子どもの教育資金に関する調査2017

ソニー生命保険株式会社

このたび、ソニー生命保険株式会社(代表取締役社長 萩本 友男)は、2017年2月9日~2月13日の5日間、大学生以下の子ども(複数いる場合は長子)がいる30~59歳の男女に対し、2014年1月、2015年3月、2016年2月に発表した調査に続いて「子どもの教育資金に関する調査」をインターネットリサーチで実施し、1,000名の有効サンプルの集計結果を公開しました。(調査協力会社:ネットエイジア株式会社)
◆夫婦の教育熱 「夫婦ともに教育熱心」は22%
◆「夫婦で教育方針が異なる」5人に1人以上、「教育のことでよく夫婦喧嘩をする」7人に1人

大学生以下の子ども(複数いる場合は長子)がいる30~59歳の男女1,000名(全回答者)のうち、現在、配偶者がいる人(893名)に、子どもの教育に関する家庭の状況について聞きました。
まず、≪夫婦の教育熱≫についてみると、「夫婦ともに教育熱心だ」が21.6%、「自分は教育熱心だがパートナーはそうではない」が17.9%、「パートナーは教育熱心だが自分はそうではない」が24.2%で、『夫婦のうち少なくともどちらかが教育熱心』は63.7%となりました。親が教育熱心という家庭は多いようです。一方、「夫婦ともに教育熱心ではない」は36.3%でした。(図1)

(図1)

また、≪夫婦間で教育方針が異なるか≫では「あてはまる(計)」(「非常に」と「やや」の合計)は22.9%と5人に1人以上の割合となり、≪子どもの教育のことでよく夫婦喧嘩をするか≫では「あてはまる(計)」は14.0%と7人に1人の割合になりました。子どもの教育方針について夫婦間にズレがあったり、喧嘩に発展してしまったりしている夫婦もいるようです。(図2)(図3)

(図2)

(図3)


◆「子どもの受験・進学に不安」7割以上
◆「教育資金に不安」は7割半、夫婦で教育方針が異なる人では8割半に


次に、全回答者(1,000名)に、子どもの将来に関する項目をいくつか挙げて、それぞれどの程度不安を感じるか聞きました。
不安を感じている人の割合(不安を感じる(計):「非常に」と「やや」の合計)を、子どもの生活面に関する項目についてみると、≪学校生活≫では48.2%、≪インターネットやSNSの利用≫では63.6%となりました。子どもの進路に関する項目についてみると、≪受験・進学(※)≫では71.2%、≪就職活動≫では64.9%となり、日常生活など現在のことよりも、子どもの受験や就職といった将来のことに対して不安を感じている親のほうが多いようです。また、≪教育資金≫では75.0%となり、不安を感じている人の割合はさらに高くなりました。

夫婦の教育方針別に不安を感じている人の割合をみると、≪学校生活≫(同じ44.6%、異なる60.7%)や≪受験・進学≫(同じ66.8%、異なる83.7%)、≪教育資金≫(同じ72.0%、異なる85.8%)では教育方針が同じ夫婦より異なる夫婦のほうが15ポイント前後高くなりました。夫婦で教育方針にズレがある人のほうが、子どもの教育について不安を感じる傾向にあるようです。(図4)
※ 高校生以下の子どもの親(755名)のみ回答

(図4)


◆教育資金の不安理由「どのくらい必要かわからない」が最多、未就学児の親では7割以上
大学生等の親では「収入の維持や増加に自信がない」が半数


教育資金に不安を感じると回答した割合が75.0%と4人に3人の割合となりましたが、どのようなことが教育資金に対する不安の理由になっているのでしょうか。

教育資金に不安を感じている人(750名)に、子どもの教育資金について不安を感じる理由を聞いたところ、「教育資金がどのくらい必要となるかわからない」が57.2%で最も多くなり、次いで、「収入の維持や増加に自信がない」が44.1%、「貯蓄が苦手」が28.0%となりました。今後どのくらいお金が必要となるのか、今の収入がどのように変わるのか、といったことがはっきりしないと、将来の見通しを立てることが難しいために、教育資金に不安を感じる人が多いようです。また、「消費税10%への増税」(26.1%)や「社会保険料の負担増」(23.3%)といった、税や社会保険に関わる負担の増加も上位になりました。税制や社会保障制度がどのように変わるかということも、教育資金への不安の要因の一つとなっているようです。さらに、子どもの就学段階別にみると、子どもが未就学児、小学生、中高生の親では、「教育資金がどのくらい必要となるかわからない」(未就学児70.5%、小学生60.3%、中高生61.7%)が最も高くなりましたが、大学生等の親では「収入の維持や増加に自信がない」(50.0%)が最も高くなりました。高校生までの子どもの親は、子どもの教育にいくら必要になっていくのかわからないことが、大学生等の親は、現在の収入の水準を今後維持できるかということが、不安の理由になっているようです。(図5)

