
そこで、本展覧会では、日本の伝統的な美意識や精神を根底に置き作品を制作する5名の現代アーティストの視点を通して、今を生きる私たちの感覚がどのように変化し、時代に応じて美がどのように変容するのかを問いかけます。
絵画、書、彫刻、陶芸というそれぞれの分野で、アーティストたちがどのように日本の美意識を再解釈し、現在における新たな表現を生み出しているのか。日本の美術が大切にしてきた「間」や時間の流れ、自然の変化、「無常」などの哲学的要素が、どのように今日の社会で新たに具現化されているのか。
過去と未来、伝統と革新が交錯する中で、本展での作品と空間の調和、作品と鑑賞者の対話、この場に居合わせた人々の会話が織り成す「景」は、人それぞれの感覚の中にも新たな「景」を綴ってくれるでしょう。
本展覧会を通じて、日本の美意識が持つ哲学や価値観がどのように現代に生き続け、変化し続けているのか、その現代の美意識を感じていただければ幸いです。西麻布 WALL alternativeで綴られる「景」が過去を尊重しながら、未来に向けての新しい視点を創造していく対話を生み出してくれることを期待しています。
キュレーター・渡邊賢太郎
関連プログラム
<OPENING RECEPTION/PARTY>
「和を以て景を綴る」のオープニングレセプションを実施するほか、併設するバーカウンターでは展覧会コラボレーションメニューを提供します。また、アーティストコレクティブ「ARTIFACT」が演出をプロデュースするオープニングパーティーを開催します。
日程:2025年3月14日(金)
OPENING RECEPTION:18:00~20:00
OPENING PARTY:20:00~24:00
会場:WALL_alternative ※入場無料・事前申込制
申込URL: https://bit.ly/3QugyzJ
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<TALK SESSION>
出演:渡邊賢太郎(キュレーター)、古後友梨(WALL_alternativeディレクター)他
日程:2025年3月15日(土)
時間:15:30~16:30
*18:00以降は通常営業を予定しております。
会場:WALL_alternative ※入場無料・事前申込制
申込URL:https://forms.gle/TWeZVJCrHADuUNA2A
※MEET YOUR ART公開収録形式で行います。
<ART FILM PROGRAM>
「GAIEN-NISHI ART WEEKEND」連動プログラムとして、SNOW Contemporary/TAV GALLERY/EUKARYOTE/HIRO OKAMOTO/WALL_alternativeから総勢14組のアーティストの映像作品を上映します。
日程:2025年3月16日(日)
時間:17:00-19:00 *19:00以降は通常営業を予定
出展アーティスト:海野林太郎/倉知朋之介/Sareena Sattapon/志賀耕太/soh souen/トモトシ/中田愛美里/二藤建人+馬嘉豪/早川翔人/布施琳太郎/松田ハル/米澤柊/米澤柊+青柳菜摘/渡邊拓也
会場:WALL_alternative ※入場無料・事前申込制
申込:https://forms.gle/fSVLeX31qt6ySEYy5
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■参加アーティスト/キュレーター/協力について
兼子真一
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2001年、東京藝術大学大学院美術研究科デザイン専攻修了。
浮世絵春画の手足にインスピレーションを受け、「関係」をテーマに手足の繋がりを通して世界を比喩的に表現する。彫刻、絵画、ドローイングなど様々な手法で探求する。
主な展示として、画廊宮坂(2005~2024)、代官山蔦屋書店(2022)、国登録有形文化財・旧近藤邸(2013)、由布院アートホール(2011)などで個展を開催。また、東アジア文化都市-中日韓彫刻招待展(2023)、3331 アートフェア(2021 年)、アートフェア東京(2016 年)、イギリスでの彫刻展「Fresh air」(2013 年)に出展。2018 年 6 月から毎月 iichiko(焼酎)の雑誌広告にドローイングが起用されている。
Instagram:https://www.instagram.com/kanekoshinichi_art/
野田ジャスミン
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1996 年タイ生まれ。2019 年より奈良を拠点に活動を開始。
陶芸による器物造形や、それらを用いたインスタレーション作品を制作。 自身のルーツを起点とし、多様化する価値観の中で生じるアンビバレントな感覚を探求。 また、現代の陶芸領域に内在する「工芸」と「アート」の対比や対立をテーマに表現活動を行う。
Instagram:https://www.instagram.com/jusmin_noda/
ハシグチリンタロウ
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1985年長崎県生まれ。書家、WLIGHTER。
10代の頃、パンクロックに衝撃を受け、自分たちのやり方で自分たちが言いたいことを表現することに魅了される。2004年に福岡教育大学書道専攻課程に入学を機に、言葉を用いた表現活動を開始。その後、戦後の様々な前衛芸術運動に感化され、中でも戦後日本を代表する書家・井上有一の「書は万人の芸術である」という考えに触発され、「紙と鉛筆があればタダでできる一番簡単な芸術」「日常を生きるためのエネルギー」として書を展開。日々生活の中で閃くインスピレーションを断片的な言葉でノートに書き付けており、それらが生き物のように融合し、変化して生まれる作品群は、WORD MUTANT(ワードミュータント)と呼ばれている。安価なタオルを筆記具として用い、高速なPUNKさながらに一気呵成に書き上げるスタイルは現代において文字が活字や画面上に打ち込まれるだけの単なる記号になってしまった状況の中で、異質な存在感を放っている。
