日本語教師は、世界の平和にどう貢献できるのか?
なかよし学園代表・中村雄一が8月30日、無料オンラインセミナーに登壇――カンボジア、ルワンダ、コンゴでの教育実践から「これからの日本語教師の可能性」を語る
特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト(所在地:千葉県松戸市、代表理事:中村雄一)は、2026年8月30日(日)、ルネサンス日本語学院が主催する無料オンラインセミナー「世界の現状から『平和』を考える~これからの日本語教師の可能性~」に、代表の中村雄一が登壇することをお知らせします。

中村は現在、世界各国で行っている教育支援・平和構築活動に日本語教育の専門性を生かすため、ルネサンス日本語学院で日本語教師資格の取得に向けて学んでいます。
本セミナーでは、戦後の日本、内戦を経験したカンボジア、ジェノサイドから復興を遂げたルワンダ、現在も紛争の影響が続くコンゴ民主共和国など、中村が実際に教育活動を行ってきた地域の事例を紹介します。そのうえで、日本語教師が語学を教える専門家にとどまらず、人と人、地域と地域、過去と未来をつなぎ、平和をつくる担い手になり得る可能性を伝えます。
「日本語を教えること」を、平和をつくる力へ
日本語教育は、単に文字、文法、会話を教えるものではありません。
日本語を学ぶことによって、日本の教育、文化、防災、保健衛生、ものづくり、仕事などに関する知識へアクセスできるようになります。また、共通の言葉を持つことは、異なる歴史や文化を持つ人々が対話し、互いの経験を学び合うための入口にもなります。
特に、紛争や貧困の影響を受ける地域では、教育の機会が将来への希望や就労の可能性、人と社会への信頼を取り戻すことにつながります。日本語教師が持つ「学習者の言葉を引き出す力」「相手の理解度に合わせて伝える力」「文化の違いをつなぐ力」は、海外の教育現場や平和構築の現場でも重要な役割を果たします。
中村は、予備校講師、通信制高校教員、教育ジャーナリストとして日本の教育現場に関わる一方、2013年から海外での教育支援活動を本格化させました。現在は、コンゴ民主共和国北キヴ州親善大使として、元子ども兵の社会復帰支援や教育活動にも携わっています。
今回の学びは、これまで現場経験を通して培ってきた授業力に、日本語教育の体系的な知識と技術を加え、活動をより持続可能で再現性のあるものへ発展させる取り組みです。

世界10カ国で進める「戦争を起こさない地域づくり」
なかよし学園は、カンボジア、ルワンダ、コンゴ民主共和国、ウガンダ、南スーダン、シリア、ネパールなど、世界10カ国で教育支援と平和構築に取り組んできました。
活動の特徴は、物資を届けて終わる一方向の支援ではありません。学校や地域を拠点として、基礎教育、識字、職業訓練、食、保健・衛生、防災、創造性教育などを組み合わせ、貧困、孤立、差別、情報不足といった暴力や紛争につながる要因を減らすことを目指しています。
コンゴ民主共和国では、元子ども兵の若者たちに、身近な教材を使った科学・ものづくり教育を実施。自分の力で考え、試し、他者と協力する経験を通して、武器ではなく知識や技術によって未来をつくる力を育てています。


南スーダンでは、現地パートナーと連携し、避難や食料危機の影響を受ける地域で、教育、食料、衛生、医療、職業訓練を組み合わせた地域づくりを推進しています。


ルワンダでは、1994年のジェノサイドの記憶と復興の歩みを学びながら、学校や地域で創造性教育、問題解決学習、教員研修を実施しています。2026年8月にはキガリ・ジェノサイド・メモリアルを訪問し、記憶を次の暴力の防止へつなげる平和教育について、Aegis TrustのFreddy Mutanguha CEOと意見を交わしました。


こうした現場で日本語教育を生かすことは、日本の言葉や文化を一方的に伝えることではありません。現地の言葉、文化、歴史を尊重しながら、日本で培われてきた教育や防災、ものづくりの知恵を共有し、現地の人々から得た学びを再び日本へ還す、双方向の教育活動です。
「教える人」を現地に増やす、日本語教師の専門性
海外支援を持続可能なものにするためには、外部から来た教育者だけが授業を続けるのではなく、現地の教師や若者が学びを再現し、次の人へ伝えられる仕組みが必要です。
日本語教師の養成過程では、学習者の背景や習熟度を把握し、授業目標を設定し、教材や教え方を設計する力を学びます。これらの専門性は、使用する言語や国が変わっても、教育活動の質と再現性を高めるうえで生かすことができます。
なかよし学園が目指しているのは、世界の現場で中村一人が授業を行い続けることではありません。中村の授業を受けた現地の教師や子どもたちが、今度は別の誰かに学びを伝える。日本語を学んだ若者が、日本と地域を結ぶ新しい教育者やリーダーになる。その循環を各地に生み出すことです。
日本語教師の資格取得に向けた学びは、現場での経験を個人の技術にとどめず、他の教育者にも共有できる教育モデルへ変えていくための新たな挑戦でもあります。