(図5)



◆子どもが社会人になるまでに教育資金はいくら必要か 平均予想金額は1,194万円
昨年までとは一転して上昇傾向に――今年は58万円上昇


続いて、未就学児の親(248名)に、子どもが小学生から社会人になるまでに、教育資金がいくらくらい必要だと思うか聞いたところ、「1,000万円~1,400万円位」が36.7%で最多回答となり、平均額は1,194万円となりました。

平均予想金額を過去の調査と比較してみると、2014年1,229万円→2015年1,156万円→2016年1,136万円と、前回調査までは減少傾向が続いていましたが、今回の調査では一転上昇する結果となりました。(図6)

(図6)【経年調査】


◆学校以外での教育費 一人あたりの月額平均は12,560円、昨年と比べ大幅増
◆習い事にかける費用 中高生の親では1,263円増加
◆教室学習費用 小学生の親は1,140円増加、中高生の親は1,854円増加


教育費については、学校にかかるものの他に、塾などの教室学習や習い事といった学校以外での教育費がありますが、親は、その学校以外での教育費について、1ヶ月にいくらくらい支出しているのでしょうか。全回答者(1,000名)に、子どもに対し、学校以外での教育費に1ヶ月あたり平均でいくら支出しているかを聞きました。

まず、子どもの学校以外での教育費の平均支出金額を合計すると、12,560円/月となりました。内訳は、≪スポーツや芸術などの習い事≫は4,545円/月、≪家庭学習費用(通信教育、書籍など)≫は2,765円/月、≪教室学習費用(学習塾、英会話、そろばん教室など)≫では5,250円/月となっています。

2016年調査と比較すると、≪スポーツや芸術などの習い事≫は677円/月、≪家庭学習費用≫は147円/月、≪教室学習費用≫は1,496円/月と、3項目とも増加となり、平均支出金額の合計が2,320円/月の増加となりました。

小学生の親や中高生の親についてみると、≪スポーツや芸術などの習い事≫では、小学生の親は529円/月の増加、中高生の親は1,263円/月の増加となりました。また、≪教室学習費用≫では、小学生の親は1,140円/月の増加、中高生の親は1,854円/月の増加となりました。習い事を通じて将来の役に立つような力を身につけて欲しいという親の気持ちや、塾などで勉強を頑張って欲しいという親の気持ちが強くなっているのかもしれません。(図7)

(図7)【経年調査】


◆「子どもの携帯・スマホ料金を支払っている」半数以上 平均支出金額は6,563円
◆「一人暮らしの子どもへのこづかい・仕送り」 1ヶ月あたりの平均支出金額は57,299円


さらに、全回答者(1,000名)に、子どもに関係する支出として≪携帯・スマホの通信・通話料金≫≪こづかいや仕送り≫についても聞いたところ、子どもの≪携帯・スマホの通信・通話料金≫に支出している親の割合は53.4%となり、半数以上の親が支出しているという結果となりました。また、≪こづかいや仕送り≫に支出している親の割合は、全体では50.9%となり、2人に1人が支出しているようです。同居状況別にわけてみると、子どもが一人暮らしをしている親では81.4%、子どもが一人暮らしをしていない親では48.6%となりました。(図8)(図9)

(図8)

(図9)

支出している人の平均支出金額をみると、≪携帯・スマホの通信・通話料金≫(支出している人534名)は6,563円/月となりました。≪こづかいや仕送り≫については、子どもが一人暮らしをしている親(支出している人57名)で57,299円/月、子どもが一人暮らしをしていない親(支出している人452名)で8,513円/月となりました。(図10)

(図10)


