「英語を話すために日本人に必要なものとは?」──「話す力」を鍛えるNHKラジオ『英会話タイムトライアル』講師スティーブ・ソレイシィが生で語る上達のメソッド
NHKラジオ 英会話タイムトライアル
○講師:スティーブ・ソレイシィ
○放送:ラジオ第2(月~金)午前8:30~8:40 ほか
○テキスト 毎月14日発売 定価:486円(本体450円)
https://www.nhk-book.co.jp/detail/000009105072019.html
- 時間内に一定の数の英文を言えるようになろう
和んだ空気の中、まずは隣同士でペアをつくり、英語での自己紹介。英会話では、一定の時間内にどれだけ文をつくって話せるかという「発話率」(Speech rate)が大事になります。これは番組やテキストを通して、スティーブ先生が常に言い続けている、『英会話タイムトライアル』の核となる考え方です。
そこで、会場では「30秒以内で最低4つの文をつくり自己紹介しましょう」というお題が出されました。
さらに、話し終わった順に座るというルールも設けられました。これはソーシャル・プレッシャー(Social pressure/社会的な圧力)によって発話率が上がり、流ちょうに話せるようになっていくという、学術的にも効果が示されている方法なのだそうです。
- 英会話の正解は1つではない!
「例えば、『私は○○という会社で働いています』と言いたい場合、次のどちらの英文が正しいのでしょうか?」
I work at ○○.
I work for ○○.
気になる答えは……「実はどちらも正解です(笑)」と、スティーブ先生。緊張気味だった会場に“なんだぁ〜”という安堵の空気が流れました。
「みなさん英語をたくさん勉強してきているはずなのに、話せない人がたくさんいます。“必ず正しい英語を選ばないといけない”と思い込んでしまっていることが、その原因の1つです」
英語の細かいニュアンスはともかく、意味の通じる文であればどれを使っても英会話では「正解」。
大事なのは、いくつもある正解の中で自分の口から出てくる表現が、「自分にとっての正解=言い慣れた英文」になっていくことだ、と力説していました。自分の口から出た言葉はとっておきの表現としてストックされていくのです。
一般的な英語のイベントだと、参加者が萎縮して先生の顔色をうかがうことが多いのに対し、「正解は1つ」という呪縛から解き放たれたみなさんは、自由な雰囲気で英文を口にされているのが印象的でした。
- 簡単な文をサッと返して対話力を身につける
イベント後半では、『英会話タイムトライアル』の人気コーナー「対話カラオケ」に挑戦。英語の問いかけに自分なりに答えて対話を完成させるという模擬会話のトレーニングです。
海外からやってきた方に地元を紹介するというテーマでみなさん対話にトライします。
対話でつまずいているペアを見て、スティーブ先生は次のように声をかけました。
「学校ではきちんと正しく答えなければマルはもらえませんでしたね。ところが、実際の会話では、みなさんが思っているほど、相手は話を真剣に聞いていません(笑)。そこまで正確さを求められていないのです」
例えば、
It’s a nice sunny day. How’s the weather this time of the year? Is the normal weather for this time of the year?
(晴れて気持ちがいいです。この時期の天気はどのようなものですか? この天気は、この時期によくあるんですか?)
と尋ねられたら、天気にたいして簡潔に返答できればOK。
No. It is very hot today. This is not normal.
(いいえ。今日はとても暑いです。よくある天気ではありません)
このように、短い文ですばやく返せばよいのです。
会話でポイントになるのは、言葉の往復がしっかりできるかどうか。難しく考えず、まずは簡単な文をサッと返せることが大切なんですね。
- 英語は使った分だけ上達する
公開レッスンの後は質疑応答タイムになりました。ここでのある質問への答えが、外国語として英語を学ぶ私たちにとっても参考になる内容でした。
参加者
“Could you tell me about how you learned Japanese?”
スティーブ先生
「すばらしい! どうやって日本語を話せるようになったかですね。
僕は、岐阜県神岡町(現:飛驒市)に、ELT(英語指導教師)として来日し、日本語を使わざるを得ない環境にいました。なぜ話せるようになりたかったかと言えば、仕事で成功したかったことと、そして日本が好きだったからです。
ものごとは、“Why?”があれば、大抵のことは道が開けると思いますよ。
自分が日本語を使えるようになった経験から言えるのは、学んだ表現が実際に口から出てくるかどうかを学習の基準にすべきだということ、そして“使った数”に意味があるということです。
みなさん勉強したはずのフレーズが口から出てこないということがあると思います。僕も覚えたはずの日本語が出てこないことがありました。でも、口から出てこなければ、それはその表現が自分のものになっていないということなのです。そんな経験をしながらも、僕はたくさん使うことでだんだん表現が出てくるようになり、使える語句が増えていきました。英語は使った分だけ上達するのです」
先生が日本語を学ぶ際に経験したことは、実は『英会話タイムトライアル』にもつながっています。『英会話タイムトライアル』は、実際に英語を使う機会を提供してくれる番組であり、英語を口にする力を身につける番組です。
つまり、スティーブ先生が日本語を学んで効果のあった方法を、私たちは今、番組とテキストを通じて、英語の学習に使っているということなのですね。
先生のメソッドがたっぷりつまった『英会話タイムトライアル』を続けて、私たちも英語で自由に話せるようになりましょう!
NHKラジオ 英会話英会話タイムトライアル
○講師:スティーブ・ソレイシィ
○放送:ラジオ第2(月~金)午前8:30~8:40 ほか
○テキスト 毎月14日発売 定価:486円(本体450円)
○別売CD 毎月14日発売 価格:1,625円(本体1,505円)
https://www.nhk-book.co.jp/detail/000009105072019.html
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