「支援される側」から「誰かを支える側」へ
なかよし学園が展開する「世界とつながる学び」は、日本の学校で行われている普段の授業や探究活動から生まれた教材を海外へ届け、現地で授業として活用し、その反応や成果を日本へ還す往還型の教育モデルです。
この循環を、なかよし学園では「CoRe Loop」と呼んでいます。
・Create:地域や教科の学びから教材や作品をつくる
・Reach:海外の学校や地域へ届け、授業として実装する
・Co-Reflect:現地の子ども、教師、地域と共に考える
・Return & Redesign:成果や課題を日本へ還し、次の活動を再設計する
障害のある日本の生徒と紛争・貧困地域の子どもたちを結ぶ実践は、国際教育事例サイト「Inclusive Education in Action」においても、「支援される側」と位置づけられてきた人々が、誰かを支える主体へ変わる包摂教育モデルとして紹介されています。
Inclusive Education in Action掲載事例
日本語を学ぶ人も、日本語を教える人も、互いに新しい価値や視点を与え合う存在です。本セミナーでは、この「教える側/教えられる側」を固定しない考え方から、これからの日本語教師の役割を考えます。

国際的な場でも発信される、草の根の教育実践
なかよし学園は、日本の学校と世界の教育現場を結ぶ実践を、国内外の会議でも発信しています。
2026年には、ポルトガル・リスボンで開催された国連システム学術評議会(ACUNS)年次総会に中村雄一と事務局長の中村里英が登壇。「多国間主義は国際会議場だけでなく、日々の教室から育てることができる」という立場から、草の根の学校教育を世界の平和構築へつなぐ実践を発表しました。
また、全国50校、1万人以上の児童生徒・教職員・関係者が参加した「世界とつながる学びプロジェクト2025」は、一般社団法人日本イベント産業振興協会のJACEイベントアワードにおいて、NPO部門準グランプリを受賞しました。
講演を聞いて「何かしたい」と感じた気持ちを、その場限りの感想で終わらせず、実際の教材づくりや海外での実装へつなぐ。「願う平和」から「行動する平和」へ進む仕組みが、教育・国際協力の両面から評価されています。

中村雄一代表コメント
「私はこれまで、カンボジア、ルワンダ、コンゴ民主共和国など、戦争や貧困を経験した国々の教室で授業をしてきました。そこで出会ったのは、助けを待つだけの子どもたちではありません。学びたい、働きたい、自分の国を良くしたい、誰かの役に立ちたいと願う人たちでした。
教育とは、正しい答えを一方的に教えることではありません。自分の思いや経験を言葉にし、異なる考えを持つ人と対話し、共に未来を考える力を育てることです。その意味で、言葉を教える日本語教師には、世界の分断を越えて人と人をつなぐ大きな可能性があります。
私はすでに世界の現場で教える活動を続けていますが、日本語教育については、現在もルネサンス日本語学院で学んでいる一人の学習者です。現場経験だけに頼るのではなく、専門的な教授法を身につけることで、より多くの人に届き、現地の教師たちが再現できる授業をつくりたいと考えています。
日本語教師の資格を取ることがゴールではありません。その力をどこで、誰のために、どのように使うのかが重要です。本セミナーが、日本語教師を目指す皆さんにとって、自分の学びや仕事が世界の平和につながる可能性を考える時間になればうれしく思います」

セミナー開催概要
セミナー名:無料オンラインセミナー「世界の現状から『平和』を考える~これからの日本語教師の可能性~」
開催日時:2026年8月30日(日)10:30~11:30
開催方法:Zoomによるオンライン開催
参加費:無料
登壇者:中村雄一登壇者
所属:特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト代表/コンゴ民主共和国北キヴ州親善大使
主催:ルネサンス日本語学院
申込締切:2026年8月29日(土)17:00
主な対象:
・日本語教師養成講座の受講を検討している方
・日本語教育未経験者・初心者
・海外での活動、移住、就職に関心がある方
・教育を通じて世界や平和に貢献したい方
詳細・申し込み:ルネサンス日本語学院セミナー案内ページ
登壇者プロフィール
中村雄一(なかむら・ゆういち)
1978年生まれ。特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト代表理事。コンゴ民主共和国北キヴ州親善大使。
通信制高校教諭、駿台予備校講師、家庭教師のトライトッププロ講師などを務め、教育ジャーナリストとして、いじめ、不登校、教育格差、海外教育支援などを発信。2007年になかよし学園を創設し、2013年から海外での教育支援活動を本格的に開始した。
アジア・アフリカを中心とする世界10カ国で、元子ども兵、難民、孤児、障害のある子ども、貧困地域の児童生徒などを対象に授業を実施。教育、食、保健・衛生、防災、職業訓練、地域産業を結び、「戦争を抑止する教育」と「戦争を起こさない地域づくり」を進めている。
現在、これらの平和構築活動に日本語教育の専門性を生かすため、ルネサンス日本語学院で日本語教師資格の取得に向けて学習している。

団体概要
団体名:特定非営利活動法人 なかよし学園プロジェクト
事業内容:世界とつながる学び(CoRe Loop)を軸とした探究・平和・包摂教育プログラムの企画運営/国内外の教育・食・心のケア支援 等
公式ウェブサイト:https://nakayoshigakuen.org
本件に関するお問い合わせ先
特定非営利活動法人 なかよし学園プロジェクト(事務局)
E-mail:peace.office@nakayoshigakuen.org
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