◆進学費用のための備え 高校生以下の子を持つ親の平均支出額は昨年より346円/月増加

次に、高校生以下(予備校生・浪人生を含む)の子どもの親(755名)に対し、子どもの進学費用のための備えとして、月々いくらくらい支出をしているか聞きました。

「0円」との回答が28.2%と最も多くなった一方、「10,000円~14,999円」(25.3%)や「20,000~29,999円」(13.8%)といった金額帯にも回答が集まり、1ヶ月あたりの平均支出金額は12,513円/月となりました。

2016年調査と比較してみると、1ヶ月あたりの平均支出金額は346円/月増える結果となりました。4人に3人の親が教育資金に不安を感じ、不安の理由では半数以上が「今後教育資金がどのくらい必要となるかわからない」と回答していましたが、早いうちから進学費用を準備することが大切だと考えて、実際に準備を始めている親が増えつつあるのかもしれません。(図11)

(図11)【経年調査】


◆大学等のための教育資金準備の方法 1位「学資保険」2位「銀行預金」3位「財形貯蓄」

子どもを大学等へ進学させるための教育資金は、どのような方法で準備しているのでしょうか。
まず、高校生以下の子どもの親(748名)に聞いたところ、「学資保険」が最も多く57.1%、次いで、「銀行預金」(51.5%)、「財形貯蓄」(10.8%)となりました。

これまでの過去の調査と比較してみると、「学資保険」が4年連続で1位となりました。昨年より減少はしていますが、今回の調査でも6割近くの親が回答しており、依然として子どもの教育資金準備の主な方法の一つであるようです。(図12)

(図12)【経年調査】

続いて、大学生等の親(245名)に、大学等への進学のための教育資金を、どのような方法で準備してきたか聞いたところ、「銀行預金」が49.8%で最も多く、次いで、「学資保険」が38.4%、「奨学金」が33.1%、「教育ローン」が17.1%となりました。教育資金準備の方法としては「銀行預金」や「学資保険」が多く用いられますが、その他にも、奨学金や教育ローンの利用、祖父母からの援助など、家庭の状況に応じて様々な方法が取られていることがうかがえます。(図13)

(図13)


◆子どもの教育資金のための節約 「外食費の節約」が最多回答
◆3人に1人が子どもの教育資金のために「自分のこづかいを我慢」


今度は、全回答者(1,000名)に対して、子どもの教育資金を捻出するために、節約している支出があるか聞きました。まず、「外食費」が最も多く42.3%となり、次いで、「衣類・ファッション費」(38.0%)、「レジャー・娯楽費」(36.5%)、「自分のこづかい」(34.6%)が3割台、「食費(外食除く)」(28.8%)、「水道光熱費」(24.0%)、「交際費」(24.0%)が2割台で続く結果となりました。「外食費」については4割以上が回答しており、“節約は外食費から”といった考えの人が多いようです。また、「自分のこづかい」については3人に1人が回答しており、子どものためなら、ということで自分のこづかいを減らしている親も少なくないようです。
子どもの就学段階別にみると、大学生等の親では、「レジャー・娯楽費」(54.4%)や「外食費」(48.0%)、「衣類・ファッション費」(46.8%)、「食費」(36.5%)、「交際費」(30.6%)において全体より高くなりました。大学生等の親が教育資金に不安を感じる理由のトップが「収入の維持や増加に自信がない」となっていましたが、そのことが節約に対する意識につながっているのかもしれません。(図14)

(図14)


◆親が大学等のための教育資金を準備する理由「親の義務だと思うから」が半数以上
◆未就学児の親が教育資金を準備するのは「色々な選択肢を与えたいから」


では、親はどのような思いから、子どものために教育資金を準備するのでしょうか。大学等のための教育資金を何らかの方法で準備している(または準備してきた)人(870名)に、その理由を聞いたところ、「高校卒業以降の進学支援も親の義務だと思うから」(56.2%)が最多回答となり、次いで、「子どもには色々な選択肢を与えてあげたいから」(49.3%)、「自分自身も親にしてもらったから」(33.9%)となりました。親として子どもを支えていきたいという思いだけでなく、自分も自身の親と同じように親の務めを果たしたいと考えている人が多いようです。

子どもの就学段階別にみると、未就学児の親では、「子どもには色々な選択肢を与えてあげたいから」(57.3%)が最多回答となりました。子どもの可能性を信じて、子どもの成長をみとどけたいと思っている親が多いようです。(図15)

(図15)


◆ICT技術を活用した授業で受けさせたい 1位「デジタル教材を使用した授業」
2位「ネイティブ講師によるマンツーマンのオンライン英会話」3位「電子黒板を使用した授業」