Instagram:https://www.instagram.com/melt_record/
長谷川寛示
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1990年生まれ。三重県在住。
東京藝術大学美術学部彫刻科を経て、2016年、同大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。
同年、曹洞宗大本山永平寺で修行、僧侶となる。2024年に還俗。
主な個展に「decay, remains」(2023、KANA KAWANISHI GALLERY、東京)など。
グループ展に「跳躍するつくり手たち:人と自然の未来を見つめるアート、デザイン、テクノロジー」(2023、京都市京セラ美術館、京都)、「平衡世界 日本のアート、戦後から今日まで」(2023、大倉集古館、東京)、「Têmporas/テンプラKUROOBIANACONDA #4」(2022年、Sokyo Lisbon Gallery、ポルトガル)など。
Instagram:https://www.instagram.com/kanji_hasegawa/
森夕香
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1991年生まれ。2016年京都市立芸術大学大学院修士課程日本画専攻修了。
自らの体験や感覚をもとに、身体と環境の境界を探り、両者が内包し合い流動的に変化し続けるさまを絵画における 図と地の関係を用いて表現している。 描かれるものである「図」と、描かれなかったことで背景として想像される「地」の相互関係を曖昧に表現することや 秩序を崩すことで地が図にもなり、図が地に もなるような流動性を持った世界を表現したい。
近年土地の取材として植物のデッサンをを始め、描くうちに人間とは異なる身体性を持った生き物としての植物に 興味が湧き、憧れのような感覚を抱いている。 それから植物を「置かれている環境と地続きで人間とは異なった感覚で境界を行き来する存在」として捉え、他の存在と繋がり、環境と溶け合うような状況を描いている。
Instagram:https://www.instagram.com/mori1227/
渡邊賢太郎
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1990年熊本生まれ。現在、インデペンデントのディレクター・キュレーターとして、京都を中心に活動している。108 artworksの名義で、展覧会の企画やコーディネートを行っている。京都・西陣のシェアスタジオ TENSHADAIの中にあるオフィス兼ビューイングルームにて、作品の管理・販売やマネジメントなどアーティストたちのサポートもしている。
2016年より展覧会企画やアーティストサポートとして活動を始める。
2018〜2019年 KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 Public Program Managerを務める。
2020年〜2023年 京都のhaku kyoto ギャラリーディレクターを務める。
Instagram:https://www.instagram.com/kentaro_108/
YOKOYAMA TATAMIについて
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横山 充
1978年 東京生まれ。一級畳製作技能士。伝統的な日本建築での用途にとどまらず、現代アートやデザインプロジェクトでの畳制作を行なっています。
これまでに、多様な個人住宅、商業施設のインテリアプロジェクト、国内外の建築家やデザイナーと現代的なコラボレーションを行い、現代的な素材を取り入れつつ、伝統的なハンドメイドの手法を用いて、畳の良さと耐久性を活かした制作に取り組んでいます
この10年の間、畳制作への深い知見を活かして、染色した畳表や日本の伝統的な職人芸と現代的な美感覚を融合させた様々な畳のアレンジに取り組み、単なる床材としての域を超えた畳の可能性を広げてきました。個性的なオーダーメイドの畳制作を行い、伝統を守りながらも、現代的な場面での素材と工芸の多様性を再定義しています。
Instagram:instagram.com/yokoyamatatami
【展示概要】
企画展「和を以て景を綴る」
会期:2025年3月14日(金)-4月5日(土)※日曜定休
時間:18:00-24:00
会場:WALL_alternative(東京都港区西麻布4-2-4 1F)
入場:無料・予約不要 ※3月14日・15日・16日の一部時間のみ事前申込が必要です。
HP URL: https://avex.jp/wall/exhibition/497/
企画・主催:WALL_alternative
キュレーター:渡邊賢太郎
協力:YOKOYAMA TATAMI
グラフィックデザイン:関川航平
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【芸術文化魅力創出助成】
【WALL_alternative概要】
営業時間:18:00-24:00 ※日曜定休
住所:東京都港区西麻布4-2-4 1F
Instagram:https://instagram.com/wall_alternative
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