近年の目覚ましいICT技術の発展を受け、日本でも、教育現場にもICT技術を積極的に取り入れていこうとする動きが強まっています。現時点でも、小学校の段階からICTを活用した授業を取り入れて、子どもたちの学習の質を上げることができているという例も出てきています。

このICT技術を活用した授業について、提示した授業内容の中に受けさせたいと思う授業がある親(564名)が、どのような授業を受けさせたいと思っているのかみると、「デジタル教材(アプリやソフトなど)を使用した授業」が45.2%で最も多く、次いで、「海外のネイティブ講師によるマンツーマンのオンライン英会話を行う授業」が38.5%、「電子黒板を使用した授業」が35.6%、「デジタル教科書(電子書籍)を使用した授業」が34.9%、「ICTリテラシーの向上(パソコンスキル、プログラミングスキルなど)を図る授業」が34.6%となりました。1位の「デジタル教材」については、スマートフォンやタブレット端末の普及によって、子どもの年齢を問わず身近に触れていることもあり、イメージをしやすいのかもしれません。(図16)

※ ICT(技術)…情報通信技術のこと。情報処理や通信に関する技術の総称を指し、このICTを教育分野にも活用することで、授業の双方向性が高まったり、児童・生徒の主体性や意欲・関心、知識・理解を高めたりすることができるとされる。具体的には、電子黒板やノートパソコン、タブレット型端末などが教育現場で使われることになる。

(図16)


◆子どもに目指して欲しい理想の大人
有名人部門の1位は「イチローさん」2位「タモリさん」3位「天海祐希さん」と「所ジョージさん」
◆子どもに目指して欲しい理想の大人 歴史上の人物部門1位は「坂本龍馬」


最後に、全回答者(1,000名)に、自分の子どもに目指して欲しい“理想の大人”のイメージに合う有名人や歴史上の人物について聞きました。

まず、有名人としては、「イチローさん」(44件)が1位となり、次いで、2位「タモリさん」(23件)、3位「天海祐希さん」、「所ジョージさん」(各22件)となりました。

回答者がその人物を選んだ理由を聞いたところ、1位のイチローさんについては、「夢を諦めずに努力をする人だから」といった理由が多く挙がっており、努力の大切さや目標に向かって諦めないことの大切さを、自分の子どもに知って欲しいと思う様子がうかがえました。2位のタモリさんについては、「他人に気遣いができる」など気遣いや気配りに関する理由が多く挙がりました。3位の天海祐希さんについては、「自立した大人のイメージ」などカッコよさや聡明さに関する理由が多く挙がり、所ジョージさんについては「人生を楽しんでいる」など自由さに関する理由が多く挙がりました。(図17)

(図17)


また、歴史上の人物としては、「坂本龍馬」(48件)が1位となりました。次いで、「徳川家康」(46件)、「織田信長」(38件)が続きました。
歴史上の人物についても選んだ理由を聞いたところ、1位の坂本龍馬では、「新しいことを柔軟に取り入れた人物だから」といった、革新性や柔軟性に関する理由が多く挙がりました。自分の子どもには、積極的にチャレンジをして欲しいと思う親が多いのかもしれません。(図18)

(図18)


◆子どもに就いて欲しい職業 1位「公務員」2位「医師」3位「会社員」「看護師」

さらに、自分の子どもに就いて欲しい職業は何か聞きました。1位は「公務員」(159件)が最多回答となり、次いで、2位「医師」(37件)、3位「会社員」、「看護師」(各29件)、5位「薬剤師」(23件)と、上位5項目のうち3項目が医療関係の職業となりました。

回答者がその職業を選んだ理由を聞いたところ、1位の公務員では、「安定しているから」といった回答が多く挙がりました。2位の医師では、「命の尊さに触れる」など命の尊さや使命感に関する理由が多く、3位の会社員では、「真面目にコツコツ働いて欲しいから」、看護師では、「手に職を付けて欲しいから」、5位の薬剤師については、「結婚しても長く続けられるから」といった理由が挙げられました。(図19)

(図19)

以上
 

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業種
金融・保険業
本社所在地
東京都千代田区大手町1-9-2 大手町フィナンシャルシティ グランキューブ
電話番号
03-5290-6100
代表者名
髙橋 薫
上場
未上場
資本金
700億円
設立
1979年08月